科研費(文科省・学振)獲得実績 - 梅津 郁朗
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超音速で進展する2つのプラズマの衝突過程を用いた複合ナノ粒子の創成
2019年4月 - 2023年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
梅津 郁朗, 吉田 岳人, 福岡 寛, 青木 珠緒
本研究は2つのターゲット(SiとGe)をレーザーアブレーションし、対向して進展する2つのプルームを正面衝突させることによって複合ナノ粒子を形成しようというものである。1年目は実験結果と計算機シミュレーションを比較することによって、プルーム進展過程への対向衝撃波の影響とレーザー遅延時間の効果を明らかにしてきた。2年目は継続してプルーム衝突過程をより詳細に議論し、堆積したナノ粒子に対しSTEM/EDSを用いて構造解析を行った。3年目はプルーム観察、流体シミュレーション、構造解析の結果を総合的に検討した。
バックグラウンドガス圧力が高い2000Pa以上では流体近似によるシミュレーションでプルームの衝突現象をよく近似できる。プルームが対向衝撃波と衝突するとプルームが逆方向に進展し、その影響で二つのプルームは混合しない。堆積物はナノ粒子凝集体とGeナノ粒子凝集体が結合したものであった。これはSiプルーム中でSiナノ結晶凝集体が、Geプルーム中でGeナノ結晶凝集体が形成され、その後Siナノ結晶凝集体とGeナノ結晶凝集体が結合することを示す。1000Pa以下では平均自由行程が長くなり流体近似でプルーム進展の振る舞いが十分再現できない。プルームは中央部で混合するため、プルームを分光してSiとGeの進展を観察しプルームの混合度合いを議論した。その結果、2つのプルームは衝突後混合し、その後対向衝撃波によって形成された流れによって広がることがわかった。500Paの時には堆積物は混晶ナノ粒子であり、混合プルーム中でナノ粒子が形成され、基板に到達したことが示された。これらの結果を基にバックグラウンドガス圧力の効果を衝撃波と平均自由行程で説明するモデルを提示した。 -
超音速で進展する2つのプラズマの衝突過程を用いた複合ナノ粒子の創成
2019年4月 - 2021年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
ガス中でのパルスレーザーアブレーション(PLA)法はプルームと呼ばれるパルスレーザー誘起プラズマを用いたナノ粒子創成法として知られている。申請者は2種類の対向するプラズマ(プルーム)を衝突させるダブルパルスレーザーアブレーション(DPLA)法を用いた複合ナノ粒子の創成を提案している。最近、我々は対向プルームの膨張によって発生する衝撃波がプルームの進展に大きく影響することを見いだし、プラズマ衝突過程の制御によって複合ナノ構造の制御が可能であることを指摘している。本研究ではプラズマ衝突過程の測定によりプラズマ衝突過程を明らかにするとともに、プルームの速度・温度・圧力および複合ナノ粒子形成に与える影響を明らかにする。得られた結果から、プラズマ衝突過程のモデルを提案し、プラズマ衝突過程の制御による複合ナノ粒子生成を目指す。本研究は衝突プラズマ現象を手軽に実験することが可能である系という意味合いも持つ。
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気相パルスレーザーアブレーション法による複合プラズモニック可視光応答光触媒の創製
2016年4月 - 2020年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
吉田 岳人, 原口 雅宣, 梅津 郁朗
プラズモニック光触媒が注目されている.しかし金属ナノ粒子/主触媒結合系のナノ領域での構造制御及び金属種の選択性に難点がある.研究代表者が独自に開発してきた気相反応性パルスレーザーアブレーションを用い,複数種の金属ナノ粒子を高い粒径・担持数密度制御のもとに生成することが可能である.
本研究では,モフォロジー制御された主触媒に対して,複数種の金属ナノ粒子を堆積し,複合プラズモニック可視光応答型光触媒を創製した. 複数種の金属ナノ粒子を用いることで,波長域(可視~紫外)選択性を広げることが可能となった.また化学的に安定度の低い廉価な金属の導入によるコスト低下を同時に実現することが可能となった.. -
2パルス励起プロセスを用いた非平衡的ナノ結晶成長制御
2015年4月 - 2018年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
2パルス励起プロセスを用いた非平衡的ナノ結晶成長制御
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シリコンへの過飽和ドープによる巨大な赤外光吸収帯の出現と中間バンドの形成
2012年4月 - 2015年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
パルス励起プロセスを用いると、シリコン単結晶中に不純物を過飽和ドープすることが可能であり、硫黄を過飽 和ドープした新物質からは新奇な赤外光吸収帯が見いだされている。しかし、過飽和状態での不純物の配置およ び準安定構造と赤外光吸収の相関は不明である。この光吸収帯は、硫黄の深い不純物準位がバンドとなり、中間 バンドを形成したことが原因である可能性が高く、ショックレー・クワイサー限界を超える高効率太陽電池材料 の可能性を示唆する。そこで本研究では、1)硫黄等のシリコン中で深い準位を形成する不純物物に対してパル ス励起プロセスを用いて過飽和ドープを行い、2)過飽和ドーププロセス、および過飽和状態がもたらす特徴的 な構造の変化と光吸収帯の相関を明らかにする。また、これらの結果から3)中間バンドの形成に関して議論を 行う。最終的にはこの新物質の中間バンド型太陽電池材料としての可能性を検討する。
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パルス励起プロセスを用いたナノ結晶構造体の能動的制御
2009年4月 - 2011年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
パルス励起プロセスを用いたナノ結晶構造体の能動的制御
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ナノ結晶シリコン集合体のフラクタル凝集次元制御と次元性の光学的特性に与える影響
2007年4月 - 2008年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
ナノ結晶シリコン集合体のフラクタル凝集次元制御と次元性の光学的特性に与える影響
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水素によって表面終端されたナノ構晶シリコンの生成機構と光物性
2004年4月 - 2006年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
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4816
16560018" -
レーザーアブレーション法による表面制御されたナノ結晶シリコンの創成と発光過程
2001年4月 - 2003年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
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分子シンクロを用いた半導体ナノ結晶ネットワーク形成による物性制御
2001年4月 - 2002年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 特定領域研究
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ナノ結晶シリコン中の非輻射再結合過程
1999年4月 - 2000年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
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非晶質半導体の界面準位と界面再結合速度の光学的研究
1996年4月 - 1997年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 奨励研究A
非晶質半導体の界面準位と界面再結合速度の光学的研究
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光熱偏向分光法による非晶質半導体/絶縁体界面の分光学的研究
1994年4月 - 1995年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 奨励研究A
光熱偏向分光法による非晶質半導体/絶縁体界面の分光学的研究
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絶縁性非晶質薄膜のバンドギャップとボンドギャップの組成及び局所構造依存性
1993年4月 - 1994年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 奨励研究A
絶縁性非晶質薄膜のバンドギャップとボンドギャップの組成及び局所構造依存性