Papers - OKAMURA Ei
-
小中学校における「友達」をめぐる顕在的カリキュラムの検討―道徳の読み物教材に描かれる友情―
歌川光一・岡邑 衛
昭和女子大学現代教育研究所紀要 ( 3 ) 75 - 84 2017.12
Joint Work
Publisher:昭和女子大学
小中学校における「友達」をめぐる顕在的カリキュラムとして、道徳の読み物教材を分析した。その結果、「友達」と学級、学校の結びつきの自明性の揺らぎを背景人、単元として明確に「友情」を掲げる道徳は、その趣旨としては「友達」の範囲を学校に限定してはないものの、読み物教材においては、特別活動との関連が強く意識されていること等が主な原因となって、学級が同じであることと友達であることの環境や場に応じた友達との距離感、友情が芽生えるプロセスが見えづらい状況を確認することができた。
-
特別活動の指導法における教材活用の一視点―児童会・生徒会活動理解に向けた映画版『コクリコ坂から』の活用方法をめぐって―(査読付) Reviewed
歌川光一・岡邑 衛
学苑 ( 924 ) 23 - 37 2017.10
Joint Work
Publisher:昭和女子大学近代文化研究所
主権者教育や市民性教育の重要性が高まりつつある現在、教職課程を履修する学生らは、過去の学校生活において児童会活動や生徒会活動を体験した記憶を持っているものは少ない。そのような教員志望学生に対する特別活動の指導法として、映画版『コクリコ坂から』を活用する方法の可能性について論じた。
-
初任期教員の入職前の経験が力量形成に与える影響
岡邑衛
甲子園大学紀要 ( 44 ) 7 - 16 2017.3
Single Work
Publisher:甲子園大学
大阪府下の小中学校の初任期教員に実施した教員の力量形成に関するアンケート調査の分析結果の一部である。講師経験と「生徒指導に関する力量認識」等の伸びに関して分析し、初任期教員小学校では「モデルになる人」がいること、中学校では「他の授業を自由に見学」できる環境があることについて、講師経験の長さによって、それらの職場環境から受ける影響の大きさが違うことが明らかになった。
-
初任期教員が直面する課題と課題解決過程の振り返りにみる教員の力量形成
岡邑衛、島善信、米川英樹、菱田準子
教育実践研究 ( 10 ) 11 - 15 2016.10
Joint Work
Authorship:Lead author Publisher:大阪教育大学教職教育研究センター
大阪府下の小中学校の初任期教員に実施した教員の力量形成に関するアンケート調査の分析結果の一部である。職場環境と「生徒指導に関する力量認識」等の伸びとの関係に関して分析し、小学校では「モデルになる人」がいること、中学校では「他の授業を自由に見学」できる環境があることが最も大きな影響を与えていることが明らかになった。
-
特別活動における栄養教諭の役割と課題
岡邑衛
甲子園大学紀要 ( 43 ) 17 - 25 2016.3
Single Work
Publisher:甲子園大学
栄養教諭7名に対して実施したインタビューをもとに、特別活動における栄養教諭の役割と課題を明らかにした。特別活動で食育を実施することの意義を確認し、インタビューの分析結果より、特に若い栄養教諭の特別活動に関する知識の欠如、他の教職員からの協力の欠如、また、栄養教諭の仕事内容に関する相談相手の欠如が見出され、これらの課題への解決策を提案した。
-
大学生と大学教職員が考える「よいノート」の要件―「甲子園大学ノート大賞」でのコメントを基に―(査読付) Reviewed
増田将伸、西川真理子、上村健二、岡邑衛
大学教育研究ジャーナル (第12号) ( 12 ) 62 - 70 2015.3
Joint Work
Publisher:徳島大学総合教育センター
甲子園大学で実施している学修支援事業「ノート大賞」での、学生、職員、教員による「よいノート」についてのコメントの分析を通して、それぞれ立場の違いによって、ノートに対する考え方の違いがあることを示した。甲子園大学において、学生は色の効果的な使用を、教員は区分けによる情報の整理を「よいノート」の要件として捉えていることが明らかになった。
-
学生支援としての「ステップアップ講座」の効果の検証―受講者アンケートの自由記述の分析から
増田将伸、西川真理子、上村健二、岡邑衛、滝省治
甲子園大学紀要 ( 42 ) 37 - 45 2015.3
Joint Work
Publisher:甲子園大学
甲子園大学で教育課程外の学修支援事業として実施してきた「ステップアップ講座」の受講者アンケートの分析を通して、同講座が学生にどのような支援をおこなえているかを検証した。その結果、学修内容の多様性の確保、学修の質保証、情意面の効果について、効果が示された。
-
アメリカにおける共通コア州スタンダーズに対する学校の反応と課題―ニューヨーク市の小・中・高等学校でのフィールドワークをもとに―(査読付) Reviewed
岡邑衛、上田勝江、新谷龍太朗
大阪大学教育学年報 ( 19 ) 100 - 108 2014.9
Joint Work
Authorship:Lead author Publisher:大阪大学人間科学研究科
アメリカ合衆国における「共通コア州スタンダーズ」の現場への浸透具合とその課題を、フィールドワークを通して探ることによって、同国の学力格差是正策の実現過程とその課題を明らかにした。参与観察の結果より、いくつかの課題は指摘できるものの、共通コア州スタンダーズが実践に影響を与える度合いは、官民連携の度合いと強い関係がある可能性が明らかになった。
-
アメリカ―格差是正と標準化への苦闘―
米川英樹、深堀聡子、新谷龍太朗、岡邑衛、上田勝江
学力格差是正政策の国際比較 最終報告書 11 - 56 2014.5
Publisher:大阪大学大学院人間科学研究科教育文化学研究室
米国における近年の学力格差是正策についてまとめ、ノースカロライナ州およびニューヨーク州の事例を通して、その成果と課題を明らかにした。とくに、ニューヨーク市における、民間組織の活躍ぶりは目覚ましく、子どもの低学力、教員不足等の問題に一定の役割を果たしていることが明らかになったが、一方で、そのような動きは、成果主義や授業のフォーマット化などの企業的側面を伴っており、市全体で学力格差是正への均一な支援を行うことについての課題を見出した。
-
若手教師の専門性向上—生徒—教師間のコミュニケーションに着目して—(査読付) Reviewed
岡邑衛
日本教師教育学会年報 ( 22 ) 68 - 77 2013.9
Publisher:日本教師教育学会
長期にわたる公立学校での参与観察を通して、教師—生徒間のコミュニケーションに着目し、若手教師が出会う困難について分析した。その結果、これらの困難の中に、教員と生徒との間にコミュニケーショントラブルという生徒指導上の問題が発生していることを明らかにし、それを「ディスコミュニケーション」と名付けた。また、この問題への対処法として年長教師の「待つ」「聴く」というわざを事例から見出し、そこに専門性が高いとされる年長教師の専門性を見出した。そして、若手教師が実践の省察を通してそれらの専門性を向上させていくことを示した。
-
アメリカにおける学力格差是正政策―ニューヨークの事例に注目して―
米川英樹、深堀聡子、新谷龍太朗、岡邑衛、上田勝江
学力格差是正政策の国際比較(2)2012年度各国現地調査のまとめ 6 - 25 2013.3
Publisher:大阪大学大学院人間科学研究科教育文化学研究室
米国ニューヨーク州における聞き取り調査を通して、米国の学力格差是正政策に対し、現場がどのような反応を示しているのかを実証的に示し、とくに前年度に調査した郊外の州と対比して、都市部に位置するニューヨーク州の現状を分た。その結果、「データを基軸とした個別指導」「あふれるほどのコーチング」「親、コミュニティを巻き込んだ取り組み」がその特徴として明らかになった。
米川英樹、深堀聡子、新谷龍太朗、岡邑衛、上田勝江
担当範囲:第2節「学力格差是正に向けたニューヨーク市教育改革」を担当。 -
教員の意識と行動
岡邑衛、桐山勉、野崎友花
2012年度尼崎市立小・中学校子どもの学力・生活実態および教員の意識・行動実態調査報告書 15 - 15 2012.12
Joint Work
Publisher:大阪大学大学院人間科学研究科教育文化学研究室
兵庫県尼崎市で実施した教員への質問紙調査の自由記述分析から、教員の教育観や実践になにが影響を与えているのかを明らかにした。その結果、「同僚との関係」「生徒との関係」に関する記述が多く、教師の実践には先輩教師等「重要な他者」の存在や生徒指導上苦労した生徒たちと正面から向き合った経験等が大きな影響を与えていることが明らかになった。
-
アメリカにおける学力格差是正政策
米川英樹、深堀聡子、新谷龍太朗、岡邑衛、上田勝江
学力格差是正政策の国際比較(1)2011年度各国現地調査のまとめ 25 - 46 2012.5
Joint Work
Publisher:大阪大学大学院人間科学研究科教育文化学研究室
米国ノースカロライナ州における大学、小、中学校や教育委員会に対する聞き取り調査を通して、この州における学力格差是正策がどのように展開され、連邦政府によるNCLB法と州のABCプランといった教育政策の対立と協調が、現場の学校に与える影響の一部を明らかにした。その際、「厳しい条件にある学校の取り組みや支援」「コモン・コア・スタンダードがカリキュラムや基準となる評価尺度のもたらした影響」等、4つの項目に関して分析した。
-
教師が繰り広げる授業
岡邑衛
教育文化学年報 ( 7 ) 104 - 115 2012.4
Single Work
Publisher:大阪大学大学院人間科学研究科教育文化学研究室
シュルツらの「会話フロア」概念に依拠し、授業中に発生する教師—生徒間のコミュニケーションによって発生するフロアについて参与観察を基に分析を実施した。その結果、参与観察を行った授業中の状況を5つの型に分類しうることを、事例を用いて明らかにした。また、この5つの型は行き来することが可能であり、その変化は教師—生徒間のコミュニケーションの状態により左右され、授業改善には生徒とのコミュニケーションを通した生徒指導力が問われることを示唆した。
-
教師の専門性―「反省的実践家」概念を中心に―
岡邑衛
教育文化学年報 ( 6 ) 133 - 141 2011.3
Single Work
Publisher:大阪大学大学院人間科学研究科教育文化学研究室
教師の専門性に関する先行研究の整理をし、ドナルド・ショーンによって提唱された「反省的実践家」概念を批判的にまとめた。その結果、現代の教師の専門性を捉えるために「反省的実践家」概念は有効である一方で、このモデルの特性上、調査者の目に見えないものを描くことや、実践者が言語化できないことを言語化していくことの困難性を示した。また、この課題を解決するための研究方法として、参与観察等の研究方法が有効であることを示した。
-
若手教師の専門性を育てる学校
岡邑衛
学力向上策の比較社会学的研究 246 - 255 2011.3
Single Work
Publisher:大阪大学大学院人間科学研究科教育文化学研究室
格差を縮小させ、児童生徒に学力をつけさせることに成功している学校での参与観察から、若手教師の専門性を育てる学校の特徴を、教職員集団の同僚性、学校と地域・外部機関との関係性という側面から分析した。その結果、これらの学校では、若手教師を育てるT・Tの実践やメンタリングが日常的に行われており、また、外部の専門家の視点の導入によって、若手教師が実践の省察を積極的に行える環境が整えられていることが明らかになった。
-
理科離れはどこからうまれるか
岡邑衛、桐山勉、古田美貴
2010年度尼崎市立小・中学校子どもの学力・生活実態調査報告書 125 - 132 2010.12
Joint Work
Publisher:大阪大学大学院教育文化学研究室
兵庫県尼崎市で実施した児童生徒に対する質問紙調査から、尼崎市の中学生の数学・理科嫌いの多さの原因について分析し、中2女子の理科離れ現象を指摘した。その結果、理科の成績が下位の女子生徒は、勉強することで将来が開かれていくというイメージを持っておらず、また、理科の成績が下位の女子生徒の親は子どもに対して大学進学の希望をもっていない傾向があることが明らかになった。