科研費(文科省・学振)獲得実績 - 中谷 健太郎
-
事象意味論が発動する予測的な命題推論:視線と脳波から検証する
2020年4月 - 2024年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
中谷 健太郎, CHANG Franklin, 矢野 雅貴, 小野 創
-
ヒト・チンパンジー・サルの描画における階層構造構築
2019年6月 - 2021年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
幕内 充, 齋藤 亜矢, 依光 美幸, 酒井 弘, 広瀬 友紀, 林 美里, 香田 啓貴, 中谷 健太郎
-
作業記憶と文処理アーキテクチャの実証的研究:構造的複雑性と構造的頻度の観点から
2009年4月 - 2012年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
本研究課題では、日本語話者による漸増的文処理(文が終わるのを待たず入力をどんどん処理していくこと)において、作業記憶への負荷となる条件を読文の速度や脳波を測定することにより検証し、「シカ…ナイ」や「誰ガ…シタカ」といった文法依存関係の処理において、通常の主語述語関係の処理には見られない種類の反応を発見した。これは前者の処理が後者の処理とは異なる記憶のスレッドを利用していることを示唆している。
-
作業記憶と文処理アーキテクチャの実証的研究:構造的複雑性と構造的頻度の観点から
2009年 - 2011年
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
中谷健太郎, 前田多章, 小野創
担当区分:研究代表者
本研究課題は、母語話者による日本語の漸増的文処理(文が終わるのを待たず入力をどんどん処理していくこと)において、作業記憶への負荷となる条件を行動実験及び電気生理学的実験により検証することにより、文理解のメカニズムの解明を目指すものである。2009年度は主に予備実験を行った。(1)19チャンネルデジタル脳波計を用いた電気刺激についての予備実験に加え、構文の構造認定に関わる期待値の定量化実験として、言語処理時の事象関連電位(以下,ERPと呼ぶ)を漢字と読みの照合という言語処理過程で観察した。結果は現在分析中だが、これにより,構文認定の関わるERPに混在する形態素解析に起因したERPの成分を把握する一助が期待できる(前田)。(2)否定対極表現「シカ…ナイ」を含む構文において、「シカ」の出現から「ナイ」の出現までに随伴陰性変動(CNV)が観察できるかを検査するため、どのような刺激文と実験パラダイムを組み合わせれば良いかについて綿密な計画を立て、180の刺激文を構築した。現在予備実験中である(中谷・前田・小野)。(3)疑問名詞句「誰が」に対応する疑問終助詞「か」の処理が距離要因の影響下にあるか、行動実験(自己制御読文実験)によって検証した(n=52)。具体的には、二重の節の埋め込みのある文[S1[S2[S3]]]のS2の主語位置に「誰が」を置き、(i)「か」をS2またはS1に置くことに...
-
節構造における分断と結束性の調査・研究
2007年4月 - 2009年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
"節は、その構造において主要部と補部あるいは主要部と指定部の間に選択関係が成立しているが、こ
の選択関係は、節の解釈を飽和(saturate)させると同時に、文の処理に際しては、次に来る語の予測に
貢献する。本研究において、この選択関係が予測通り実現されている構造を「結束性」(coherence)のある構造と呼ぶ。しかし、英語の統語現象を見てみると、結束性が常に保たれるとは限らない事例が見いだされる。 本研究は、英語が示すこの 結束性と分断という側面に焦点を当てて、[1] 統語論的、[2] 意味論・語用論的、[3] 音声学的、[4] 文理解、の4つの観点から調査・分析を行いこの現象の本質を明らかにする とともに、得られた知見を日本語との対照研究に適用することを目的とする。" -
2007年 - 2009年
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
中島信夫, Kaneaki ARIMURA, Akitoshi FUKUSHIMA, Kentaro NAKATANI
文中の語の間の関係は、通例、構造的に結束性があるが、その結束性が他の語句によって一時的に「分断」されることがある。本研究は、[1]統語論、[2]意味論・語用論、[3]音声学、[4]心理言語学の4つのモジュールにおいて、「分断」から「結束性」が復元される仕組みを調査した。その結果、どのモジュールにおいても分断は一種の「引用」のように扱われ、結束的構造が部分的に「保留」され、その後「再構築」を経て、解釈される傾向があることが明らかになった。
-
語彙意味論に基づく言い換え計算機構の工学的実現と言い換え知識獲得への適用
2006年4月 - 2007年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
語彙意味論の最新研究に基づいた大規模な語彙資源の開発を進め,自然言語処理の高度化に資する仕事をする.プロジェクトの目標は以下の通り:
・語彙概念構造に基づく日本語動詞意味辞書の開発
・動詞句や名詞句の間の{同義,包摂,前提}関係の知識獲得
・上記資源に基づく(語彙)構成的言い換えの計算モデルの開発 -
統合的レキシコン理論の開発と言語学教育への応用研究
2005年4月 - 2008年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
意味論,形態論(形態音韻論),統語論など文法全体に関わる語彙情報の役割と意義を解明することによって文法全体を包括する統合的なレキシコン理論を構築することを目指している。加えて,本研究では,理論開発だけに留まらず,そこから得られた理論的な知見を言語学教育に応用して,日本の大学・大学院において現在,欠落している語彙意味論関係の教材を開発するという社会的な貢献も射程に含めている。
-
2005年 - 2008年
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
影山太郎, 小林英樹, 浦啓之, 岸本秀樹, 由本陽子, 中谷健太郎, 杉岡洋子
担当区分:連携研究者
構造・形態構造がそれらの語嚢的意味とどのように対応するかを結果構文、中間構文、受身文、複合語、派生語など多様な現象について考察し、語嚢概念構造とクオリア構造を一体化することによって、形態・意味・統語を包括した総合的なレキシコンの理論を提示した。更に、そこから得られた理論的成果を大学上級学年から大学院の言語学所学者に平易に解説し、言語分析の手助けとなる概説書を上梓した。
-
語彙意味論に基づく言い換え計算機構の工学的実現と言い換え知識獲得への適用
2005年 - 2007年
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
乾健太郎, 竹内孔一, 藤田篤, 中谷健太郎
担当区分:連携研究者
本研究の目的は,動詞などの述語とその項からなる述語項構造を事態表現の基本単位と仮定し,語彙意味論等の言語学的知見をふまえて述語項構造間の同義・含意関係に関する基本知識を設計整備することであった.これに対し,(1)動詞語釈文の構造化,(2)語彙概念構造(LCS)に基づく事態上位オントロジーの構築,(3)コーパスからの事態間関係獲得,の互いに相補的な3つのアプローチを提案し,以下の成果を得た.(1)動詞語釈文の構造化 国語辞典の語釈文から述語項構造間の基本的な意味関係を収集する研究に取り組んだ.例えば,動詞「倒す」の語釈文「立っている物に力を加え傾け、横にする」からは,「XがYを倒す→XがYを横にする(上位下位関係)」の他,「→XがYに力を加える(行為-手段関係)」,多様な意味関係が収集できる.実際に岩波国語辞典第5版の収録動詞(11469語)から8種類の意味関係を合わせて約3万5千件収集した.(2)LCSに音尽く事態上位オントロジーの構築 LCSにおける動詞意味分析の枠組みに基づき,高頻度動詞約4千語,7千語義について5階層からなる意味分類を行った.最下層は約千クラスに分類されており,例えば,「所属・客体変化」のクラスには「配属する,取り立てる,引き抜く,立てる,招く」などが属し,これらはすべて同じ項構造を持つ.これにより,(1)の語釈文の構造化だけでは捉えられない基本概念間の...