総説・解説記事(Misc) - 福井 義一
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中井(松尾) 和弥, 福井 義一
心理学研究 / 日本心理学会編集委員会 編 95 ( 1 ) 1 - 10 2024年4月
出版者・発行元:東京 : 日本心理学会
その他リンク: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I033468160
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わが国における催眠療法家に対する意識的・非意識的信頼性 ―心理療法家や催眠術師との比較から―
中谷, 智美, 福井, 義一, 今井田, 貴裕, 堀, 孝司, 磯和, 壮太朗, 大浦, 真一
人間と環境 20 ( 20 ) 55 - 66 2024年3月
出版者・発行元:人間環境大学人間環境学部研究企画委員会
心理療法の専門職であるはずの催眠療法家に対する社会的信頼性は,催眠についての誤解や偏見の流布により,大きく損なわれている可能性がある。本研究では,催眠療法家に対する社会的信頼性の意識的・非意識的側面を,催眠を悪用する催眠術師と,心理の専門職の総称である心理療法家に対するそれと比較した。大学生47名を対象に,各専門家に対する意識的・非意識的信頼性得点をSD法とIATでそれぞれ得た。分析の結果,意識的・非意識的信頼性は,心理療法家>催眠療法家>催眠術師の順に有意に高いことが分かった。ただし,催眠療法家に対する非意識的信頼性は,心理療法家と催眠術師と比較した場合に正反対であったことから,中立的であるとは断言できないことが示唆された。催眠療法家に対する社会的信頼性を改善するには,催眠についての正しい情報の周知が必要であることが指摘された。
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今井田 真実, 福井 義一, 今井田 貴裕, 上村 文乃
ヒューマン・ケア研究 / 日本ヒューマン・ケア心理学会編集委員会 編 24 ( 2 ) 91 - 98 2024年3月
出版者・発行元:福島 : 日本ヒューマン・ケア心理学会
その他リンク: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I033509564
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堀 孝司, 福井 義一
心の危機と臨床の知 / 甲南大学人間科学研究所 編 25 85 - 101 2024年
出版者・発行元:神戸 : 甲南大学人間科学研究所
いじめを深刻化させたり,その解決を阻害したりする一因として,いじめを容認する言説の存在が指摘されている。中学生のいじめ容認態度を測定するために,5 つの下位尺度からなるいじめ容認態度尺度(神藤・齊藤, 2001)が開発されたが,一般成人における適用可能性は不明である。さらに,本尺度の下位尺度には,内的整合性が低いものや,態度の測定にそぐわない名前のものが含まれることから,その内的整合性や因子的妥当性にも疑問が残る。また,いじめ容認態度の因子構造が被害・加害経験者と未経験者,および男女間で異なる可能性もある。そこで本研究では,一般成人への適用可能性を確認するために,いじめ容認態度尺度(神藤・齊藤, 2001)の内的整合性と因子的妥当性,因子不変性を検討した。その結果,原版とは異なる3 因子解が採択され,原版よりも高い因子的妥当性や内的整合性が確認された。また,いじめ被害・加害経験の有無と性別の違いによる因子不変性も高いことが確認された。これらの結果から,本尺度が一般成人に適用可能であることが結論づけられた。
DOI: 10.14990/0002000200
その他リンク: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I033471445
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その問題,心理の専門家に相談しますか?その6-Yahoo!知恵袋における「うつ病」カテゴリーの質問の分析
澤田戒, 福井義一
日本心理学会大会発表抄録集 87th 2024年
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中谷 智美, 福井 義一
心の危機と臨床の知 / 甲南大学人間科学研究所 編 25 67 - 83 2024年
出版者・発行元:神戸 : 甲南大学人間科学研究所
催眠は心身のケアに有効な技法として知られている。催眠に対する評価的な態度(催眠態度)は,催眠の効果を検討する上で重要な概念であると考えられる。というのも,催眠態度は,催眠の効果を強く予測する要因の一つである催眠感受性と一貫して正の関連を示すからである。しかし,わが国において,催眠態度を測定する尺度は催眠態度尺度しか存在しない。本尺度は,改訂を重ねるごとに項目数が異なる(6項目版:清水・小玉,2001,12項目版:清水,2009,5項目版:清水,2022 ; Shimizu, 2014)が,総じて内的整合性は高い。しかし,いずれの版においても,再検査信頼性は未検討であった。そこで本研究では,本尺度の各版における再検査信頼性を検討するとともに,内的整合性を再検討した。一般成人69名が約1週間間隔で2回のオンライン調査に参加した。分析の結果,いずれの版も高い再検査信頼性(rs>.81, ps<.001)と内的整合性(αs>.81)を有することが分かった。中でも,1因子性が確認され,二度の測定間で変動が最も少ないことから,5項目版(清水,2022 ; Shimizu, 2014)の使用が推奨されると結論づけられた。
DOI: 10.14990/0002000199
その他リンク: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I033471447
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潜在連合テスト(IAT)におけるフォントの変更の影響-フォントの選好による測定の信頼性や妥当性の低下-
福井義一, 福井朋恵
日本心理学会大会発表抄録集 87th 2024年
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催眠療法家に対する顕在的・潜在的信頼性-催眠術師や心理療法家との比較から-
中谷智美, 福井義一, 堀孝司, 今井田貴裕, 磯和壮太朗, 大浦真一
日本心理学会大会発表抄録集 87th 2024年
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わが国の対人援助職のバーンアウト予防を考える-教職・看護職・心理職から-
今井田貴裕, 久保真人, 小泉隆平, 磯和壮太朗, 今井田真実, 福井義一
ヒューマン・ケア研究 23 ( 1 ) 2023年
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わが国における「HSP」概念の受容と広がり-「HSP」関連書籍のタイトルの共起ネットワーク分析から-
福井義一, 杉森美佑奈
日本応用心理学会大会発表論文集 89th 2023年
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その問題,心理の専門家に相談しますか?その5-Yahoo!知恵袋における「家族関係の悩み」カテゴリーの質問の分析-
澤田戒, 福井義一
日本応用心理学会大会発表論文集 89th 2023年
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SNSへの依存を多次元的に測定する尺度の日本語版作成の試み-その信頼性の検討-
加堂生織, 鶴岡未悠, 福井義一
日本応用心理学会大会発表論文集 89th 2023年
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催眠でそんなことができると本気で思ってるんですか?その2-いわゆる「催眠」モノのアダルト・ビデオ作品の説明文をテキストマイニングで斬る-
中谷智美, 福井義一
日本応用心理学会大会発表論文集 89th 2023年
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拡張版コンテイナー・テクニックのストレス低減効果-大学生を対象とした介入研究-
上田彩葉, 福井義一
日本心身医学会総会ならびに学術講演会抄録集 64th 2023年
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子ども時代の被虐待経験といじめ被害・加害経験が正当世界信念に及ぼす影響-大学生を対象とした回顧的研究-
堀孝司, 福井義一
日本子ども虐待防止学会学術集会大会プログラム・抄録集 29th (CD-ROM) 2023年
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催眠についてのイメージと催眠態度の対応関係の性差 その2-催眠状態期待の自由記述のテキスト・マイニングから-
福井義一, 中谷智美, 堀孝司, 今井田貴裕, 磯和壮太朗, 大浦真一
ヒューマン・ケア研究 23 ( 2 ) 2023年
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催眠についてのイメージと催眠態度の対応関係の性差 その1-催眠の使用場面や目的についての自由記述のテキスト・マイニングから-
中谷智美, 福井義一, 今井田貴裕, 磯和壮太朗, 堀孝司, 大浦真一
ヒューマン・ケア研究 23 ( 2 ) 2023年
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健康心理学領域におけるタッピングタッチの利用可能性―その理論と土ビデンス,実践報告―
大浦 真一, 中川 一郎, 福井 義一, 坪田 祐季
日本健康心理学会大会発表論文集 35 16 - 17 2022年11月
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あなたは新型コロナワクチンを接種しますか?その2-超自然現象信奉がワクチン接種意向に及ぼす影響の性差-
福井義一
日本パーソナリティ心理学会発表論文集(Web) 31st 2022年
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オンラインによるタッピングタッチのセルフケア・プログラムの効果 5-講座開始前の値を要因にした再検討-
大浦真一, 福井義一, 中川一郎, 坪田祐季
日本心身医学会総会ならびに学術講演会抄録集 63rd (CD-ROM) 2022年
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わが国における催眠についての信念やイメージの探索的研究 その4—自身が催眠者である場合の使用目的や利用可能性のテキスト・マイニング
中谷 智美, 福井 義一, 今井田 貴裕, 磯和 壮太朗, 堀 孝司, 大浦 真一
日本心理学会大会発表論文集 86 3EV-015-PD - 3EV-015-PD 2022年
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その問題,心理の専門家に相談しますか?その1-Yahoo!知恵袋における「メンタルヘルス」カテゴリーの質問の分析-
澤田戒, 福井義一
日本応用心理学会大会発表論文集 88th 2022年
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いじめ被害者への有責性認知の測定における再検査信頼性の検討-いじめ被害者の責任割合を変数として-
福井義一, 小山聡子, 堀孝司
日本トラウマティック・ストレス学会大会プログラム・抄録集 21st 2022年
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いじめられる側にも責任があるって本当ですか? その21—いじめ被害者への有責性認知の理由のテキスト・マイニングの試み7—
小山 聡子, 福井 義一
日本心理学会大会発表論文集 86 1EV-072-PP - 1EV-072-PP 2022年
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いじめられる側にも責任があるって本当ですか? その20—いじめ被害者への有責性認知の理由のテキスト・マイニングの試み 6
小山 聡子, 福井 義一
日本教育心理学会総会発表論文集 64 331 2022年
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いじめられる側にも責任があるって本当ですか?その20-いじめ被害者への有責性認知の理由のテキスト・マイニングの試み 6-
小山聡子, 福井義一
日本教育心理学会総会発表論文集(Web) 64th 2022年
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オンラインによるタッピングタッチのセルフケア・プログラムの効果 6-フォローアップ調査を含めた再検討-
福井義一, 大浦真一, 坪田祐季, 中川一郎
日本心身医学会総会ならびに学術講演会抄録集 63rd (CD-ROM) 2022年
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被虐待経験といじめ被害・加害経験の関連-大学生における回顧的研究-
堀孝司, 小山聡子, 福井義一
日本子ども虐待防止学会学術集会大会プログラム・抄録集 28th (CD-ROM) 2022年
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日本語版いじめ被害者非難的態度尺度の開発 その2—構成概念妥当性の検討
堀 孝司, 小山 聡子, 福井 義一
日本教育心理学会総会発表論文集 64 340 2022年
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日本語版いじめ被害者非難的態度尺度の開発 その2-構成概念妥当性の検討-
堀孝司, 小山聡子, 福井義一
日本教育心理学会総会発表論文集(Web) 64th 2022年
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大学生における体罰容認傾向の性差の背景要因 その2-攻撃性の調整効果-
福井義一
日本子ども虐待防止学会学術集会大会プログラム・抄録集 28th (CD-ROM) 2022年
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大学生において座席位置はGPAを予測するか?—大学不適応の媒介効果
福井 義一
日本教育心理学会総会発表論文集 64 229 2022年
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催眠についてのイメージと催眠態度の対応関係の性差 その4-自身が催眠者である場合の使用目的や利用可能性のテキスト・マイニング-
中谷智美, 福井義一, 今井田貴裕, 磯和壮太朗, 堀孝司, 大浦真一
日本統合医療学会誌 15 ( 3 ) 2022年
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催眠についてのイメージと催眠態度の対応関係の性差 その3-一般的な催眠の利用可能性のテキスト・マイニングから-
中谷智美, 福井義一, 今井田貴裕, 磯和壮太朗, 堀孝司, 大浦真一
日本応用心理学会大会発表論文集 88th 2022年
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一般成人におけるいじめ被害者・加害者の責任割合の判断理由についてのテキスト・マイニング その2—性別と年代の組み合わせによる対応分析—
福井 義一, 小山 聡子, 堀 孝司
日本心理学会大会発表論文集 86 1EV-065-PP - 1EV-065-PP 2022年
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一般成人におけるいじめ被害者・加害者の責任割合の判断理由についてのテキスト・マイニング その1—共起ネットワーク分析による検討
堀 孝司, 小山 聡子, 福井 義一
日本心理学会大会発表論文集 86 1EV-064-PP - 1EV-064-PP 2022年
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ペットへの愛着を測定するLexington Attachment to Pet Scale日本語版(LAPS-J)の改訂 その1-因子的妥当性と内的整合性の検討-
中谷智美, 福井義一
日本パーソナリティ心理学会発表論文集(Web) 31st 2022年
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オンラインによるタッピングタッチのセルフケア・プログラムの効果 9不眠の各側面に対する改善効果とその持続性の検討-
大浦真一, 福井義一, 中川一郎, 坪田祐季
日本統合医療学会誌 15 ( 3 ) 2022年
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オンラインによるタッピングタッチのセルフケア・プログラムの効果 8-セルフケアの回数と改善度の再検討-
中川一郎, 大浦真一, 福井義一, 坪田祐季
日本心身医学会総会ならびに学術講演会抄録集 63rd (CD-ROM) 2022年
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オンラインによるタッピングタッチのセルフケア・プログラムの効果 7-不眠改善の寄与因の探索的検討-
坪田祐季, 大浦真一, 福井義一, 中川一郎
日本心身医学会総会ならびに学術講演会抄録集 63rd (CD-ROM) 2022年
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健康生成モデルにおける汎抵抗資源(GRRs)の分類の妥当性の検討および首尾一貫感覚(SOC)の形成に寄与するGRRsの特定
今井田 貴裕, 福井 義一
心の危機と臨床の知 / 甲南大学人間科学研究所 編 23 1 - 21 2022年
出版者・発行元:神戸 : 甲南大学人間科学研究所
健康生成論(Antonovsky, 1979)では,首尾一貫感覚(Sense of Coherence; SOC)が汎抵抗資源(General Resistance Resources ; GRRs)を動員することで,効果的なストレス対処が可能になると仮定されている。ところが,SOC が心身の健康に及ぼす効果を検討した先行研究は多いのに対して,GRRs についての検討は不十分である。本研究では,Antonovsky(1979)が健康生成モデルで仮定したGRRs の6領域の分類の妥当性と,GRRs の各領域がSOC の各下位概念に及ぼす影響について検討した。質問票調査に回答した一般大学生197名のデータを使用した。因子分析により,Antonovsky(1979)が仮定したGRRs の分類に近い5領域モデルが妥当であると判断された。さらに,構造方程式モデリングによって,GRRs のいくつかの領域はSOC の各下位概念に異なる影響を及ぼすのに対して,それ以外のGRRs はいずれにも影響しないことが分かった。以上から,GRRs の各領域がSOC に及ぼす影響を検討する際には,GRRs の全領域を測定し,互いに他の影響を統制する必要があることが示唆された。
DOI: 10.14990/00004114
その他リンク: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I032014534
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【原著論文】青年期において時間イメージと自己概念が自傷行為の体験頻度に及ぼす影響
今井田 貴裕, 福井 義一
東海学院大学紀要 15 ( 15 ) 41 - 54 2021年12月
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福井 義一
臨床催眠学 = Japanese journal of clinical hypnosis / 日本臨床催眠研究会編集委員会 編 21・22 38 - 42 2021年12月
出版者・発行元:大阪 : 日本臨床催眠研究会
その他リンク: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I032341390
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福井 義一, 大浦 真一
ヒューマン・ケア研究 / 日本ヒューマン・ケア心理学会編集委員会 編 22 ( 1 ) 1 - 11 2021年11月
出版者・発行元:福島 : 日本ヒューマン・ケア心理学会
その他リンク: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I031903067
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いじめられる側にも責任があるって本当ですか?その17—いじめ被害者への有責性認知の理由のテキスト・マイニングの試み3
小山 聡子, 福井 義一
日本教育心理学会総会発表論文集 63 417 2021年
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オンラインによるタッピングタッチのセルフケア・プログラムの効果 4-セルフケアによる改善度との関係-
福井義一, 大浦真一, 大浦真一, 中川一郎, 坪田祐季
日本心身医学会総会ならびに学術講演会抄録集 62nd (CD-ROM) 2021年
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オンラインによるタッピングタッチのセルフケア・プログラムの効果 3-セルフケアの実施回数との関連-
大浦真一, 大浦真一, 福井義一, 坪田祐季, 中川一郎
日本心身医学会総会ならびに学術講演会抄録集 62nd (CD-ROM) 2021年
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オンラインによるタッピングタッチのセルフケア・プログラムの効果 2-フォローアップ終了までの継時変化-
坪田祐季, 大浦真一, 大浦真一, 中川一郎, 福井義一
日本心身医学会総会ならびに学術講演会抄録集 62nd (CD-ROM) 2021年
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オンラインによるタッピングタッチのセルフケア・プログラムの効果 1-心理的および対人関係上の効果-
中川一郎, 大浦真一, 大浦真一, 坪田祐季, 福井義一
日本心身医学会総会ならびに学術講演会抄録集 62nd (CD-ROM) 2021年
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いじめ被害者への有責性認知の意識的・非意識的側面の相関における世代間差
堀 孝司, 小山 聡子, 福井 義一
日本心理学会大会発表論文集 85 PP-073 - PP-073 2021年
出版者・発行元:公益社団法人 日本心理学会
いじめ被害者への有責性認知に関する従来の研究(例,福井・小山,2015;小山・福井,2014)では,対象者が大学生に限定されていた。年齢層が異なるサンプル間で見られた有意差が,年齢を統制後に消失すること(小山他,2020)から,いじめ被害・加害経験やいじめに対する認識の世代間差が反映されている可能性が示唆された(福井他,2020)。そこで,堀他(2021)は,いじめ被害者への有責性認知の非意識的側面には有意な世代間差があるのに対して,意識的側面にはないことを報告したが,いじめ被害者への有責性認知の意識的側面と非意識的側面の関連の世代間差は未検討であったため,本研究では一般成人を対象にこれを検討した。質問票には本研究では未使用の尺度も含まれており,データには堀他(2020a, b)をはじめとする一連の研究と一部重複がある。世代別に相関分析を行った結果,50~70代においてのみ,いじめ被害者への有責性認知の意識的側面と非意識的側面の間に有意な弱い正の相関(<i>r</i>=.27, <i>p</i><.05)が見られた。今後,いじめ被害者への有責性認知の規定因を検討する際に,世代間差を考慮する必要性が示唆された。
DOI: 10.4992/pacjpa.85.0_pp-073
DOI: 10.5926/arepj.61.115_references_DOI_7ce83utIrKZ3ZPywxwMirEavGes
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いじめられる側にも責任があるって本当ですか?その18—いじめ被害者への有責性認知の理由のテキスト・マイニングの試み4
福井 義一, 小山 聡子
日本教育心理学会総会発表論文集 63 418 2021年
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ネガティブな独立・従属出来事尺度の作成-ストレス生成仮説の検証に向けて-
長谷川晃, 大浦真一, 国里愛彦, 山本哲也, 福井義一
日本認知・行動療法学会大会抄録集(CD-ROM) 47th 2021年
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認知的・構造的ソーシャル・キャピタル尺度の試作 その1-その信頼性の検討-
大浦真一, 福井義一, 中川一郎, 坪田祐季
日本統合医療学会誌 14 ( 3 ) 2021年
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眼球運動の速度と方向が連想語数に及ぼす影響-情動価(肯定・否定・中立語)による違い-
福井義一
日本ヒューマン・ケア心理学会大会プログラム・発表論文集 22nd (CD-ROM) 2021年
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眼球運動の代わりに両側性の光刺激を用いた一回限りのEMDRセッションの効果 その5-解離傾向の改善効果-
大浦真一, 大浦真一, 浅井伸彦, 今井田貴裕, 今井田貴裕, 福井義一
日本トラウマティック・ストレス学会大会プログラム・抄録集 20th 2021年
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眼球運動の代わりに両側性の光刺激を用いた一回限りのEMDRセッションの効果 その4-不安の変化量との関連-
浅井伸彦, 今井田貴裕, 今井田貴裕, 大浦真一, 大浦真一, 福井義一
日本心身医学会総会ならびに学術講演会抄録集 62nd (CD-ROM) 2021年
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眼球運動の代わりに両側性の光刺激を用いた一回限りのEMDRセッションの効果 その3-不安低減効果の検討-
今井田貴裕, 今井田貴裕, 浅井伸彦, 大浦真一, 福井義一
日本心身医学会総会ならびに学術講演会抄録集 62nd (CD-ROM) 2021年
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眼球運動の代わりに両側性の光刺激を用いた一回限りのEMDRセッションの効果 その2-首尾一貫感覚の改善-
今井田貴裕, 今井田貴裕, 浅井伸彦, 大浦真一, 大浦真一, 福井義一
日本ヒューマン・ケア心理学会大会プログラム・発表論文集 22nd (CD-ROM) 2021年
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看護師におけるタッピングタッチのストレス緩和効果 その2-共感性や感情労働スキルを指標としたパイロット・スタディ-
今井田真実, 今井田貴裕, 今井田貴裕, 福井義一
日本ヒューマン・ケア心理学会大会プログラム・発表論文集 22nd (CD-ROM) 2021年
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新人指導に適した看護師の心理的特性とは?-看護師や大学生との比較-
今井田真実, 今井田貴裕, 今井田貴裕, 福井義一
日本心身医学会総会ならびに学術講演会抄録集 62nd (CD-ROM) 2021年
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小児期逆境経験が身体症状による負担感に及ぼす影響—愛着スタイルを媒介変数として— 査読あり
中井 (松尾) 和弥, 福井 義一
心身医学 61 ( 2 ) 186 - 194 2021年
出版者・発行元:一般社団法人 日本心身医学会
本稿では, 小児期逆境経験 (ACEs) が身体症状による負担感に及ぼす影響において, 愛着スタイルの媒介効果を検討することを目的とした. さらに, ACEsが機能性身体症候群 (FSS) と身体症状症およびその関連症候群 (SSRD) の罹患経験に及ぼす影響も予備的に検討した. 一般成人996人を対象にACEsと愛着スタイル, 身体症状による負担感などの項目を含んだ質問票調査をウェブ上で実施した. 分析の結果, ACEsは身体症状による負担感を直接的に, そして, 愛着スタイルを介して間接的に増悪させていた. さらに, ACEsはFSSおよびSSRDの罹患確率を有意に増加させていた. 本研究の結果より, ACEsが身体症状による負担感を増悪させる背景には, 不安定な愛着スタイルが関与している可能性が示唆された.
その他リンク: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I031324485
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大学生における体罰容認傾向の性差の背景原因-Big Fiveパーソナリティ特性の調整効果-
福井義一
日本子ども虐待防止学会学術集会大会プログラム・抄録集 27th (CD-ROM) 2021年
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催眠研修参加による意識的・非意識的催眠態度の変化の再検討—事前の値を要因にした変化量の分析—
福井 義一, 中谷 智美, 大浦 真一
日本心理学会大会発表論文集 85 PD-002 - PD-002 2021年
出版者・発行元:公益社団法人 日本心理学会
催眠の普及を阻む壁として,催眠に対する否定的イメージに由来する忌避的態度が挙げられる。対人援助職対象の2日間の催眠研修への参加によって,意識的催眠態度(質問紙で測定)は肯定的に変化したのに対して,非意識的催眠態度(潜在連合テストで測定)は不変であることが報告された(福井他,2020)。この背景に,事前の各催眠態度の程度によって変化の方向性が正反対であったせいで,催眠研修参加の効果が相殺された可能性があると思われた。そこで,本研究では,59名の対人援助の専門職が参加した催眠研修のデータ(福井他,2020)を再分析して,事前の値と意識的・非意識的催眠態度得点の変化量の相関分析を行った。その結果,事前の意識的催眠態度とその変化量(<i>r</i>=−.300, <i>p </i><.10)の負の,事前の非意識的催眠態度とその変化量(<i>r</i>=−.695, <i>p </i><.001)の負の相関が有意であった。意識的催眠態度は全体的に肯定的に変化したが,事前の値によってその変化量が異なること,非意識的催眠態度は事前の値によって催眠研修の効果が正反対になることが分かった。催眠研修により,催眠態度は中庸になったことが示唆された。
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中谷 智美, 福井 義一, 大浦 真一, 今井田 貴裕
甲南大學紀要. 文学編 = The journal of Konan University. Faculty of Letters 172 ( 172 ) 151 - 171 2021年
出版者・発行元:神戸 : 甲南大学文学部
催眠療法の心身の疾患に対する有効性が認められているにも関わらず,催眠に対する否定的なイメージが流布しているせいで,わが国における催眠療法の活用は不十分であると言える。催眠の適切な普及と発展を促すには,催眠に対する態度(催眠態度)を改善する方法を開発する必要がある。催眠態度は催眠状態期待(主体性喪失期待,潜在能力解放期待)の影響を受けることから,本研究では催眠状態期待を適切に修正することを意図した3 種類の心理教育による意識的・非意識的催眠態度の変化の違いを検討した。54 名の一般大学生を3 つの条件(主体性喪失期待修正条件,潜在能力解放期待修正条件,統制条件)に割り付け,心理教育の実施前後で質問票調査を実施した。分析の結果,意識的催眠態度は,主体性喪失期待修正条件において事前の意識的催眠態度が否定的であった群と,事前の意識的催眠態度が否定的であった男性において肯定的に変化した。一方で,条件にかかわらず,事前の非意識的催眠態度が肯定的な場合は,心理教育により中庸化したのに対して,否定的な場合は変化しなかったことから,心理教育の効果は不十分であることが分かった。このことから,「操作的」とか「支配的」といった催眠に対する否定的なイメージを修正することが,催眠に対する忌避的態度を改善し,催眠療法の利用を促進する有効な手段であることが示唆された。心理教育の効果の性差には,わが国における伝統的ジェンダー観が影響していると考察された。
Despite the recognized efficacy of hypnotherapy in treating mental and physical disorders, its practice in Japan remains inefficient, probably due to the prevalence of negative and false images regarding hypnosis. Therefore, it is necessary to develop methods for improving attitudes towards hypnosis to facilitate its diffusion and development. Attitude towards hypnosis is affected by expectancies for the hypnotic state, including expectancy for loss of control and for released potentiality. Therefore, this study examined changes in conscious and nonconscious attitudes toward hypnosis caused by three types of psycho-education for correcting expectancies for the hypnotic state. University student participants (N = 54) were assigned to three conditions (correcting expectancies for loss of control, correcting expectancies for released potentiality, and the control). The participants responded to a questionnaire survey before and after psycho-education. The results indicated that conscious attitude towards hypnosis changed positively in students who previously had a negative conscious attitude towards hypnosis and men with previously negative conscious attitude towards hypnosis, assigned to the correcting expectancies for loss of control condition. In contrast, nonconscious attitudes toward hypnosis scores were closer to 0.0, which is the theoretical median for students that previously had a negative nonconscious attitude towards hypnosis and were assigned to all the conditions . However, nonconscious attitudes toward hypnosis did not change in the group with a previously negative nonconscious attitude towards hypnosis, suggesting that the effect of psycho-education was negligible. These findings suggest that changing the negative image of hypnosis, including images of being manipulative and controlling, is an effective method of improving the negative attitude towards hypnosis and promoting hypnotherapy. The traditional stereotype of gender in Japan might influence gender differences in the efficacy of psycho-education.DOI: 10.14990/00004201
その他リンク: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I032038355
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催眠に対する態度が催眠感受性に及ぼす影響におけるLocus of Controlの調整効果
中谷智美, 福井義一, 大浦真一, 今井田貴裕
日本パーソナリティ心理学会発表論文集(Web) 30th 2021年
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福井 義一
甲南大學紀要. 文学編 = The journal of Konan University. Faculty of Letters 172 ( 172 ) 123 - 139 2021年
出版者・発行元:神戸 : 甲南大学文学部
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴って,わが国では本来は非のないはずの感染者に対する偏見や差別的言動を耳にする機会が増えた。こうした偏見や差別意識は感染の秘匿への圧力となり,公衆衛生上の脅威となるため,その予防や対策のためにCOVID-19 感染者への偏見や差別意識の寄与因を検討する必要がある。そこで本研究では,COVID-19 感染者への偏見や差別意識との関連が予測される変数群を用いて,その寄与因を探索的に検討した。245 名の大学生がオンライン調査に参加した。結果から,大学生においてCOVID-19 感染者への偏見や差別意識は全般的に抑制されていることと,行動免疫システムやCOVID-19 恐怖,二分法的思考,文化的自己観,自己愛的甘え,正義感などが偏見や差別意識に寄与していることが見出された。感染者への偏見や差別意識への寄与因について,風邪やインフルエンザ感染者にも共通する要因と,COVID-19 感染者に特有の要因に分けて考察された。
Increasing prejudices and discrimination against COVID-19 infected people that are not responsible for the infection are reported with the spread of the illness in Japan. These prejudices and discriminatory attitudes threaten public health because they pressure people to keep their infection status hidden from the public. It is necessary to examine contributors to prejudices and discriminatory attitudes toward COVID-19 infected people to take countermeasures against these problems. This study investigated possible contributors using variables predicted to be associated with prejudices and discriminatory attitudes toward COVID-19 infected individuals. An online survey was administered with 245 university students. The results indicated that the university students generally suppressed prejudices and discriminatory attitudes, and that behavioral immune system, fear of COVID-19, dichotomous thinking, cultural view of the self, narcissistic “amae” (indulgence), and the sense of justice contributed to prejudices and discrimination. We have discussed these contributors by categorizing them as factors that are common to cold and/or influenza infection and that are specific to COVID-19 infection.DOI: 10.14990/00004199
その他リンク: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I032038346
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わが国における過敏性腸症候群 (IBS) に対する催眠療法の実際と課題
福井 義一
心身医学 61 ( 4 ) 347 - 353 2021年
出版者・発行元:一般社団法人 日本心身医学会
過敏性腸症候群 (irritable bowel syndrome : IBS) の診療ガイドラインでは, 標準的治療が奏効しなかった第3段階で心理療法が推奨されており, エビデンスを有する心理療法の1つとして催眠療法が挙げられている. しかしながら, 本邦において, IBSに対する催眠療法の有効性は十分に周知されておらず, 患者からの催眠療法に対するアクセシビリティも低い. 本稿では, IBSに対する催眠療法の適用について, そのエビデンスと背景にあるメカニズムについて述べ, 介入研究でよく使用されてきた催眠療法プロトコルの構成要素を紹介した. また, 実際にIBSに対して催眠療法を適用する際の工夫について述べ, 今後のわが国におけるIBSに対する催眠療法の課題と展望についても論じた.
その他リンク: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I031467241
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中井(松尾) 和弥, 福井 義一
精神療法 46 ( 5 ) 659 - 668 2020年10月
出版者・発行元:東京 : 金剛出版
その他リンク: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I030690508
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いじめ被害者への有責性認知の非意識的側面を測定するIAT作成の試み その1―内的一貫性と再検査信頼性の検討―
堀 孝司, 小山 聡子, 福井 義一
日本心理学会大会発表論文集 84 PP-010 - PP-010 2020年9月
出版者・発行元:公益社団法人 日本心理学会
いじめ被害者に対する有責性認知は,いじめ問題の解決を妨げる一因であると考えられ,いくつかの先行研究(例,福井・小山,2015, 2016, 2017a-c, 2018, 2019; 小山・福井,2014a, b, 2016a, b, 2018, 2019; Koyama & Fukui, 2016; 竹川, 2002)がなされてきた。しかし,質問紙による測定では,いじめ被害者への有責性認知の意識的(顕在的)側面しか捉えられない可能性がある。そこで,本研究では,いじめ被害者への有責性認知の非意識的(潜在的)側面を,社会的望ましさなどの影響を受けずに測定するための潜在連合テスト(以後IAT)の作成を試み,その内的一貫性と再検査信頼性を検討した。一般成人299名を対象にIATを実施し,うち50名には1週間後にも実施した。岡部他(2004)と同様の手法で内的一貫性を検討した結果,高い信頼性係数(<i>α</i>=.85)が得られた。また,2回のD値の相関分析により再検査信頼性を検討した結果,有意な相関は見られなかった(r=.18, n.s.)。本研究の結果,いじめ被害者への本IATの内的一貫性は十分であったのに対して,再検査信頼性は低く,測定の安定性について疑問が残った。今後,本IATの妥当性についても検討する必要がある。
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タッピングタッチの効果は実施中のイメージ想起の有無に左右されるのか?
大浦 真一, 福井 義一
日本心理学会大会発表論文集 84 PD-088 - PD-088 2020年9月
出版者・発行元:公益社団法人 日本心理学会
タッピングタッチ(TT)は,心理・身体・社会的効果が謳われているケアの一技法である。TT中に,懐かしい記憶を思い出したり,イメージが湧いたりする者もいることが経験的に知られている(中川,2004)が,こうした現象の有無によるTTの効果の違いは未検討であった。そこで本研究では,大学生75名を対象に,TT中のイメージ想起の有無がTT前後の肯定的・否定的気分,身体に対する肯定的感覚,被受容感・被拒絶感,セルフ・コンパッションの変化に及ぼす影響について検討した。なお,イメージ有群は37名であり,ほとんどが肯定的内容であった。各尺度得点について,イメージ想起の有無を独立変数,TT前後の変化量を従属変数,TT実施前の得点を共変量とした共分散分析を実施した結果,身体に対する肯定的感覚は,イメージ有群でのみ有意に増加したのに対して,他の変数については有意な主効果は見られなかった。TT中に想起されるイメージは,身体感覚をより肯定的にする可能性が示唆された一方で,TTの心理・社会的効果とは無関係であることが分かった。以上から,TTの効果に対するイメージ想起の影響は限定的であることが分かった。
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完全主義的自己呈示尺度(PSPS)日本語版の開発 その4―他の防衛的印象操作との弁別的妥当性の検討―
片岡 春奈, 福井 義一
日本心理学会大会発表論文集 84 PB-003 - PB-003 2020年9月
出版者・発行元:公益社団法人 日本心理学会
完全主義が対人関係上の問題に及ぼす影響についての知見は,個人間過程よりも個人内過程に偏重している傾向がある。そこで,片岡・福井(2019a-c)は,完全主義者の対人印象操作を測定するために,完全な自分を見せたい欲求(PSP),不完全な自分を隠したい欲求(NDC),不完全な自分を他者に見せる状況を避けたい欲求(NDP)の3つの下位尺度からなる完全主義的自己呈示尺度(Perfectionistic Self-Presentation Scale: Hewitt, et al., 2003)日本語版(PSPS-J)を開発し,信頼性と妥当性を検討してきた。PSPS-Jの各下位概念は,他の防衛的印象操作である自己隠蔽やセルフ・ハンディキャッピング(SH)と有意な正の相関を示した(片岡他,2019c)が,それらの異同については未検討であったため,本研究では,これらの防衛的印象操作が自尊感情に及ぼす影響の違いから,PSPS-Jの弁別的妥当性を検討した。その結果,PSP(<i>β</i>=.255)とNDP(<i>β</i>=-.464)は自尊感情に有意な影響を示したが,NDCの影響は有意ではなく,この傾向は自己隠蔽(<i>β</i>=-.304)とSH(<i>β</i>=-.345)の統制後も同様であり,Hewitt, et al.(2003)とも一致したことから,PSPS-Jの弁別的妥当性が確認されたと言える。
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大学生のストレス経験評価尺度の試作 その1―Visual Analogue Scaleによる肯定的・否定的影響の測定―
今井田 貴裕, 磯和 壮太朗, 福井 義一
日本心理学会大会発表論文集 84 PD-055 - PD-055 2020年9月
出版者・発行元:公益社団法人 日本心理学会
従来のストレス研究は,主にその悪影響に注目が偏っていたため,本研究では肯定的影響も同時に測定できる尺度を試作した。大学生対象の予備調査によって,肯定的・否定的影響を受けた43の過去のストレス経験を同定し,各経験の有無と肯定的・否定的影響の程度をVisual Analogue Scaleによって測定する尺度を作成した。本尺度を含む質問票調査を大学生80名(女性58名)に実施した。信頼性分析の結果,肯定的影響(<i>α</i>=.84)と否定的影響(<i>α</i>=.86)のいずれにも,高い内的一貫性が確認された。また,性別とストレス経験の種類(肯定的・否定的)を要因とした二要因分散分析の結果,ストレス経験の種類の主効果(<i>F</i>(1, 78)=4.41, <i>p</i><.05)が有意であり,否定的経験の影響の方が有意に強いことが分かった。性別の主効果(<i>F</i>(1, 78)=0.53, <i>n.s.</i>)や両者の交互作用(<i>F</i>(1, 78)=1.80, <i>n.s.</i>)は有意ではなかった。本研究から,本尺度が一定の内的一貫性を有していること,ストレス経験からの否定的影響の方が肯定的影響よりも強く評価されること,ストレス経験からの影響には性差が見られないことが分かった。今後,本尺度の実用化に向けて,他の信頼性や妥当性を検討する必要がある。
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大学生において外見スキーマが摂食障害傾向に及ぼす影響―ボディチェッキング認知の媒介効果―
竹内 見織, 福井 義一
日本心理学会大会発表論文集 84 PD-008 - PD-008 2020年9月
出版者・発行元:公益社団法人 日本心理学会
近年,摂食障害(以後ED)の主症状の一つである身体不満足感の発生や維持に寄与する要因として,外見スキーマ(以後AS)とボディチェッキング認知(以後BCC)が注目されてきた(安保,2012)。しかし,ASがBCCを介してED傾向に及ぼす影響を包括的に捉えた研究は,筆者らの知る限り見当たらない。さらに,従来のED傾向の測定に,DSM-Ⅴ(APA, 2013)の診断基準の一つである否定的な身体的自己評価に関する項目を欠いていたため,ED傾向の全体像を捉えるには不十分であった。そこで,本研究では,大学生女子221名を対象に,ASをASI-R日本語版(安保,2012),BCCを日本語版BCCS(法田他,2007),ED傾向をSRSED(永田,1991),身体的自己評価を身体的自己評価尺度(田崎,2007)でそれぞれ測定し,上述した包括的モデルを検討した。共分散構造分析の結果,ASの外見を重視する傾向は,BCCの安全希求を促進することでED傾向の肥満恐怖を促進するのに対して,ASの外見的魅力の改善への動機は,BCCの気分調整を促進することで肥満恐怖を抑制することが分かった。肥満恐怖の抑制により,ボディチェッキング行動がさらに強化される可能性もあるため,今後は縦断研究が必要であろう。
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小児期逆境経験と精神的健康の関係―潜在クラス分析を用いた検討―
中井(松尾) 和弥, 福井 義一
日本心理学会大会発表論文集 84 PD-117 - PD-117 2020年9月
出版者・発行元:公益社団法人 日本心理学会
本研究では,潜在クラス分析により,小児期逆境経験(ACEs)を測定する尺度の回答者を離散的なクラスに分類し,推定されたクラスにおける精神的健康度の違いについて検討することを目的とした。Lancers社のクラウドソーシングで募集された1729名(男性791名,女性938名)のデータを分析に用いた。調査協力者には10種類のACEsの有無と,精神的健康の指標としての抑うつ・不安症状などを測定する尺度を含んだ質問紙調査を実施した。参加者をACEs尺度への回答パターンに基づいて分類するために,潜在クラス分析を行い,最終的にブートストラップ尤度比検定により6クラスを採用した。性別と年齢を統制変数,得られた6つのクラスを独立変数,抑うつ・不安症状を従属変数とする重回帰分析を行った。その結果,全体の70%以上を占めるACEsの経験がほとんどないクラス1(と比較して,1つ以上のACEsを有する可能性が高い他の全てのクラスでは,抑うつ・不安症状の得点が有意に高かった。本研究から,ACEsを少しでも有する人(クラス2~6)は,全体のACEsをほとんど有しない人よりも精神的に不健康であることが示された。
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松尾 和弥, 大浦 真一, 福井 義一
子どもの虐待とネグレクト = Japanese journal of child abuse and neglect : 日本子ども虐待防止学会学術雑誌 22 ( 1 ) 88 - 94 2020年4月
出版者・発行元:東京 : 日本子ども虐待防止学会 ; 1999-
その他リンク: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I030540131
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あおり運転を予測するパーソナリティ要因の探索的検討-センセーションシーキングやダークトライアド,交通事故の過失帰属との関連-
福井義一
日本パーソナリティ心理学会発表論文集(Web) 29th 2020年
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なぜタッピングタッチはセルフ・コンパッションを高めるのか?―被受容感・被拒絶感との関連―
大浦 真一, 福井 義一
感情心理学研究 28 ( Supplement ) ps27 - ps27 2020年
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なぜタッピングタッチはセルフ・コンパッションを高めるのか? -被受容感・被拒絶感との関連-
大浦真一, 福井義一
感情心理学研究(Web) 28 ( Supplement ) 2020年
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いじめ被害者への有責性認知の非意識的側面を測定するIAT作成の試み その2—妥当性の検討
堀 孝司, 小山 聡子, 福井 義一
日本教育心理学会総会発表論文集 62 353 2020年
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いじめられる側にも責任があるって本当ですか?その14—他サンプルでの非再現性の背景要因としてのいじめ被害・加害経験
福井 義一, 小山 聡子, 堀 孝司
日本教育心理学会総会発表論文集 62 328 2020年
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いじめられる側にも責任があるって本当ですか?その13—いじめ被害者への有責性認知の他サンプルでの再現性
小山 聡子, 堀 孝司, 福井 義一
日本教育心理学会総会発表論文集 62 327 2020年
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ロールシャッハ・テストにおける父親・母親図版解釈仮説の基準関連妥当性の検討(1)-愛着スタイルとの関連-
福井義一
日本ロールシャッハ学会大会プログラム&抄録集 24th 2020年
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表情認知のフィードバック訓練が感情認知バイアスと否定的・肯定的感情に及ぼす影響
中井(松尾) 和弥, 福井 義一
感情心理学研究 28 ( Supplement ) ps32 - ps32 2020年
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自己の感情や身体感覚に鋭敏であるほど共感性は高まるのか?―アレキシサイミア傾向と内受容感覚への感受性が主観的・客観的共感性に及ぼす影響―
福井 義一
感情心理学研究 28 ( Supplement ) ps19 - ps19 2020年
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自己の感情や身体感覚に鋭敏であるほど共感性は高まるのか? -アレキシサイミア傾向と内受容感覚への感受性が主観的・客観的共感性に及ぼす影響-
福井義一
感情心理学研究(Web) 28 ( Supplement ) 2020年
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愛着スタイルによるタッピングタッチの対人関係改善効果の違い-各愛着スタイルの典型例に着目して-
大浦真一, 松尾和弥, 福井義一
日本子ども虐待防止学会学術集会大会プログラム・抄録集 26th 2020年
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福井 義一
甲南大學紀要. 文学編 = The journal of Konan University. Faculty of Letters 171 ( 171 ) 221 - 235 2020年
出版者・発行元:神戸 : 甲南大学文学部
本研究は,親切行動を数えることで主観的幸福感を増進する介入(カウンティング介入)を行った先行研究(Otake et al., 2006)のパラダイムを拡張し,カウンティング介入の効果の性差を検討することに加えて,自発的な親切行動の回数を数えてもらうカウンティング介入と親切行動をするよう指示された上でその回数を数えてもらう強制的カウンティング介入の主観的幸福感と人生満足度に対する効果の比較を行った。大学生142 名がカウンティング介入条件と強制的カウンティング介入条件,統制条件に無作為に割り付けられ,1 週間の介入を行った。分析の結果,女性においては,Otake et al.(2006)の結果がほとんど再現されなかったのに対して,男性ではカウンティング介入による否定的な効果と,強制的カウンティング介入条件の肯定的な効果が確認された。しかしながら,介入前の値を統制すると,こうした効果は消失してしまい,介入前の値が高い者は性別や条件に関係なく,介入によって主観的幸福感や人生満足度,親切行動が減少してしまうことが分かった。本研究から,親切行動を意識することによる過正当化効果により,介入後に主観的幸福感や人生満足度,親切行動が減少してしまう可能性について懸念が示された。
This study extended the previous study by Otake et al.(2006), which conducted an intervention to enhance subjective happiness just by counting acts of kindness(called the counting intervention). We examined sex differences in the effects of the counting intervention on subjective happiness and life satisfaction by comparing the effects of the counting intervention and a coercive counting intervention. The participants in the latter condition were instructed to conduct three acts of kindness a day and count and report them every night. Undergraduate and graduate students(N=142)were randomly assigned to the counting intervention, the coercive counting intervention, or the control condition during the one-week intervention. The results of men indicated a negative effect of the counting intervention and a positive effect of the coercive counting intervention, whereas these results were rarely replicated in women. However, the effects disappeared after controlling for pre-intervention values. Moreover, the intervention reduced subjective happiness, life satisfaction, and acts of kindness of participants with a high score for each of these before the intervention, regardless of gender. These results suggest that acts of kindness might have decreased after the intervention because of the over-justification effect resulting from the awareness of the acts of kindness.DOI: 10.14990/00003776
その他リンク: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I031344135
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夫の死後に生じた不安が脳画像診断検査を機に増したクライアントに対する「現在への意識づけ」による介入例
藤田査織, 福井義一
日本催眠医学心理学会大会プログラム・抄録集 66th (CD-ROM) 2020年
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児童養護施設における生活経験が退所後の精神的健康に及ぼす影響:小児期逆境経験に着目して
中井和弥, 福井義一
日本子ども虐待防止学会学術集会大会プログラム・抄録集 26th 2020年
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中谷 智美, 福井 義一, 大浦 真一, 今井田 貴裕
甲南大學紀要. 文学編 = The journal of Konan University. Faculty of Letters ( 171 ) 253 - 268 2020年
出版者・発行元:神戸 : 甲南大学文学部
その他リンク: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I031344143
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健康生成モデルにおいて首尾一貫感覚と心の柔軟性がストレス反応に与える影響 その1-媒介効果と調整効果-
今井田貴裕, 松尾和弥, 大浦真一, 福井義一
心身医学 60 ( 1 ) 2020年
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健康生成モデルにおいて生き方と首尾一貫感覚がストレス反応に与える影響 その1-媒介効果と調整効果-
今井田貴裕, 松尾和弥, 大浦真一, 福井義一
心身医学 60 ( 5 ) 2020年
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EMDRは催眠療法の一種ですか?(特集EMDR・・・トラウマ治療の新常識 第一部 EMDR Q&A集)
福井義一
こころの臨床 27 ( 2 ) 13 2008年6月
掲載種別:記事・総説・解説・論説等(その他) 出版者・発行元:こころの臨床