論文 - 平野 恭平
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国産合成繊維ビニロンの熱処理をめぐって:鐘淵紡績のカネビヤンを中心に 査読あり
平野 恭平
化学史研究 42 ( 2 ) 17 - 24 2015年6月
単著
出版者・発行元:化学史学会
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Kyohei Hirano
Japanese Research in Business History 30 85 - 111 2014年9月
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Kyohei Hirano
Japanese Research in Business History 27 67 - 92 2011年11月
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戦時期・復興期の日本企業の技術開発と最適市場の創出:倉敷レイヨンのビニロン工業化を中心として 査読あり
平野 恭平
経営史学 45 ( 4 ) 3 - 28 2011年3月
単著
出版者・発行元:経営史学会
本論文では,綿花や羊毛の不足を解決する試みとして始まった倉敷レイヨンによる国産合成繊維ビニロンの開発とその市場確立のプロセスを明らかにした。本論文では,経営者や技術者の思考様式,戦前から戦後にかけての技術的な連続性,産業政策,競争企業,市場変動といった外部環境との相互作用に着目して考察を行った。倉敷レイヨンでは,経営者の大原總一郎と技術者の友成九十九がリーダーシップを発揮しており,彼らの天然繊維代替の思想が,ビニロンの開発から製品展開まで影響していた。天然繊維が不足しているという時代の制約によって,倉敷レイヨンでのビニロンの最適市場の探索が歪められることになったが,社会経済の変化や経営成績の低迷によって,ビニロンという新しい繊維に対する認識や評価を改めることになり,その性質に見合った用途開拓を行うことを通じて,漸く市場を確立するに至った。倉敷レイヨンは,当初,繊維資源自給と天然繊維代替を目的としてビニロンの開発に着手した。しかし,合成繊維の市場を創り出すには,繊維の性質や機能を重視し,天然繊維にはない合成繊維の特徴を活かして,それに相応しい用途を探り,商品を開発し,その販売促進を行っていく必要があった。倉敷レイヨンでは,天然繊維代替に強く規定された製品展開から離れたマーケティングの発想と実践が,市場確立の遅れに起因する極度の経営不振に悩んだ経営者,技術者,営業担当者の認識と思考様式の変化によってもたらされた。倉敷レイヨンでは,同時期に工業化されたナイロンのようなファッション性のある衣料分野で華々しく展開することはなかったが,実用衣料や産業資材といった堅実な分野でビニロンの市場確立に成功した。この倉敷レイヨンの事例は,1940年代から1950年代前半という時期に限定されない一般的な経営現象でもあり,新技術・新製品の開発からその市場確立に至るまでに果たすマーケティングの重要性を示唆するものである。
DOI: 10.5029/bhsj.45.4_3
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藤田 順也, 竹内 竜介, 平野 恭平
経営研究 ( 56 ) 1 - 64 2010年4月
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藤田 順也, 竹内 竜介, 平野 恭平
国民経済雑誌 200 ( 6 ) 57 - 98 2009年12月
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合成繊維事業への後発進出をめぐる技術選択と企業家の決断:1960年代の呉羽紡績のナイロン進出を中心として 査読あり
平野 恭平
企業家研究 ( 5 ) 1 - 22 2008年6月
単著
出版者・発行元:企業家研究フォーラム
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戦後の紡績企業の合成繊維への進出と技術選択:アクリル先発企業とナイロン後発企業の事例を中心として
平野 恭平
博士論文 1 - 257 2008年3月
単著
出版者・発行元:神戸大学大学院経営学研究科
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戦後日本企業の技術能力の形成についての一考察:技術管理の観点からみた技術導入
平野 恭平
修士論文 1 - 198 2005年3月
単著
出版者・発行元:神戸大学大学院経営学研究科