髙田 実 (タカダ ミノル)
TAKADA Minoru
職名 |
教授 |
学位 |
文学修士(東北大学) |
専門分野 |
西洋近現代史。イギリス福祉史 |
外部リンク |
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髙田 実 (タカダ ミノル) TAKADA Minoru
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下関市立大学 経済学部
2009年4月 - 2013年3月
国名:日本国
九州国際大学 経済学部
1998年10月 - 2009年3月
国名:日本国
国立有明工業高等専門学校
1989年4月 - 1998年9月
国名:日本国
西洋史研究会
1983年4月 - 現在
社会経済史学会
1989年4月 - 現在
社会政策学会
1989年4月 - 現在
社会思想史研究会
1985年4月 - 現在
歴史科学協議会
1983年4月 - 現在
国家といのち-20世紀の戦争と福祉 招待あり
井野瀬久美恵編『つなぐ世界史 3近現代/SDGsの歴史的文脈を探る』(清水書院) 130 - 135 2023年8月
福祉の歴史学 招待あり
高田 実
第4次現代歴史学の成果と課題 1 238 - 254 2017年5月
単著
1990年代から2016年までの「福祉の歴史学」の成果と課題を、主としてヨーロッパ史に限定して、まとめたもの。福祉の社会史、文化史の進展にともない、福祉の歴史学が「自立化」したことを強調したもの。ただし、裏面では福祉史の個別細分化が進行し、社会の構造的要因との関連性を問うマクロ的研究がおろそかになっていることも指摘した。
社会サービス全国協議会の歴史的意義-第一次世界大戦後における「福祉の複合体」の再編
高田 実
甲南大学紀要 文学編 ( 166 ) 179 - 191 2016年3月
単著
第一次世界大戦後のイギリスでは、ソーシャル・サービスの全国的組織化がなされる。本論文では、このサービスを担う「社会サービス全国協議会」の初期の議論を、1920年4月のオックスフォード会議を主要題材として検討し、この協議会の特質、形成の歴史的意義を論じた。
救援ギルドとエルバーフェルト制度―20世紀初頭における「新しいフィランスロピー」と地方の福祉―
高田 実
甲南大学紀要文学篇 ( 165 ) 241 - 253 2015年3月
単著
20世紀への転換期のイギリスでは、国家福祉が導入されることで、福祉の全体像が大きく変わる。そのなかで、旧来の福祉の中心であった、チャリティや相互扶助団体はどのように変化したのであろうか。「新しいフィランスロピー」と総称される国家と連携を容認する民間福祉団体の動きを、救援ギルドの制度に限定して考察した。その際、ドイツの地方的福祉制度であるエルバーフェルド制度が特別の意味をもっていたことを強調した。
生の歴史学と第一次世界大戦 招待あり 査読あり
高田 実
歴史と経済 ( 224 ) 35 - 43 2014年7月
単著
今日的視点から「生の歴史学」の可能性を追求するために、これまでの研究史を整理しつつ、論点を提示した。主に第一次世界大戦前後の時期における、いのち、福祉、生存の視点から、歴史研究の新しい可能性を問題提起した。
近代ヨーロッパの探究15 福祉
高田実・中野智世( 担当: 共編者(共編著者) , 範囲: 序章、第2章)
ミネルヴァ書房 2012年9月 ( ISBN:978-4-623-06375-8 )
英国福祉ボランタリズムの起源―資本・コミュニティ・国家
岡村東洋光・高田実・金澤周作( 担当: 共編者(共編著者) , 範囲: 序章、第6章)
ミネルヴァ書房 2012年5月 ( ISBN:978-4-623-06321-5 )
イギリス文化史
井野瀬久美恵( 担当: 共著 , 範囲: 第4章、エピローグ)
昭和堂 2010年10月 ( ISBN:978-4-8122-1010-9 )
自由と公共性―介入的自由主義の思想的起源
小野塚知二( 担当: 共著 , 範囲: 第2章)
日本経済評論社 2009年6月 ( ISBN:978-4-8188-2054-8 )
イギリス近現代女性史研究入門
河村貞枝・今井けい編著( 担当: 共著 , 範囲: 第5章)
イギリス近現代女性史研究入門 2006年5月 ( ISBN:4-250-20613-0 )
書評 大門正克・長谷川貴彦編著『「生きること」の問い方ー歴史の現場からー』 招待あり
高田 実
西洋史学 ( 276 ) 84 - 86 2023年12月
担当区分:筆頭著者 掲載種別:書評論文,書評,文献紹介等
書評 D.エシャトン著『戦争国家イギリスー反衰退・非福祉の現代史』 招待あり
高田 実
図書新聞 ( 3557 ) 2022年9月
担当区分:筆頭著者 掲載種別:書評論文,書評,文献紹介等
「生の歴史学」を求めて 招待あり
高田 実
評論 ( 225 ) 10 - 11 2022年7月
担当区分:筆頭著者 掲載種別:記事・総説・解説・論説等(商業誌、新聞、ウェブメディア)
福祉の複合体
高田 実
社会経済史学会編『社会経済学史事典』 262 - 263 2021年6月
担当区分:筆頭著者
友愛組合
高田 実
社会経済史学会編『社会経済学史事典』 268 - 269 2021年6月
担当区分:筆頭著者
教育とヴォランタリズム―コメント
高田 実
比較教育社会史研究会春季研究会 (西宮市大学交流センター) 比較教育社会史研究会
開催年月日: 2014年3月
イギリス的自由の歴史的展開
高田 実
ヴィクトリア朝文化研究学会大会 (甲南大学) ヴィクトリア朝文化研究学会
開催年月日: 2013年11月
社会サービス全国協議会の成立とボランタリ・アクション―福祉の複合体の有機化をめぐって
高田 実
九州歴史科学研究会研究会 (西南学院大学) 九州歴史科学研究会
開催年月日: 2012年12月
救援ギルドとエルバーフェルト制度―20世紀初頭イギリスにおける「新しいチャリティ」と地方の福祉―
高田 実
政治経済学・経済史学会秋季大会 (慶応義塾大学) 政治経済学・経済史学会
開催年月日: 2012年11月
家族と社会国家―20世紀ドイツにおける包摂のダイナミズム:コメント
高田実(代表 川越修)
日本西洋史学会2011年度大会 (日本大学文理学部) 日本西洋史学会
開催年月日: 2011年5月
イギリス福祉史におけるボランタリ・アクションの連続性
2011年4月 - 現在
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
イギリス福祉史におけるボランタリアクションの連続性について、20世紀初頭から1948年W.Beveridge"Voluntary Action"までの期間を対象として、検討している。特に、救援ギルドと、社会サービス全国協議会を主たる分析対象としている。
近代イギリスの福祉における個と共同性の関係史ー相互扶助と国家福祉ー
2003年4月 - 2006年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
近代イギリスにおける子と共同性の関係史を、相互扶助と国家福祉の関係に焦点をあてつつ、考察した。
『福祉の混合経済』に関する歴史研究-イギリスを中心として-
1999年4月 - 2001年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 萌芽研究
「福祉の混合経済」を歴史的概念として定着させるために、イギリスの19世紀末から20世紀初頭を対象として、試論的研究を行った。
第一次大戦前イギリスにおける失業問題と各政党の対応―『福祉国家の起源』研究序説-
1990年4月 - 1991年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 若手研究(A)
第一次対戦前イギリスの失業政策(論)について、自由党、保守党(統一党)、労働党の共通点と相違点を明らかにした。
2024年度 生の歴史学と相互扶助―友愛組合と労働組合
研究費の種類: 教員研究費
2023年度 生の歴史学と相互扶助
研究費の種類: 教員研究費
2022年度 生の歴史学—比較史的研究
研究費の種類: 教員研究費
2021年度 生の歴史学—比較史的研究
研究費の種類: 教員研究費
2020年度 ヨーロッパ近現代史 -福祉の歴史を中心にしてー 福祉国家と相互扶助の関係性に関する歴史的視点からの国際比較
研究費の種類: 教員研究費
2019年度
教育の責任(何をやっているか:主たる担当科目):
西洋史概説Ⅰ・Ⅱ(1年次配当、各2単位)、西洋史研究Ⅱ(2年次配当、2単位)現代史Ⅱ(1年次配当、2単位)、西洋史史料研究Ⅲ・Ⅳ(2年次配当、各2単位)、日本学(1年次配当、2単位)、生活の歴史(1年次配当、2単位)、基礎演習Ⅰ(1年次配当、2単位)、基礎演習Ⅱ(1年次配当、2単位)、演習Ⅰ・Ⅱ(2年次配当、各2単位)、演習Ⅲ・Ⅳ(3年次配当、各2単位)、卒業研究(4年次配当、8単位)
教育の理念(なぜやっているか:教育目標):
歴史学は、現代に生きる人びとが、過去を参照系として、これからの自らの生き方(未来)を考える学問であると考える。したがって、学生たちには、自らが歴史に問いかけつつ、いまの自分たちの生き方を問い直すための深い歴史的省察を行うことを期待するし、私自身はそのために必要な歴史の素材と方法を提示する責務があると考えている。学習の目標として重要なのは、歴史的視点からの「問題発見」である。問題の解き方は、とかく美・醜、上手・下手という視点から見られがちダルの対して、問題の立て方そのものにこそ、<学びの本質>があると考える。
教育の方法(どのようにやっているか:教育の工夫):
1)シャトルカードという学生との往復カードを作り、毎回授業のたびごとに、学生が疑問と思ったこと、発見した問題を書いてもらうとともに、次回の授業までにすべてのカードに必ずコメントいれて返す。これにより、講義形式の授業で不足する学生との応答を実践しているし、同時に学生が考えていることを把握したり、教え方の不備をリアルタイムで振り返っている。
2)試験については、単なる歴史的知識の確認ではなく、発見した問題が何かを必ず問うことにしているし、学生たちには初回の授業からそのことを意識させている。それにより、学生たちに歴史的に考える癖をつけさせるようにしている。
3)初年次教育を重視し、導入科目としての「日本学」の授業では、学科の先生たちに協力していただき、80頁強の『日本学へのいざない』という冊子をつくって、教科書代わりに利用している。内容についても、学生の声を聞きつつ、毎年改訂を加えている。
4)当たり前のことではあるが、とにかく専門書を読むということに力点を置き、授業中も教科書や資料の重要部分については、その場で音読させるようにしている。また、レポートについても、「手書き」を重視している。リテラシーの基本的能力を徹底して身に着けさせることで、幅広い読書に対応できる力を獲得させようとしている。
教育方法の評価・学習の成果(どうだったか:結果と評価):
1)現代を生きる「私」を起点としたリアルな歴史的な「問題発見」を行うという、歴史的思考力の育成については、大きな成果
がある。シャトルカードと試験の連動が好結果を生んでいる。
2)資料の批判的読解については、その場で資料を音読し、学生にその意味を問いかけることで、少しは考えながら、文章を読む力がついているように思える。
3)自分の考えていることを、自分の言葉で書くことも、かなりの成果をあげている。
改善点・今後の目標(これからどうするか):
1)じっくり立ち止まって考えることでは成果をあげているものの、それに時間を使うことで、どうしても歴史の基本的知識を習得させる面で不十分さが残っている。歴史的思考の質と量のバランスを回復させるような教材づくりに努力したい。
2)どうしても自分の視点からだけの問題提起に終わる傾向にあるので、自分自身が幅広く学習することで、多元的視点からの問いかけとその活用方法について、積極的に努力したい。
根拠資料(資料の種類などの名称):
シラバス、講義資料、シャトルカード、全学授業アンケート、科目独自アンケート。
独自作成教材冊子『日本学へのいざない』(2020年度版、88頁)