Presentations -
-
アプラノキトリウム類による上位捕食者のDHA蓄積における影響力の推定
森本 冬海、浜本 洋子、庄野 孝範、上田 真由美、桑田 晃、谷内 由貴子、黒田 寛、田所 和明、辻村 裕紀、宮岡 利樹、茂木 大地、中井 亮佑、長井 敏、松本 朋子、菊地 淳、本多 大輔
第10回 ラビリンチュラ・シンポジウム (甲南大学 岡本キャンパス 甲友会館) 2025.8 ラビリンチュラ・シンポジウム 事務局
Event date: 2025.8
Country:Japan
-
未分離系統群 LAB14 の分離に向けた特異的 PCR プライマーの設計
青野 未来、森本 冬海、寺嶋 蒼生、本多 大輔
第10回 ラビリンチュラ・シンポジウム (甲南大学 岡本キャンパス 甲友会館) 2025.8 ラビリンチュラ・シンポジウム 事務局
Event date: 2025.8
Country:Japan
-
Aplanochytrium sp. SEK-717 の多価不飽和脂肪酸合成経路の減衰位置の特定に向けた培養条件の検討
阪下 明日風、橋本 航太朗、石橋 洋平、本多 大輔
第10回 ラビリンチュラ・シンポジウム (甲南大学 岡本キャンパス 甲友会館) 2025.8 ラビリンチュラ・シンポジウム 事務局
Event date: 2025.8
Country:Japan
-
CARD-FISH法を用いたラビリンチュラ属の特異的染色法の検討
丸山 智愛、三浦 明日香、佐伯 奈緒子、本多 大輔
第10回 ラビリンチュラ・シンポジウム (甲南大学 岡本キャンパス 甲友会館) 2025.8 ラビリンチュラ・シンポジウム 事務局
Event date: 2025.8
Country:Japan
-
アプラノキトリウム類のCARD-FISHによる特異的染色法の再検討
佐伯 奈緒子、岩本 望、桑田 晃、本多 大輔
第10回 ラビリンチュラ・シンポジウム (甲南大学 岡本キャンパス 甲友会館) 2025.8 ラビリンチュラ・シンポジウム 事務局
Event date: 2025.8
Country:Japan
-
走査型電子顕微鏡を用いたAplanochytrium 類の環境サンプルでの直接観察に向けた固定法の検討
野口 明麗, 笹田 煕, 本多 大輔
第10回 ラビリンチュラ・シンポジウム (甲南大学 岡本キャンパス 甲友会館) 2025.8 ラビリンチュラ・シンポジウム 事務局
Event date: 2025.8
Country:Japan
-
珪藻を捕食するラビリンチュラ類の外質ネットによる捕食過程の観察
田中 麻裕、樋口 里樹、本多 大輔
第10回 ラビリンチュラ・シンポジウム (甲南大学 岡本キャンパス 甲友会館) 2025.8 ラビリンチュラ・シンポジウム 事務局
Event date: 2025.8
Country:Japan
-
メタバーコーディング解析を用いたカイアシ類消化管内容物解析によるラビリンチュラ類とカイアシ類の捕食-被食関係の考察
安田敦登、平井惇也、本多大輔
第10回 ラビリンチュラ・シンポジウム (甲南大学 岡本キャンパス 甲友会館) 2025.8 ラビリンチュラ・シンポジウム 事務局
Event date: 2025.8
Country:Japan
-
原生生物アプラノキトリム類の現存量推定に向けたプロトコルの再検討
寺嶋 蒼生、森本 冬海、本多 大輔
第10回 ラビリンチュラ・シンポジウム (甲南大学 岡本キャンパス 甲友会館) 2025.8 ラビリンチュラ・シンポジウム 事務局
Event date: 2025.8
Country:Japan
-
原生生物ラビリンチュラ類の海洋生態系のDHA転送における影響力
森本 冬海、浜本 洋子、庄野 孝範、上田 真由美、桑田 晃、谷内 由貴子、黒田 寛、田所 和明、辻村 裕紀、宮岡 利樹、茂木 大地、中井 亮佑、長井 敏、松本 朋子、菊地 淳、本多 大輔
日本藻類学会第 49 回大会 (琉球大学) 2025.3 日本藻類学会
Event date: 2025.3
Country:Japan
ストラメノパイル系統群のラビリンチュラ類は,DHAを豊富に蓄積し海洋に広く生息することが知られ,特にラビリンチュラ類の中でもアプラノキトリウム類は,珪藻類を捕食することが確認されている。そこで,生態系への影響力を把握するため,珪藻類が豊富であることが知られている親潮域において,アプラノキトリウム類の細胞密度を定量PCRによって推定した。その結果,春〜秋のクロロフィルが豊富な親潮水系に,アプラノキトリウム類が豊富に生息することがわかり,環境中でも捕食者であることが示唆された。さらにアプラノキトリウム類の占める炭素量バイオマスは,観測された微小動物プランクトンの数%に相当するなど,環境中でも注目すべき生物であることが示された。また海洋生態系では,カイアシ類が魚類の主要な栄養源となっていることが知られており,Hirai et al. (2018)はメタ18S解析による調査を行い,カラヌス目カイアシ類の消化管内容物中には,海水中よりも高い比率でアプラノキトリウム類が存在し,効率良く捕食されていることを報告している。このメタ18S解析に基づいて試算した結果,カイアシ類へのDHAについて,アプラノキトリウム類は珪藻や渦鞭毛藻類よりも大きな影響を及ぼしていることが示され,このことは,魚類のDHAに対しての最大の供給者となる可能性を示唆している。
-
ラビリンチュラ属株の藻類に対する捕食過程の観察
田中 麻裕、樋口 里樹、本多 大輔
日本藻類学会第 49 回大会 (琉球大学) 2025.3 日本藻類学会
Event date: 2025.3
Country:Japan
ラビリンチュラ類はストラメノパイル生物群に属する無色単細胞真核生物で,細胞表面にある電子密度の高い物質と生体膜から構成される特殊なボスロソームから外質ネットを生じる特徴でまとめられている。ラビリンチュラ属の細胞では,ボスロソームを複数配置し,外質ネットが細胞全体を包んでおり,さらに他の個体と共有させることで全体として網目状のコロニーを形成する。一方,他のラビリンチュラ類は細胞ごとに1または2つのボスロソームをもち,そこから細い仮足状の外質ネットを放射状に展開する。最近になって,アプラノキトリウム属において生きている珪藻の珪酸質の外被のすき間から外質ネットを侵入させて,内部で細かく分岐して細胞体を攻撃する様子が示された。ラビリンチュラ属株も,生きている珪藻や酵母,糸状菌や海草のアマモなどを栄養源とすることが知られているが,その捕食過程の微細形態についてはあまり知見がない。そこで本研究では,ラビリンチュラ属株が珪藻などを捕食する過程について詳細に観察し,特に外質ネットの形状の異なるアプラノキトリウム属生物と比較することを目的とした。その結果,外質ネットによって珪藻を取り囲んだ後,外質ネットを珪藻の外被内に侵入させる様子が観察された。アメーバ類では獲物を細胞膜で包み込んで,これを食胞とすることで消化するが,ラビリンチュラ属株ではライソソームなどの小胞融合は観察されず,外被内に外質ネットを侵入させて攻撃することでは,アプラノキトリウム属株との共通性が確認された。
-
ラビリンチュラ類Parietichytrium属の有性生殖の解明に向けた試み
瀬尾 貫太、本多 大輔
日本藻類学会第 49 回大会 (琉球大学) 2025.3 日本藻類学会
Event date: 2025.3
Country:Japan
ラビリンチュラ類には無性生殖と有性生殖の両方が報告されているが,有性生殖に関しては知見が少なく,核相の移り変わりや細胞融合後の細胞の挙動など未だ不明な点が多い。本研究で対象としたラビリンチュラ類Parietichytrium SEK592株では,培地の栄養源が枯渇する培養4日目あたりに,遊走細胞同士の細胞融合を行う様子が,以前には確認されていたが,同様の条件でも細胞融合が確認されなくなった。そのような状況ではあるが,この株を材料として有性生殖の解明を目指した。
まず,フローサイトメーターによるDNA量の測定を行った結果,培養日数が経つにつれ低DNA量の細胞が増加し,培養4日目ごろには高DNA量の細胞が増加することが観察された。減数分裂によって低DNA量の細胞が増え,それらが融合を起こした結果,高DNA量の細胞が増加したとも考えられるが,DNA量ごとにソートされた細胞の観察の結果などから,有性生殖を示す確かな証拠にはなり得ないと判断された。次に,定量PCR法による減数分裂関連遺伝子の発現量の測定では,融合が起こる培養4日目ごろに発現量が増加すると予想されたが,有意な発現量の増加は見られず,全体を通して低い発現量を示した。これらの結果から,本実験で使用したParietichytrium SEK592株は長期間の継代培養の過程で有性生殖能力が弱まった,または失われた可能性が考えられた。 -
珪藻捕食性ラビリンチュラ類アプラノキトリウムの特異的染色法のプロトコルの再検討
佐伯 奈緒子、岩本 望、桑田 晃、本多 大輔
日本藻類学会第 49 回大会 (琉球大学) 2025.3 日本藻類学会
Event date: 2025.3
Country:Japan
原生生物ラビリンチュラ類のアプラノキトリウム属生物には,珪藻を捕食する能力があることが見出され,珪藻が豊富な親潮域の調査では,クロロフィル濃度との相関があるように分布することが示されており,生態学的に重要な役割を果たしている可能性がある。しかしながら,現場での調査は環境DNAを用いたメタ18S rDNA解析や,定量PCR分析によって行われることが多く,単独あるいは群体として存在しているのか,栄養源となる生物や物質に付着しているのか,といった直接的な観察はなされていない。また,アプラノキトリウム属生物は球状の単細胞で特徴が乏しいため,光学顕微鏡での同定が困難である。そこで,DNAプローブによる特異的染色法(CARD-FISH法)の適用を目指している。本研究では,まず報告されている配列情報から設計した特異的プローブについて,比較的配列の類似したラビリンチュラ類の他の系統群の株を用いて,その特異性を確認した。また,変性剤であるホルムアミド濃度やハイブリダイゼーションの温度などの最適化から,特異性を確保できる条件を探索した。さらに,蛍光シグナルの増感や,バックグラウンド蛍光の軽減のために,処理時間や試薬濃度なども再検討を行った。
-
魚類のDHA蓄積における 原生生物ラビリンチュラ類の影響力
森本 冬海、浜本 洋子、庄野 孝範、上田 真由美、桑田 晃、谷内 由貴子、黒田 寛、田所 和明、辻村 裕紀、宮岡 利樹、茂木 大地、中井 亮佑、長井 敏、松本 朋子、菊地 淳、本多 大輔
海洋生物シンポジウム2025 (東京海洋大学) 2025.3 日本海洋学会海洋生物学研究会
Event date: 2025.3
Country:Japan
多価不飽和脂肪酸(PUFA)は多くの生物にとって必須の栄養素であり、特にドコサヘキサエン酸(DHA)は動物にとって生理的に重要な機能を持つと考えられている。海洋では魚類等の動物は、自らPUFAを生合成できないため、食物連鎖を通じて摂取する必要がある。DHAを生産できる生物は限られ、珪藻類、渦鞭毛虫類、ハプト藻類、クリプト藻類、ラビリンチュラ類などが供給源の候補となっている。ラビリンチュラ類は世界中の海洋に広く分布するストラメノパイル系統の原生生物で、特にDHA含有率が高いことで知られている(図1)。これまでにラビリンチュラ類のアプラノキトリウム属株が珪藻類を捕食することについて報告されている。本研究では、珪藻類が豊富な親潮域におけるアプラノキトリウム類の細胞密度を推定し、ラビリンチュラ類の生態系での役割を考察した。その結果、クロロフィルが豊富な海域でアプラノキトリウム類の細胞密度が高く、環境中でも捕食者として振る舞っていることが示唆された。また炭素量バイオマスの比較では、微小・中型動物プランクトンの数%に匹敵する量を持ち、これまでに海洋生態系の枠組みで認識されていなかったアプラノキトリウム類が、海洋生態系で無視できない系統群であることが示された。
さらに、 [Hirai et al. (2018) Plankton Benthos Res 13: 75-82] 及び[Kobari et al. (2021) Sci Rep 11, 23265.]のメタ18S解析では、海水中での検出頻度が低いアプラノキトリウム類が、カラヌス目カイアシ類の消化管内では海水の数倍の頻度で検出されることが報告されている。そこで、この消化管内容物中に存在する各生物の比率に加え、DHA含有率などから推定した結果、カラヌス目カイアシ類への最大のDHA供給者はアプラノキトリウム類であることが示唆された。このカイアシ類は動物プランクトンの食物網において最も捕食されているとの知見もあることから、ラビリンチュラ類が生態系において動物プランクトン全体、さらには魚類のDHAの供給源として最有力であるとの結論に至った。 -
原生生物ラビリンチュラ類の海洋生態系における 役割の解明に向けて —魚類のDHAはどこからくるのか —
森本 冬海,本多 大輔
2024年度藻類談話会 (神戸大学理学部Z棟) 2024.11 京都大学大学院人間・環境学研究科 幡野 恭子
Event date: 2024.11
Country:Japan
-
樋口 里樹、平川 育美、本多 大輔
第9回ラビリンチュラシンポジウム (徳島大学 常三島キャンパス) 2024.8 ラビリンチュラシンポジウム世話人
Event date: 2024.8
Country:Japan
-
Labyrinthula 属の珪藻に対する捕食過程における微細形態の観察
田中 麻裕、樋口 里樹、本多 大輔
第9回ラビリンチュラシンポジウム (徳島大学 常三島キャンパス) 2024.8 ラビリンチュラシンポジウム世話人
Event date: 2024.8
Country:Japan
-
珪藻捕食性ラビリンチュラ類アプラノキトリウム類の海洋生態系の DHA 転送にお ける影響力
森本 冬海、浜本 洋子、庄野 孝範、上田 真由美、桑田 晃、谷内 由貴子、黒田 寛、田所 和明、辻村 裕紀、宮岡 利樹、茂木 大地、 中井 亮佑、長井 敏、松本 朋子、菊地 淳、本多 大輔
第9回ラビリンチュラシンポジウム (徳島大学 常三島キャンパス) 2024.8 ラビリンチュラシンポジウム世話人
Event date: 2024.8
Country:Japan
-
Aplanochytrium の環境海洋中での細胞の存在様式とその生態学的意義
佐伯 奈緒子、岩本 望、桑田 晃、本多 大輔
第9回ラビリンチュラシンポジウム (徳島大学 常三島キャンパス) 2024.8 ラビリンチュラシンポジウム世話人
Event date: 2024.8
Country:Japan
-
オイル産生珪藻Fistulifera solaris からのオイル抽出効率を上げる分解酵素の探索
樋口里樹・平川育美・本多大輔
日本藻類学会第48回大会 (神戸大学) 2024.3 日本藻類学会
Event date: 2024.3
Country:Japan
藻類由来のバイオ燃料生産技術開発が世界的に進められているが,微細藻類からオイルを取り出す工程には多くのエネルギーを必要とすることから,簡単且つ効率的にオイルを抽出することは重要な課題となっている。電源開発株式会社によって環境中から分離された海洋の珪藻Fistulifera solaris JPCC DA0580株(以下,ソラリス)は,細胞内に大量の中性脂質のオイルを蓄積し,屋外でも安定して培養できるというオイル産生藻類として有用な特徴を持つ。そこでソラリスを用いて,藻体を覆う珪酸質の被殻や粘性の分泌物を分解しオイル抽出効率を上げる酵素を探索した。
オイルを蓄積したソラリスを回収し,酵素溶液に一定時間浸した後に,凍結乾燥とヘキサン抽出を行いオイルの抽出量を測定した。酵素剤14種類について試験した結果,パパインとデナプシン2PとセルラーゼSSという3種類の酵素剤でオイルの抽出量が増加した。特にパパインはオイル抽出量が1.2〜1.5倍増加したことに加えて,加熱処理やpH調整が不要で扱いやすいことからオイル抽出効率を上げる方法として期待できる。
また,原生生物Labyrinthula sp.はソラリスを旺盛に捕食し,細胞内に高度にオイルを蓄積する特徴を持つ。オイルを蓄積したソラリスと少量のLabyrinthula sp.との混合培養を行い,オイル抽出効率が高くなるタイミングがあるかを検証し,微細藻類からのオイル抽出に他生物を利用するという新しいモデルの確立を目指す。