吉川 孝 (ヨシカワ タカシ)
YOSHIKAWA Takashi
職名 |
教授 |
学位 |
哲学(慶應義塾大学) |
専門分野 |
哲学、倫理学 |
外部リンク |
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吉川 孝 (ヨシカワ タカシ) YOSHIKAWA Takashi
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倫理学における芸術作品の使用と想像力の問題 : フッサール、マードック、その後継者たち (日本倫理学会第七十一回大会 共通課題「想像力と倫理」報告) 招待あり
吉川孝
倫理学年報 70 18 - 28 2021年4月
添付ファイル: 倫理学における芸術作品の使用(著者最終稿).pdf
人生の意味を希求するフッサールの実存の記述――第42巻『現象学の限界問題』を読む―― 招待あり
吉川孝
フッサール研究 ( 18 ) 95 - 117 2021年3月
添付ファイル: 05_yoshikawa.pdf
ポルノ映画の現象学 : ブルーフィルムを観ることとアナクロニズムの倫理 (谷徹教授退職記念論集)
吉川 孝
立命館文學 = The journal of cultural sciences ( 665 ) 1031 - 1045 2020年2月
フェミニスト現象学 : 経験が響きあう場所へ
稲原, 美苗, 川崎, 唯史, 中澤, 瞳, 宮原, 優( 担当: 共著 , 範囲: コラム「哲学における自伝的なもの──カヴェルとボーヴォワールからフェミニスト現象学の方法を考える」)
ナカニシヤ出版 2023年8月 ( ISBN:9784779516986 )
英米哲学の挑戦 : 文学と懐疑
勢力, 尚雅, 古田, 徹也( 担当: 共著 , 範囲: 第6章、第7章、第8章)
放送大学教育振興会 2023年3月 ( ISBN:9784595323911 )
The Palgrave Handbook of German Idealism and Phenomenology
( 担当: 共著 , 範囲: Husserl’s Idealism in the Kaizo Articles and Its Relation to Contemporary Moral Perfectionism)
Palgrave Macmillan 2021年6月
「映画で倫理学:フィクションもまたドキュメンタリーである 和島香太郎監督『梅切らぬバカ』をめぐって」
上村 崇・佐藤 靜・谷田雄毅・吉川 孝
フィルカル 7 ( 3 ) 2022年12月
The Ethics of Knowing in Husserl: To Describe the Moral Experience of Scientists Involved in Minamata
Takashi YOSHIKAWA
Husserl’s Ethics and Social Philosophy in Context: The Kaizo Articles Centenary Conference 2023年5月
第30回高知出版学術賞特別賞
2020年3月 公益財団法人高知市文化振興事業団 高知県立大学文化学部『大学的高知ガイド こだわりの歩き方』昭和堂、2019年(「もう一つの『風立ちぬ』」担当)
高知県立大学文化学部
和辻賞(著作部門)
2012年10月 日本倫理学会
デジタル映像アーカイブの未来研究
2024年4月 - 2025年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
ワダ・マルシアーノ ミツヨ, Kim JoonYang, 小川 翔太, 板倉 史明, 藤城 孝輔, 早川 和宏, 常石 史子, 久保 豊, 木下 千花, 吉岡 洋, 石田 美紀, 馬 然, 小川 佐和子, 石原 香絵, 楯岡 求美, 辻 泰明, 吉川 孝, 喜多 千草
フッサール「『改造』論文」とその文脈に関する総合的研究:社会の現象学を中心に
2020年4月 - 2024年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
植村 玄輝, 吉川 孝, 八重樫 徹, 竹島 あゆみ
本年度はふたつの研究を中心に進められた。
第一に、フッサールの「『改造』論文」とその関連草稿(ともに『フッサール全集(Husserliana)』第27巻に所収)を全訳し、注解を付ける研究会を定例でおこなった。本年度は、第一論文「革新。その問題と方法」について、下訳を一文ずつ検討しながら注釈のためのメモを科研費メンバーのうち三名の共同で作成した。その際の役割分担は以下の通りである。植村は、下訳を作成し研究会の進行管理を行ったほか、主に現象学方法論の観点からの注解作成にあたった。吉川と八重樫は、下訳のチェックを行いつつ、フッサールおよび初期現象学の倫理学という観点からの注解作成にあたった。また竹島は、現象学の非専門家の立場からの助言にあたった。こうした翻訳と注解の作業は本研究を着実に進めるための地固めとしての役割を果たすと同時に、翻訳の出版を通じて本研究の最大の成果のひとつとなる予定である。
上と平行して、各自が研究計画において割り当てられた課題に取り組んだ。植村は、フッサールの本質論が初期の倫理学において果たしている役割について研究したほか、初期現象学における社会哲学に関するこれまでの研究成果を、シュタインとヴァルターだけでなく、尾高朝雄にも着目しながら整理した。吉川は、当初の予定では八重樫が取り組む予定だった個人倫理学の観点からのフッサール研究として、「生き方としての現象学」という発想の再検討を行った。八重樫は、フッサールの個人倫理学に関する研究として後期の倫理学草稿の内容を整理したほか、当初の予定では吉川が取り組む予定だった社会倫理学の観点からのフッサール研究にも取り組んだ。竹島は、尾高朝雄のヘーゲル論の準備のため、尾高の主要著作の調査にあたった。これらの研究の成果は次年度以降に本格的に発信される予定である。
ポルノグラフィにおける性的モノ化の哲学的考察――現象学的倫理学からのアプローチ
2020年4月 - 2023年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
吉川 孝
本年度も、コロナウィルス感染症の影響のため、国内外での出張による調査を進めることができなかった。そのため、性的モノ化にアプローチするための倫理学的基盤を確認することになった。具体的には、現象学的倫理学と現代倫理学の観点から、何らかの人物をモノとみなすという「認識」にかかわる倫理学の問題を考察する試みを行った。一方では、現象学的倫理学の観点から、エドムント・フッサールが認識の倫理を問題にする枠組みを検討した。他方では、英米の現代倫理学の観点から、アイリス・マードックが行為に先立つものの見方を考察する手法を検討した。フッサールとマードックとの関連についての発表を踏まえた上で、論考にまとめることができた。行為ではなく、認識の善悪を考察する倫理学は、ポルノグラフィの考察にとって重要な意味を持つにもかかわらず、その基盤や意義について研究はされてこなかった。
さらには、応用倫理学の問題として、性表現やポルノをめぐる問題を扱う手法についての考察も展開することになった。とりわけポルノの出演者のプライバシーをめぐる偏見やそのプライバシーをめぐる問題については、学術研究では慎重な対応が求められる。コンプライアンスとしての研究倫理を遵守することがどのような意味と限界を持っているのかを検討した。文献研究においても、人を対象とする場合には、理論によって現実を裁断してしまう危険があり、学術研究が水俣病事件における患者や被害者のスティグマ化に加担したこともある。