論文 - 内藤 文雄
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企業リスク情報の開示と保証のフレームワーク
内藤文雄
産業経理 67 ( 2 ) 36 - 46 2007年7月
単著
本稿では、企業リスク情報の開示と保証のあり方について検討している。本稿でのまとめとして、企業リスク情報の開示と保証の構図を図示して提示している。企業リスク情報は、非財務情報であり、その中心的な開示が要請される項目として重視されている。したがって、本稿は、その開示のあり方を究明するとともに、開示内容の信頼性をいかに担保するかについての分析も実施しており、企業内容開示と監査・保証の両局面に関係している。
証券市場を活性化し、企業の直接金融を活発化させるためにはなお一層の企業情報の開示を行うとともに、当該情報の信頼性を確保する仕組みを改善させる必要性が認められる。将来のキャッシュ・フローに指向した財務情報の利用局面において、非財務情報の役割は拡大しており、企業リスク情報はまさにこの意義を有しているものと考えられる。
企業リスク情報の開示について、市場参加者の意識を反映したディスクロージャーのあり方や公認会計士の実際の判断内容に応じた情報の信頼性に対する保証の仕組みを研究する必要がある。経済のグローバル化が急速に進むなか、開示・監査・保証に関する制度に関して先進的な取組みを行っている海外の制度や市場参加者の意識に関する国際比較研究を促進することにも意義が見出される。
このような意味において、本稿による成果は、企業リスク情報をめぐるディスクロージャー制度の拡充に資する資料となりうるものと考えられる。 -
法改正・内部統制の実効性とアクチュアリーの意義
内藤文雄
社団法人日本アクチュアリー会会報 ( 60 ) 142 - 187 2007年6月
単著
本稿は、法改正・内部統制の実効性とアクチュアリーの意義をテーマとして、財務諸表の監査における監査人の専門的判断と保険数理におけるアクチュアリーの専門的判断との類似性を指摘し、内部統制の実効性を確保するために、アクチュアリーがどのような専門的判断を行使すべきかを明らかにしている。
このため、1.内部統制の構築と内部統制報告書の開示と監査、2.内部統制システムの構築に関する課題、3.アクチュアリーの専門的意見形成と保証水準((1)財務諸表監査におけるアクチュアリーの保証の意義、(2)内部統制におけるアクチュアリーの保証の意義)、4.アクチュアリーの保証の基礎的要件(独立性、品質管理、継続的研修等)と内部統制の4点をサブテーマとして検討した結果を示している。
以上の検討により、内部統制の構成要素での中心課題は、リスク事象の認識、リスクの評価およびリスクへの対応にあることを指摘し、識別・評価したリスクについて、情報の共有化が重要であること、および会計上の見積りの監査や専門家の業務の利用に関する監査人側の視点は、アクチュアリーにとっては評価ポイントになるため、十分かつ適切な文書化が望まれることを提言している。 -
財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する基準案をめぐって
内藤文雄
甲南経営研究 47 ( 3 ) 73 - 92 2007年3月
単著
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事業報告の監査
内藤文雄
ビジネス法務 7 ( 3 ) 8 - 9 2007年3月
単著
会社法の規定により、株式会社は、会社法施行規則で定めるところにより、事業報告およびその附属明細書を作成し(会社法435条2項)、監査役設置会社および会計監査人設置会社は、事業報告・附属明細書について、監査役(監査委員会)の監査を受けなければならない(436条1項・2項)。また、会計監査人設置会社(大会社すべて)は、事業報告・附属明細書を作成し、監査役の監査を受けなければならないが、会計監査人監査を受けることは要求されていない。
本稿は、会社法によって強制される新たな事業報告の開示とその監査のあり方について、ドイツにおける状況報告書の開示内容と監査についての制度内容を紹介し、わが国における事業報告に対する監査の課題を明らかにしている。 -
CSR報告に関する海外の動向
上妻義直、内藤文雄
週刊経営財務(上妻義直との共著) ( 2788 ) 36 - 42 2006年9月
共著
担当区分:筆頭著者
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環境報告書情報に対する保証の枠組み-保証業務の構成要素について-
内藤文雄
上妻義直編著『環境報告書の保証』同文舘、第3章所収 28 - 53 2006年4月
単著
企業の事業活動が地球環境に与える影響をできる限り最小限にとどめることを目的として、事業活動による排出物を削減ないし資源として再利用するための企業経営が重視され、また実際に「環境経営」として実践されてきている。
環境経営をより実効性あるものにするためには、事業者が自らの環境保全への取組みについて積極的に情報を公開し、社会からの評価を受けていくことが重要である。
他方、社会一般の人々は、環境をめぐるさまざまな問題に対して、自ら行動を起こしたり、あるいは何らかの意思決定を行う場合には、有用な情報が必要不可欠である。その意味で、環境報告書が、企業の事業活動が地球環境に与える重要な影響をすべて記載し、かつその記載内容が正確であってはじめて環境報告書は役に立つ情報となる。そのためには、環境報告書の内容が信頼しうることを独立の第三者である専門家が証明する必要がでてくる。
そこで、本稿は、環境報告書の信頼性を担保するための仕組みとして第三者による保証が実施される場合に解決すべき論点のうち、環境報告書に特有の保証内容と保証水準の問題をとりあげ、財務諸表の監査の場合との違いを理論的観点から明確に指摘している。 -
企業リスク情報の開示と保証業務に関する質問票調査結果について(上・下)
伊豫田隆俊、永見尊、山崎秀彦、内藤文雄
週刊経営財務(伊豫田隆俊、永見尊、山崎秀彦との共著) ( 2758/2760 ) 49-59 - 44-51 2006年2月
共著
本稿は、日本学術振興会科学研究費補助金交付研究「不確実性下における企業リスク情報の開示と保証に関する実証的国際比較研究」(研究代表者 内藤文雄、課題番号16330086)にもとづく質問票調査の分析結果を示したものである。
調査にあたって、わが国の金融制度のインフラストラクチャーを構成する、証券市場の透明性を担保するための証券取引法にもとづく企業内容開示制度において、企業活動を取り巻く経済環境が不確実性を増す中、企業リスク情報の開示のあり方ならびに当該情報の信頼性の確保のための保証の仕組みを明らかにすることを目的とした。また、企業リスク情報の開示は、会計情報の質的特性としての真実性の程度にも直接間接に影響を及ぼすと考えられるから、本調査では、開示すべき企業リスク情報の内容と会計情報との関係性を分析することもその目的とした。
調査対象としたのは、日本、アメリカ、イギリス、カナダ、ドイツ、フランスの主要6カ国の上場会社合計7,910社である。回答会社数や回答率は、「表1」に示したとおりである。質問票は、現地国語で作成し、2005年9月より11月にかけて郵送による調査を行った。
調査の結果、6カ国において、企業リスク情報の開示に対する姿勢、開示内容、あるいは情報の信頼性の保証に対する考え方・方法に差異が認められることをあきらかにし、今後の企業リスク情報の開示と監査・保証のあり方に対する基礎データを提供している。 -
連載講座 新会計基準の考え方と会計処理: 第12回 企業結合会計
内藤文雄
税経セミナー 50 ( 12 ) 7 - 16 2005年8月
単著
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連載講座 新会計基準の考え方と会計処理: 第11回 連結会計(2)
内藤文雄
税経セミナー 50 ( 10 ) 6 - 15 2005年7月
単著
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内部統制システム構築に関する決定・開示
内藤文雄
企業会計特別保存版『新「会社法」詳解』 156 - 166 2005年7月
単著
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連載講座 新会計基準の考え方と会計処理: 第10回 連結会計(1)
内藤文雄
税経セミナー 50 ( 9 ) 11 - 19 2005年6月
単著
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連載講座 新会計基準の考え方と会計処理: 第9回 外貨建取引等会計処理
内藤文雄
税経セミナー 50 ( 7 ) 9 - 17 2005年5月
単著
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保証報告書 -合理的保証業務と限定的保証業務-
内藤文雄
企業会計 57 ( 4 ) 26 - 33 2005年4月
単著
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連載講座 新会計基準の考え方と会計処理: 第8回 自己株式・法定準備金の会計処理
内藤文雄
税経セミナー 50 ( 6 ) 10 - 17 2005年4月
単著
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保証報告書--合理的保証業務と限定的保証業務 (特集 企業会計審議会「財務情報等に係る保証業務の概念的枠組みに関する意見書」の完全解説)
内藤 文雄
企業会計 57 ( 4 ) 490 - 497 2005年4月
単著
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連載講座 新会計基準の考え方と会計処理: 第7回 固定資産の減損会計
内藤文雄
税経セミナー 50 ( 4 ) 13 - 22 2005年3月
単著
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投資意思決定有用性と実質的会計・監査判断の客観性
内藤文雄
會計 167 ( 2 ) 33 - 54 2005年2月
単著
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保証業務の概念的枠組みとその成立要件
内藤文雄
国民経済雑誌 191 ( 2 ) 47 - 62 2005年2月
単著
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連載講座 新会計基準の考え方と会計処理: 第6回 金融商品会計(2)
内藤文雄
税経セミナー 50 ( 2 ) 12 - 20 2005年2月
単著
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連載講座 新会計基準の考え方と会計処理: 第5回 金融商品会計(1)
内藤文雄
税経セミナー 50 ( 1 ) 19 - 26 2005年1月
単著