日下部 岳広 (クサカベ タケヒロ)
KUSAKABE Takehiro
職名 |
教授 |
学位 |
博士(理学)(京都大学), 理学修士(京都大学) |
専門分野 |
発生生物学, 動物生理化学、生理学、行動学, 進化生物学, ゲノム生物学, 神経科学一般 |
外部リンク |
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日下部 岳広 (クサカベ タケヒロ) KUSAKABE Takehiro
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京都大学 理学研究科 動物学 博士課程 修了
1991年4月 - 1994年3月
京都大学 理学研究科 動物学 修士課程 修了
1989年4月 - 1991年3月
ウッズホール海洋生物学研究所 発生学サマーコース受講
カリフォルニア大学デービス校ボデガ海洋研究所 博士研究員
カリフォルニア大学デービス校ボデガ海洋研究所 訪問研究員
甲南大学 自然科学研究科 研究科長
2019年4月 - 2021年3月
甲南大学 理工学部 部長
2015年4月 - 2017年3月
甲南大学 統合ニューロバイオロジー研究所 所長
2013年8月 - 現在
甲南大学 自然科学研究科 生物学専攻 教授
2010年4月 - 現在
甲南大学 自然科学研究科 生命・機能科学専攻 教授
2010年4月 - 現在
兵庫県立大学 大学院生命理学研究科
2007年4月 - 2009年3月
国名:日本国
兵庫県立大学 大学院生命理学研究科
2004年4月 - 2007年3月
国名:日本国
姫路工業大学 大学院理学研究科
2002年4月 - 2004年3月
国名:日本国
姫路工業大学 理学部
2000年7月 - 2002年3月
国名:日本国
北海道大学 大学院理学研究科
1995年10月 - 2000年6月
国名:日本国
日本神経科学学会
2004年3月 - 現在
日本発生生物学会
1990年2月 - 現在
Xin Zeng, Fuki Gyoja, Yang Cui, Martin Loza, Takehiro G Kusakabe, Kenta Nakai
NAR Genomics and Bioinformatics 6 ( 4 ) lqae149 2024年11月
共著
出版者・発行元:Oxford University Press (OUP)
Abstract
Despite known single-cell expression profiles in vertebrate retinas, understanding of their developmental and evolutionary expression patterns among homologous cell classes remains limited. We examined and compared approximately 240 000 retinal cells from four species and found significant similarities among homologous cell classes, indicating inherent regulatory patterns. To understand these shared patterns, we constructed gene regulatory networks for each developmental stage for three of these species. We identified 690 regulons governed by 530 regulators across three species, along with 10 common cell class-specific regulators and 16 highly preserved regulons. RNA velocity analysis pinpointed conserved putative driver genes and regulators to retinal cell differentiation in both mouse and zebrafish. Investigation of the origins of retinal cells by examining conserved expression patterns between vertebrate retinal cells and invertebrate Ciona intestinalis photoreceptor-related cells implied functional similarities in light transduction mechanisms. Our findings offer insights into the evolutionarily conserved regulatory frameworks and differentiation drivers of vertebrate retinal cells.
Neural crest lineage in the protovertebrate model Ciona 査読あり 国際共著 国際誌
Lauren G. Todorov, Kouhei Oonuma, Takehiro G. Kusakabe, Michael S. Levine, Laurence A. Lemaire
Nature 2024年10月
Functional diversification process of opsin genes for teleost visual and pineal photoreceptions 査読あり 国際誌
Chihiro Fujiyabu, Fuki Gyoja, Keita Sato, Emi Kawano-Yamashita, Hideyo Ohuchi, Takehiro G. Kusakabe, and Takahiro Yamashita
Cellular and Molecular Life Sciences 81 ( 1 ) 428 2024年10月
共著
出版者・発行元:Springer
DOI: 10.1007/s00018-024-05461-3
DOI: 10.1007/s00018-024-05461-3
その他リンク: https://link.springer.com/article/10.1007/s00018-024-05461-3/fulltext.html
Characterization of trans-spliced chimeric RNAs: insights into the mechanism of trans-splicing 査読あり 国際誌
Rui Yokomori, Takehiro G. Kusakabe, and Kenta Nakai
NAR Genomics and Bioinformatics 6 ( 2 ) lqae067 2024年6月
Retinal Cone Mosaic in sws1-Mutant Medaka (Oryzias latipes), A Teleost 査読あり 国際誌
Megumi Matsuo, Makoto Matsuyama, Tomoe Kobayashi, Shinji Kanda, Satoshi Ansai, Taichi Kawakami, Erika Hosokawa, Yutaka Daido, Takehiro G. Kusakabe, Kiyoshi Naruse, and Shoji Fukamachi
Investigative Opthalmology & Visual Science 63 ( 11 ) 21 - 21 2022年10月
共著
出版者・発行元:Association for Research in Vision and Ophthalmology (ARVO)
PURPOSE: Ablation of short single cones (SSCs) expressing short-wavelength-sensitive opsin (SWS1) is well analyzed in the field of regenerative retinal cells. In contrast with ablation studies, the phenomena caused by the complete deletion of SWS1 are less well-understood. To assess the effects of SWS1 deficiency on retinal structure, we established and analyzed sws1-mutant medaka. METHODS: To visualize SWS1, a monoclonal anti-SWS1 antibody and transgenic reporter fish (Tg(sws1:mem-egfp)) were generated. We also developed a CRISPR/Cas-driven sws1-mutant line. Retinal structure of sws1 mutant was visualized using anti-SWS1, 1D4, and ZPR1 antibodies and coumarin derivatives and compared with wild type, Tg(sws1:mem-egfp), and another opsin (lws) mutant. RESULTS: Our rat monoclonal antibody specifically recognized medaka SWS1. Sws1 mutant retained regularly arranged cone mosaic as lws mutant and its SSCs had neither SWS1 nor long wavelength sensitive opsin. Depletion of sws1 did not affect the expression of long wavelength sensitive opsin, and vice versa. ZPR1 antibody recognized arrestin spread throughout double cones and long single cones in wild-type, transgenic, and sws1-mutant lines. CONCLUSIONS: Comparative observation of sws1-mutant and wild-type retinas revealed that ZPR1 negativity is not a marker for SSCs with SWS1, but SSCs themselves. Loss of functional sws1 did not cause retinal degeneration, indicating that sws1 is not essential for cone mosaic development in medaka. Our two fish lines, one with visualized SWS1 and the other lacking functional SWS1, offer an opportunity to study neural network synapsing with SSCs and to clarify the role of SWS1 in vision.
動物の事典
日下部岳広(末光隆志 総編集)( 担当: 分担執筆 , 範囲: 7.1.2 ホヤの発生(第7章 動物の発生))
朝倉書店 2020年11月 ( ISBN:978-4-254-17166-2 )
生理学,生態学,行動学,分類学,遺伝学,分子生物学,細胞生物学,発生学,免疫学,文化人類学など様々な視点からの知見を総合した,動物学の全容を俯瞰することができるハンドブック形式の事典。生物学を学ぶ学生・研究者をはじめ,動物学に関心を寄せる方々の必携書。〔内容〕分類/進化/遺伝と遺伝子/細胞/形と器官系/生理/発生/脳・神経系/ホルモンとホメオスタシス/免疫/生息環境/行動と生態/バイオテクノロジー/動物の利用/動物と文化
新しい生物科学
弥益恭, 中尾啓子, 野口航, 駒﨑伸二, 松田学, 小林哲也, 林謙介, 種子田春彦, 日下部岳広, 大塚俊之, 山内啓太郎, 西廣淳, 山本奈津子( 担当: 分担執筆 , 範囲: 第9章「進化と多様性」)
培風館 2018年5月 ( ISBN:978-4563078249 )
近年、生物科学は、遺伝子科学、ポストゲノム研究、そして他の自然科学分野の新しい成果を取り込むことで大きく変容した結果、生物の理解をめざす基礎科学にとどまらず、産業分野、医療分野で革命をもたらしつつある。本書は、生物科学を理解するうえで必要な基礎知識から最先端の話題までを概説した教科書である。まず細胞や組織の構造、物質代謝、遺伝情報などの基本を修得し、続いて内分泌系、神経系、胚発生など生物個体の制御系を学ぶ。その後、生物進化や生態系、そして産業応用、環境保全、生物倫理についての最新の話題にふれる。生物学の各分野の第一線で活躍している研究者らが長年の講義等での経験をもとに、わかりやすく解説した一冊である。
Transgenic Ascidians. Advances in Experimental Medicine and Biology, vol. 1029
Shimai, K., Kusakabe, T. G. (Chapter 6), Editor: Sasakura, Y.( 担当: 共著 , 範囲: Chapter 6: The Use of cis-Regulatory DNAs as Molecular Tools, pp. 49-68.)
Springer 2018年3月 ( ISBN:978-981-10-7544-5 )
Brain Evolution by Design: From Neural Origin to Cognitive Architecture
Kusakabe, T. G. (Chapter 7), Editors: Shigeno, S., Murakami, Y., Nomura, T.( 担当: 単著 , 範囲: Chapter 7: Identifying vertebrate brain prototypes in deuterostomes, pp. 153-186.)
Springer 2017年1月 ( ISBN:978-4-431-56467-6 )
Genome Mapping and Genomics in Laboratory Animals: Genome Mapping and Genomics in Animals, Vol. 4.
Sasakura, Y., Sierro, N., Nakai, K., Inaba, K., and Kusakabe, T. G.( 担当: 共著)
Springer-Verlag 2013年1月 ( ISBN:978-3-642-31316-5 )
精緻な細胞系譜と空間オミクスに基づく中枢神経系の細胞多様性創出機構の解明 招待あり
圓尾綾菜,日下部岳広
月刊 細胞 56 ( 4 ) 34 - 39 2024年3月
担当区分:最終著者, 責任著者 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
多様な動物を通してみた生きるしくみと進化 ~ホヤとメダカで探る脳と眼の進化~ 招待あり
日下部岳広
血液事業 45 ( 5 ) 789 - 791 2023年2月
掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
ホヤ幼生のGnRH神経系と頭部感覚器の起源
日下部岳広
比較内分泌学 42 ( 159 ) 106 - 107 2016年10月
掲載種別:記事・総説・解説・論説等(国際会議プロシーディングズ) 出版者・発行元:日本比較内分泌学会
太古に遡る嗅覚と生殖のつながり —ホヤを使った研究から—
島井光太郎,日下部岳広
AROMA RESEARCH 17 ( 1 ) 42 - 44 2016年2月
掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:フレグランスジャーナル社
Regulation and evolution of genes in ascidians
Kusakabe, T.
Zoological Science 22 ( 12 ) 1372 - 1372 2005年12月
掲載種別:記事・総説・解説・論説等(学術雑誌) 出版者・発行元:The Zoological Society of Japan
DOI: 10.2108/zsj.22.1372
カタユウレイボヤ幼生の始原的鼻プラコード由来表皮感覚細胞からの神経経路の解析
第46回日本分子生物学会年会 (神戸国際会議場) 2023年12月
開催年月日: 2023年12月
ロドプシン欠損メダカ網膜における桿体の喪失および短波⻑感受性錐体の増加と形態変化
第46回日本分子生物学会年会 (神戸国際会議場) 2023年12月
開催年月日: 2023年12月
光遺伝学とカルシウムイメージングを用いたホヤ幼生のグリア細胞の解析
第6回ホヤ研究会 (鹿児島大学) 2023年11月
開催年月日: 2023年11月
カタユウレイボヤ成体の光応答と光受容組織および光受容分子の解析
第6回ホヤ研究会 (鹿児島大学) 2023年11月
開催年月日: 2023年11月
ホヤ成体脳の空間トランスクリプトーム解析
第6回ホヤ研究会 (鹿児島大学) 2023年11月
開催年月日: 2023年11月
ホヤ統合データベースAniseed
2010年8月 - 現在
ホヤ統合データベースAniseedに遺伝子制御に関する情報を公開している。
URL: http://aniseed-ibdm.univ-mrs.fr/
ホヤ遺伝子調節データベースDBTGR
2005年7月 - 現在
東京大学医科学研究所(中井謙太教授)との共同研究により、ホヤ遺伝子調節データベースDBTGRを構築し、公開している。
URL: http://dbtgr.hgc.jp/
日本動物学会奨励賞
2005年10月 日本動物学会
日下部 岳広
日本動物学会論文賞
1998年9月 日本動物学会
広瀬裕一, Gretchen Lambert, 日下部岳広, 西川輝昭
精緻な細胞系譜と空間オミクスに基づく中枢神経系の細胞多様性創出機構の解明
2023年4月 - 2026年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
日下部 岳広
担当区分:研究代表者
4色型色覚特異的マイクロRNAから探る色覚の制御と進化
2021年7月 - 2023年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 挑戦的研究(挑戦)
日下部 岳広
担当区分:研究代表者
脊椎動物の頭部の進化を可能にしたゲノム基盤の解明
2019年4月 - 2022年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究課題番号:19H03213
脊椎動物は頭部に高度に発達した脳と感覚器をもち、これらのはたらきが地球上のさまざまな環境に適応した脊椎動物の繁栄を支えている。脳は胚の神経板から生じ、感覚器は脳とその周縁部の組織(プラコード)の相互作用によって作られる。脊椎動物に近縁なホヤ類の幼生は、微小だが脊椎動物と相同な脳とプラコードをもつ。本研究では、研究代表者らが明らかにしたホヤと脊椎動物の間の器官相同性をもとに、これらの器官に関わるトランスクリプトーム、遺伝子制御ネットワーク、ゲノムの構造と機能の特性の比較解析を行い、脊椎動物の高度に発達した脳と感覚器の出現を可能にした背景と進化プロセスを解明する。
脊椎動物の中枢神経系と感覚器の複雑化を可能にしたゲノム基盤の解明
2016年4月 - 2020年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究課題番号:16H04724
脊椎動物は頭部に高度に発達した中枢神経系(脳)と感覚器をもち、これらのはたらきが地球上のさまざまな環境に適応した脊椎動物の繁栄を支えている。脳は胚の神経板から生じ、感覚器は脳とその周縁部の組織(プラコード)の相互作用によって作られる。脊椎動物の祖先形態をとどめているナメクジウオ類の中枢神経系は、体の前端から後端までほぼ同じ太さで、脳とよべる前端部のふくらみはみられず、感覚器の原基となるプラコードも存在しない。一方、より脊椎動物に近縁なホヤ類の幼生は、微小だが脊椎動物と相同な脳とプラコードをもつ。本研究では、研究代表者らが明らかにしたホヤと脊椎動物の間の器官相同性をもとに、トランスクリプトームと遺伝子制御ネットワークの比較解析を行い、脊椎動物の複雑で高度な機能を備えた脳と感覚器の出現を可能にした背景と進化プロセスを解明する。
モデル脊索動物を用いた神経系細胞の個性化を司るゲノム情報発現ネットワークの解明
2013年4月 - 2016年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究課題番号:25290067
神経系は多様なニューロンとグリア細胞から構成されており、共通の前駆細胞から生じるこれらの細胞が、各々固有の性質を獲得し、正しく配置されることが、神経系の機能発現のために必要である。そのしくみの解明は、神経発生学の中心課題であるが、胚発生が胎内で進行し、膨大な数と種類の細胞から構成される哺乳類の神経系では、その理解はきわめて断片的である。本研究では、研究代表者と分担者の共同研究の成果に立脚し、ゲノムも神経系もともにシンプルなホヤとメダカを用い、神経系の各細胞が固有の性質を獲得するためのゲノム情報発現ネットワークを探る。(1)転写因子とシス調節配列の相互作用、(2)細胞間シグナル、(3)ノンコーディングRNAによる制御、(4)染色体上の遺伝子配置に連関した制御、をネットワークの基本要素ととらえ、脊索動物に普遍的な神経系構築のメカニズムの解明をめざす。
マイクロRNAによる視細胞多様性形成制御
2015年6月 - 現在
その他財団等 公益財団法人武田科学振興財団 2015年度生命科学研究助成
イン・シリコ解析と発生遺伝学による高精度なシス調節配列予測法の開発
2011年4月 - 2012年3月
公益財団法人 (財)ひょうご科学技術協会 平成23年度一般学術研究助成
遺伝子がいつどこではたらくかを決めるDNA配列(シス調節配列)は、生命活動を根底で支えているが、大半が未解明である。海産動物ホヤをモデルに用い、実験生物学の手法とコンピュータを駆使して、シス調節配列を高精度に予測する方法を開発する。
モデル脊索動物ホヤにおけるドーパミン神経系の構造と機能
2006年4月 - 2008年3月
独立行政法人日本学術振興会 日仏交流促進事業SAKURA
ホヤにおけるドーパミン神経細胞の発生機構と遊泳運動における機能を解析した。
共同研究者:Philippe Vernier(フランスCNRS・研究部長)
ホヤ光受容器における遺伝子制御ネットワークの解析
2005年10月 - 2006年9月
その他財団等 公益信託・成茂動物科学振興基金 平成17年度研究助成
ホヤ幼生の光受容器の発生プログラムを解明するために、光受容器で発現する遺伝子群の発現制御に関わる転写因子とシス制御配列の機能解析を行った。
神経細胞の個性を規定する遺伝子群の同定と機能解析
2005年4月 - 2006年3月
自治体 (財)ひょうご科学技術協会 平成17年度奨励研究助成
神経系を構成する多様な神経細胞の各々について、その個性を規定する遺伝子群を同定し、ノックダウン実験や細胞発現実験などにより、機能解析を行った。
モデル脊索動物を用いた神経系細胞の個性化を司るゲノム情報発現ネットワークの解明
提供機関:東京大学 国内共同研究
2013年4月 - 現在
神経系は多様なニューロンとグリア細胞から構成されており、共通の前駆細胞から生じるこれらの細胞が、各々固有の性質を獲得し、正しく配置されることが、神経系の機能発現のために必要である。そのしくみの解明は、神経発生学の中心課題であるが、胚発生が胎内で進行し、膨大な数と種類の細胞から構成される哺乳類の神経系では、その理解はきわめて断片的である。本研究では、研究代表者と分担者の共同研究の成果に立脚し、ゲノムも神経系もともにシンプルなホヤとメダカを用い、神経系の各細胞が固有の性質を獲得するためのゲノム情報発現ネットワークを探る。(1)転写因子とシス調節配列の相互作用、(2)細胞間シグナル、(3)ノンコーディングRNAによる制御、(4)染色体上の遺伝子配置に連関した制御、をネットワークの基本要素ととらえ、脊索動物に普遍的な神経系構築のメカニズムの解明をめざす。
共同研究者:中井謙太(東京大学医科学研究所・教授)、鈴木穣(東京大学新領域創成科学研究科・教授)
転写因子とシス調節DNAの核内動態に基づく細胞特異的転写調節ロジックの解明
提供機関:東京大学、(独)沖縄科学技術研究基盤整備機構 国内共同研究
2010年4月 - 2014年3月
遺伝子発現を制御するゲノムDNA配列(シス調節配列)は、発見が困難であるため、その重要性にも関わらずいまだに大半が未同定である。ホヤは脊椎動物にもっとも近縁な無脊椎動物で、ゲノムサイズが小さく、発生過程における遺伝子制御の研究に適した多くの特徴を備えている。本研究では、転写開始点と転写因子結合部位をホヤゲノム上にマッピングするとともに、共発現遺伝子座領域の染色体動態を解析し、その過程に関与するDNA配列を決定する。これらの情報とイン・ビボ実験およびイン・シリコ解析を統合して、細胞特異的な遺伝子発現制御に関わる転写因子とシス調節領域の相互作用の実体を明らかにし、脊椎動物ゲノムにも適用可能な転写調節ロジックの解明をめざす。
共同研究者:中井謙太(東京大学医科学研究所・教授)、鈴木穣(東京大学新領域創成科学研究科・准教授)、將口栄一(独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構・研究員)
脊索動物モデルを活用した高精度なシス調節配列予測法の開発
提供機関:東京大学医科学研究所 国内共同研究
2010年4月 - 2013年3月
遺伝子発現を制御するゲノムDNA配列(シス調節配列)は、発見が困難であるため、いまだに大半が未同定である。全ゲノムが解読され、ゲノムサイズが小さく、個体レベルのDNA機能解析が容易なホヤとメダカをモデルとして、高精度なシス配列予測法の確立をめざす。
共同研究者:中井謙太(東京大学医科学研究所・教授)
ホヤゲノムにコードされる小分子RNAの包括的探索
提供機関:東京大学医科学研究所、神戸大学大学院理学研究科 国内共同研究
2008年4月 - 2011年3月
ホヤゲノムにコードされる機能性小分子ノンコーディングRNAを網羅的・体系的に同定し、in vivoおよびin vitroの検証実験と機能解析を行う。
共同研究者:中井謙太(東京大学医科学研究所・教授)、井上邦夫(神戸大学理学研究科・教授)
モデル脊索動物ホヤにおけるドーパミン神経系の構造と機能
提供機関:フランスCNRS 国際共同研究
2006年4月 - 2008年3月
ホヤにおけるドーパミン神経細胞の発生機構と遊泳運動における機能を解析した。
共同研究者:Philippe Vernier(フランスCNRS・研究部長)
1850000円
H18.4.1~H20.3.31
日仏交流促進事業SAKURA
2023年度 中枢神経系の細胞多様性と発生機構の解析
研究費の種類: 教員実験費
2022年度 中枢神経系の細胞多様性と発生機構の解析
研究費の種類: 教員実験費
2021年度 脳内ニューロン集団の細胞系譜と発生機構の解析
研究費の種類: 教員実験費
2020年度 脳内ニューロン集団の細胞系譜と発生機構の解析
研究費の種類: 教員実験費
参考図書『ウォルパート発生生物学』
「研究の広場(自主実験)」の実施
「生物学科ニュース」の発行
理工学部・自然科学研究科FD活動・安全講習会
参考図書『動物はなぜ多様な神経系をもつか?:神経系の比較生物学』
2022年度
教育の責任(何をやっているか:主たる担当科目):
生物学入門(1年次通年選択必修2単位)、基礎生物学演習I(1年次前期選択必修2単位)、基礎生物学実験(1年次前期後期選択必修3単位)、発生学概論(1・2・3年次前期選択必修2単位)、発生生物学(1・2・3年次後期選択必修2単位)、生物学専門実験及び演習II(3年次前期選択必修5単位)、生物学臨海実習(3年次集中選択必修2単位)、生物学卒業実験(4年次通年選択必修20単位)、分子発生生物学(修士前期選択必修2単位)、生物学研究演習I・II(修士1・2年必修計4単位)、生物学研究実験(修士1・2年必修16単位)、生命・機能科学研究演習I・II・III(博士後期1・2・3年必修計6単位)、分子生命科学ゼミナール(博士後期必修2単位)
教育の理念(なぜやっているか:教育目標):
生物学において人類が明らかにしたこと、我々が知っていることは一部であり、未知の生命現象や事象、未解明の問題が多く残されている。教科書に書かれているこれまでに明らかにされたことを知ることは重要であるが、何が分かっていないかも同じくらい重要である。また、Theodosius Dobzhansky博士の有名な言葉 "Nothing in biology makes sense except in the light of evolution" にあらわされているように生物学のあらゆる側面において「進化」の概念が重要である。これらのことを伝えるべく教育に取り組んでいる。
教育の方法(どのようにやっているか:教育の工夫):
講義・実習・演習、および研究の実践を通して、教育の理念に記載した「何が分かっていて、何がわかっていないか」を理解できることを目指している。「進化」の概念がなぜ重要であるかを理解できるよう、多くの例を取り上げ、生物の多様性について強調し、生物学のさまざまな分野のつながりも踏まえた講義・実習・演習を実践している。
教育方法の評価・学習の成果(どうだったか:結果と評価):
授業評価アンケート、期末試験、提出課題の結果、および学生の研究発表実績等から、期待した成果がある程度達成されたと判断した。
改善点・今後の目標(これからどうするか):
生物学、生命科学は日進月歩であり、新しい知見、技術、アプローチを取り入れ、教育内容のアップデートにつとめる。
根拠資料(資料の種類などの名称):
シラバス、講義資料、実験実習テキスト
2020年9月 - 現在 日本動物学会 理事
2017年5月 - 現在 NBRPカタユウレイボヤ運営委員会 委員長
2015年4月 - 2017年3月 公益財団法人ひょうご科学技術協会 学術研究助成審査委員会 委員
2015年4月 - 2017年3月 一般財団法人大阪科学技術センター 参与
2011年8月 - 2012年7月 日本学術振興会 特別研究員等審査会・国際事業委員会 特別研究員等審査会専門委員及び国際事業委員会書面審査員
日本生物学オリンピック2012予選実施
2012年7月
日本生物学オリンピックは、生物学の面白さや楽しさを体験してもらうことを目的とする、高校生などを対象にした全国規模のコンテストであり、国際生物学オリンピック日本代表選考を兼ねている。甲南大学岡本キャンパスを会場として予選を実施した。
中学校キャンパスツアー
2012年7月
地域連携センターKORECが開催した本山中学校キャンパスツアーにおいて、生物コースを担当した。
甲南大学理工学部公開講演会
2012年6月
理工学部主催公開講演会「いきものってフシギ!おもしろい! 〜生き物の美しさに潜む新たな発見〜」で「脳と目ができるまで」というタイトルの講演を行った。
国際生物学オリンピック日本代表生徒に対する個別教育
2012年4月 - 2012年7月
第23回国際生物学オリンピックの日本代表生徒の個別指導を行った(同生徒は国際生物学オリンピックで銀メダルを受賞)。
甲南高校テーマ学習の個別指導
2011年11月
甲南高校のテーマ学習の一環で「クローン人間はなぜできないのか」というテーマに関してアドバイスを行った。
核酸・タンパク質等のホールマウント可視化技術
核酸・タンパク質等のホールマウント可視化技術
転写制御配列のゲノム情報科学的解析法
転写制御配列のゲノム情報科学的解析法
ホヤおよび魚類胚の顕微操作・遺伝子導入
ホヤおよび魚類胚の顕微操作・遺伝子導入