論文 - 大澤 香織
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痒みに対する不安が掻破行動を介して健康関連QOLに及ぼす影響ー健常学生と成人型アトピー性皮膚炎患者の比較―
樋町美華,岡島 義,大澤香織,羽白 誠,坂野雄二
心身医学 50 ( 5 ) 387 - 395 2010年5月
単著
出版者・発行元:一般社団法人 日本心身医学会
本研究の目的は,成人型アトピー皮膚炎(成人型AD)患者が抱える「痒みに対する不安」が掻破行動を介して健康関連QOLに及ぼす影響について健常な大学生と比較し検討することであった.大学生164名,および成人型AD患者42名を対象に自己記入式の調査を行い,パス解析による多母集団同時解析を行った.その結果,モデルの適合度は良好であり(GFI=0.964,AGFI=0.889,CFI=0.977,RMSEA=0.046),「痒みに対する不安」から掻破行動へは,患者群(-0.74)が学生群(-0.70)よりも強く影響を及ぼしていた.また,患者群では掻破行動から体の痛み(-0.40),社会生活機能(-0.41),心の健康(-0.41)に中程度の影響を及ぼしていることも明らかになった.以上の結果から,成人型AD患者は「痒みに対する不安」によって掻破行動が強められ,健康関連QOLが障害されていることが明らかになった.
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複数のリラクセーション技法を用いた集団ストレスマネジメント教育が大学生のストレス反応に及ぼす効果
大澤 香織
東海学院大学紀要 ( 3 ) 105 - 109 2010年3月
単著
担当区分:筆頭著者
大学生のヘルスプロモーションを目的とした集団ストレスマネジメント教育がストレス反応の低減に及ぼす効果を検討した。大学1年生を対象に,ストレスのメカニズムについて理解を促した後,複数のリラクセーション技法(呼吸法,漸進的筋弛緩法,イメージ)を紹介し,その習得訓練を行った。時期を要因とする一要因分散分析の結果,実施1ヵ月後の心理的ストレス反応が実施前よりも減少する傾向にあった。しかし,訓練を完遂した学生とドロップアウトした学生の間でストレス反応に有意な差は認められなかった。かった。また,脈拍において有意な変化は認められなかった。
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小児・児童期における家庭の食事環境がその後の親子関係に及ぼす影響
後藤紀子,矢澤久史,大澤香織
東海学院大学紀要 ( 3 ) 117 - 122 2010年3月
共著
大学生を対象に,小児・児童期の家庭での食事環境において「雰囲気が良い」と認知した条件を明らかにし,食事場面における雰囲気の良さが親との心理的結合に及ぼす影響を検討した。母子結合性を従属変数,雰囲気の良さを規定する諸条件を独立変数とした重回帰分析を行った結果,母親との“仲の良さ”が最も大きな説明力を有し,母親側の“受け入れやすさ“が有する説明力は有意傾向であった。食事場面において,子どもが母親に対して安心感を持てる雰囲気を積極的に作ることが母子間の心理的結合性を強めることが示唆された。
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外傷体験想起時の認知・行動が外傷性ストレス反応に及ぼす影響―Posttraumatic Cognition and Behaviors Model(PCBモデル)の構築―
大澤 香織
2008年3月
単著
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成人型アトピー性皮膚炎患者の痒みに対する不安尺度の開発-信頼性・妥当性の検討- 査読あり
樋町美華・岡島 義・大澤香織・羽白 誠・坂野雄二
心身医学 47 ( 9 ) 793 - 802 2007年9月
共著
成人型アトピー性皮膚炎患者の“痒みに対する不安”を測定するItch Anxiety Scale for Atopic Dermatitis (IAS-AD)を開発し,その信頼性と妥当性を検証した。探索的因子分析の結果,2因子17項目が抽出され,各因子の内的整合性は高かった。また,IAS-ADはSTAIと異なる不安を測定でき,かつアトピー性皮膚炎罹患の有無を予測することも可能であることが示された。
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成人型アトピー性皮膚炎患者の痒みに対する不安尺度の開発ー信頼性・妥当性の検討ー
樋町美華・岡島 義・大澤香織・羽白 誠・坂野雄二
心身医学 47 ( 9 ) 793 - 802 2007年9月
単著
出版者・発行元:一般社団法人 日本心身医学会
本研究の目的は,成人型アトピー性皮膚炎患者が訴える痒みに対する不安を測定するItch Anxiety Scale for Atopic Dermatitis (IAS-AD)を開発し,その信頼性と妥当性を確かめることであった.大学生294名,およびアトピー性皮膚炎を罹患する大学生44名を対象に自記式の調査を行い,探索的因子分析を行ったところ,IAS-ADは「環境誘発型」「ストレス誘発型」の2因子17項目で構成された.各因子の内的整合性は高かった(α=0.88〜0.91).また,IAS-ADはアトピー性皮膚炎に罹患している大学生とそうでない大学生を判別することが可能であり,アトピー性皮膚炎罹患の有無を予測することが可能であった.また,IAS-ADはSTAI-JYZとは異なる不安を測定することが明らかになった.以上の結果から,IAS-ADは高い信頼性と妥当性を有することが明らかになった.
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外傷体験の記憶想起時における対処方略が外傷性ストレス反応に及ぼす影響―重回帰分析による検討―
大澤香織・坂野雄二
ストレス科学 21 ( 4 ) 223 - 232 2007年
単著
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児童におけるリラクセーションを用いたストレスマネジメントの効果
髙橋高人,百々尚美,大澤香織,金井嘉宏,坂野雄二
ストレスマネジメント研究 3 ( 1 ) 35 - 40 2006年
単著
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境界性人格障害に対する弁証法的行動療法の治療効果に関するメタ分析
坂野雄二・金井嘉宏・大澤香織・松岡紘史・岡島 義・朝波千尋・木戸真紀子
精神科治療学 20 ( 1 ) 75 - 87 2005年
単著
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筆記によって外傷体験を開示することが精神的健康に及ぼす効果: 2週間フォローアップスタディ
平井麻紀・佐藤健二・大澤香織・坂野雄二
臨床死生学年報(大阪大学大学院人間科学研究科紀要) ( 6 ) 46 - 53 2001年
単著