ティーチングポートフォリオ - 住田 英穂
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2020年度
教育の責任(何をやっているか:主たる担当科目):
民法総則Ⅰ(1年次配当、2単位)、民法総則Ⅱ(2年次配当、2単位)、物権法Ⅰ(2年次配当、2単位)物権法Ⅱ(2年次配当、2単位)債権法Ⅰ(2年次配当、2単位)、
不法行為法(2年次配当、2単位)、親族法(2年次配当、2単位)、相続法(2年次配当、2単位)、基礎演習(1年次配当、2単位)選択演習(2年次配当、2単位)、専門演習(3年次配当、4単位)教育の理念(なぜやっているか:教育目標):
法律を学ぶことは、条文を暗記することであると考えている学生があまりにも多い。法律学で重要なことは、条文を出発点として、その背後にある考え方・物事の捉え方、さらには価値観に迫り、そこから、社会現象を考察することである。法律学のなかでも、民法の規律する紛争は、事実関係や適用される条文が複雑であるため、条文や学説の背後に潜んでいる物事の見方や価値観を把握しにくいことも多い。事実関係を解きほぐし、条文が適用される思考プロセスを明らかにする作業を通じて、条文を解釈するということを体感させたいと考えている。
教育の方法(どのようにやっているか:教育の工夫):
講義では、条文の知識を学ばせるだけではなく、設例を用意して、条文が適用される思考プロセスを示している。その際には、判例・通説だけではなく、それと対立する説も取り上げている。対立する学説までも検討するのは、条文や学説の背後にある考え方や価値観の違いを浮き彫りにすることを狙っているからである。本年度は、コロナ感染症の拡大によって、講義はオンラインで動画を配信して実施した。
ゼミでは、「文献の読解」と「レジュメ・レポートの作成」を中心に指導している。報告者を割り当て、レジュメをもとして報告してもらい、その後に全員で議論を行う。「問題提起」と「私見」をレジュメには、必ず含めるように指示している。文献の読解とレジュメ・レポートの作成のいずれにおいても、問題提起から結論に至る論理展開を意識させている。読解の段階では論理展開の分析する作業を、作成の段階では論理展開を組み立てる作業を経験させることによって、「深く読む」技法と「相手を説得する」技法をつかみとらせることを狙っている。ゼミは、対面でなければ学習効果が出ないと考えたために、前期は休講として、後期に集中して対面で実施した。教育方法の評価・学習の成果(どうだったか:結果と評価):
講義では、オンラインによる試験を実施し、正誤訂正問題と事例問題を出題した。オンラインであったが、全部記述させた。資料の閲覧は何でも可であるにも関わらず、出来が非常に悪かった。事前に、教科書・レジュメの通読を行っていないためであると考えられる。
ゼミでは、報告者の提示する私見に対して行われる議論が低調である。これは、報告者を除くゼミ員の予習・インプットが十分でないためである。特に、本年度は後期集中としたために、予習の分量が倍になるところ、学生さんは十分にこなせていないようであった。改善点・今後の目標(これからどうするか):
オンライン講義では、学生の反応がつかみにくいことにどう対応するかを思案している。また、教科書を通読できない・しようとしない学生に対して、いかに文献と向かわせるか、を工夫したい。
ゼミでは、登学が制限されるため、図書館の利用が通常と異なっており、資料収集を行わせる点でかなり制約を受けた。考えながら資料を収集する作業をいかに行わせるかを工夫したい。根拠資料(資料の種類などの名称):
シラバス、講義資料、試験問題
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2019年度
教育の責任(何をやっているか:主たる担当科目):
民法総則Ⅰ(1年次配当、2単位)、民法総則Ⅱ(2年次配当、2単位)、物権法Ⅰ(2年次配当、2単位)物権法Ⅱ(2年次配当、2単位)債権法Ⅰ(2年次配当、2単位)、
不法行為法(2年次配当、2単位)、親族法(2年次配当、2単位)、相続法(2年次配当、2単位)、基礎演習(1年次配当、2単位)選択演習(2年次配当、2単位)、専門演習(3年次配当、4単位)教育の理念(なぜやっているか:教育目標):
法律を学ぶことは、条文を暗記することであると考えている学生があまりにも多い。法律学で重要なことは、条文を出発点として、その背後にある考え方・物事の捉え方、さらには価値観に迫り、そこから、社会現象を考察することである。法律学のなかでも、民法の規律する紛争は、事実関係や適用される条文が複雑であるため、条文や学説の背後に潜んでいる物事の見方や価値観を把握しにくいことも多い。事実関係を解きほぐし、条文が適用される思考プロセスを明らかにする作業を通じて、条文を解釈するということを体感させたいと考えている。
教育の方法(どのようにやっているか:教育の工夫):
講義では、条文の知識を学ばせるだけではなく、設例を用意して、条文が適用される思考プロセスを示している。その際には、判例・通説だけではなく、それと対立する説も取り上げている。対立する学説までも検討するのは、条文や学説の背後にある考え方や価値観の違いを浮き彫りにすることを狙っているからである。
ゼミでは、「文献の読解」と「レジュメ・レポートの作成」を中心に指導している。報告者を割り当て、レジュメをもとして報告してもらい、その後に全員で議論を行う。「問題提起」と「私見」をレジュメには、必ず含めるように指示している。文献の読解とレジュメ・レポートの作成のいずれにおいても、問題提起から結論に至る論理展開を意識させている。読解の段階では論理展開の分析する作業を、作成の段階では論理展開を組み立てる作業を経験させることによって、「深く読む」技法と「相手を説得する」技法をつかみとらせることを狙っている。教育方法の評価・学習の成果(どうだったか:結果と評価):
講義の試験では、基本的な知識を問う問題のほかに、事例問題を出題している。事例問題では、論点の提示→対立する説の記述→それぞれの説の立場からの解答という形式で、小問を設け、解答させている。小問に区切って解答させているので、学生がどこまで理解しているかが把握できる。近時は、高得点層と低得点層の乖離が目立つようになっている。
ゼミでは、報告者の提示する私見に対して行われる議論が低調である。これは、報告者を除くゼミ員の予習・インプットが十分でないためである。改善点・今後の目標(これからどうするか):
講義では、少しでも複雑な物事に直面すると「無理」と言って背をむけてしまう学生に、どのようにして、民法学の楽しさを伝え、やる気を出させるか、が課題である。ゼミでは、報告者でないときにも、主体的参加させる方法を工夫することが課題である。
根拠資料(資料の種類などの名称):
シラバス、講義資料、試験問題