2023年度
教育の責任(何をやっているか:主たる担当科目):
国際法Ⅰ(2年次配当、2単位)、国際法Ⅱ(2年次配当、2単位)、国際法Ⅲ(3年次配当、2単位)、基礎演習(1年次配当、2単位)、選択演習(2年次配当、2単位)、専門演習(3年次配当、4単位)
教育の理念(なぜやっているか:教育目標):
国際社会の動きに関心を持ち、実は自分の生活に密接に関係のあるものであるという感覚を養うことを目標としている。国際社会を見る視点は、国際経済や国際政治などの学びから複合的に涵養しうるが、国際法という「合意したから遵守する」ことを基本とするルールによって国際社会の秩序が維持されていることを理解し、実際に国家がどのような行動によって国際法を作り、守り、違反するのかという切り口から国際社会を読み解く力をつける。
教育の方法(どのようにやっているか:教育の工夫):
講義では、国際社会の動きにまず関心を持たせるために、初めの10~20分でその1週間に起こった国際的なニュースを解説する。できる限り「国家」という国際法主体の観点に引き付けて説明し、国際法Ⅰ~Ⅲの講義の内容に円滑に移行できるよう工夫している。解説するテーマやニュースに関しては、学生からの要望も随時受付けている。講義では、細かな学説や条約などの解釈に立ち入ることよりも、国際社会の変容の中で現代国際法が果たす役割りがどのように変わりつつあるかに重点を置いて理解を促すようにしている。
演習では、国際法が実際の紛争解決にどのように援用されるのかを知るために、国際模擬裁判を取り入れている。数名ずつ被告国と原告国に分かれ、いまだ解決していない国家間紛争において国際法の解釈を駆使して自国の主張を展開することによって、講義で学んだ国際法が実際どのように生かされるのかを体感することを目的としている。
教育方法の評価・学習の成果(どうだったか:結果と評価):
講義では、国際社会の動きに関する学生の関心度に大きな開きがあり、ニュース解説や国際社会の現実、国連の仕事などをより多く話してほしいと要望する学生と、試験に出ないことは紛らわしいのでできる限り話さないでほしいという学生が混在する。演習では、グループで調べて発表するため、テーマに対する関心の濃淡で貢献度が変わってくるが、年間を通じていくつかのテーマにグループを変えて取り組むため、最終的にはほぼ全員が議論を牽引する役割を果たしている。
改善点・今後の目標(これからどうするか):
講義では、より関心に近いテーマを選んで導入として解説する工夫を重ね、「遠い外国の出来事」がいかに自分の生活に密接な関係を有しているか実感させるようにしたい。講義資料も条約などの解説だけにとどまらず、少しでも自分で考えて埋める形式を取り入れたい。
根拠資料(資料の種類などの名称):
シラバス、講義資料(条約、宣言など)、リアクションペーパー、授業改善アンケート