Books and Other Publications - NISHIO Junji
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岸江, 信介, 中井, 精一, 都染, 直也, 市島, 佑起子, 塩川, 奈々美, 舩木, 礼子, 村中, 淑子, 西尾, 純二, 松丸, 真大, 高木, 千恵, 津田, 智史, 鳥谷, 善史, 大西, 拓一郎, 峪口, 有香子( Role: Contributor , 卑罵表現)
昭和堂 2022.4 ( ISBN:9784812221167 )
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大学的大阪ガイド
大阪公立大学現代システム科学域, 住友, 陽文, 西尾, 純二( Role: Joint editor)
昭和堂 2022.4 ( ISBN:4812221145 )
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現代の語彙: 男女平等の時代 (シリーズ“日本語の語彙”)
飛田 良文, 佐藤 武義, 田中 牧郎, 茂木, 俊伸, 蓑川, 惠理子( Role: Contributor , 待遇場面による語の選択)
朝倉書店 2019.4 ( ISBN:4254516673 )
本書では,近代までの日本から大きく変わった社会のあり様に応じた,現代日本語の語彙の変化の諸相が体系的に論じられている。
担当箇所では,現代人は対人関係における価値観を変化させており,そのことが待遇場面での語の選択に変化をもたらしていることを「岡崎敬語調査」の分析を通して明らかにした。具体的には,見知らぬ中年男性に話しかける場面の調査データをもとに相手に距離を置く語を選択する方向への変化と,さらにそれが進んだ相手を指し示す言葉を使わない方向への変化を捉えた。これによって,対人コミュニケーションに積極的でなくなってきたという変化が待遇表現語彙に変化をもたらしたことを示した。 -
県別 方言感覚表現辞典
真田 信治, 友定 賢治( Role: Contributor , 和歌山県関連記事)
東京堂出版 2018.8 ( ISBN:4490109040 )
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関西弁事典
真田, 信治( Role: Joint editor)
ひつじ書房 2018.3 ( ISBN:9784894768482 )
本書は,関西方言に関連する,伝統的な方言学や社会言語学的な知見について整理した事典encyclopediaである。その整理の中で,60名の執筆者が必要な論を補充・更新しつつ,トピックを体系的に構成している。まず総説として,関西方言全体の歴史,地理的,社会的情況,研究史,そして各種言語地図について論じている。次に関西の各府県の方言事象を音声・文法・敬語などの語法といった言語的側面,そしてそれらの言語事象の地理的分布といった面を解説する。他,関西の各方言を,歴史に支えられた街,自然,文芸,職業,宗教的な特徴などとの関わりで解説した多くの論考を所収している。さらには,関西弁にかかわる教育,放送,医療,方言変換ソフトについてなどの言語施策についてもまとめている。このように本書では,関西という地域における,言語,言語を用いた人々の生活の時空間を描き出し,言語と地域社会との関わりを総合的に捉えることを試みた。
編集委員:岸江信介、高木千恵、都染直也、鳥谷善史、中井精一、西尾純二、松丸真大 -
敬語は変わる : 大規模調査からわかる百年の動き
井上, 史雄, ほか( Role: Contributor , マイナス待遇表現の衰退)
大修館書店 2017.8 ( ISBN:9784469222609 )
本書は,現代の敬語について,愛知県岡崎市での大がかりな敬語調査を中心に,「敬語の成人後採用」と「聞き手を目指す敬語」への動きの2つの関心を大きな柱として論じるものである。
担当箇所では,相手を悪く言うことに対する言語行動の規制の変化について論じている。具体的には,面と向かって相手を悪く言うことが,以前に比べて少なくなったということ。また,逆に相手に配慮して丁寧な言葉を話すようになってきているということ。さらには,コミュニケーションが画一化していることを捉え,現代都市社会の他者か警戒がその背景にあることを論じた。 -
Minus treatment expressions: Direct or restrained use of verbal behavior "lowers" or denigates
( Role: Sole author)
2015.3 ( ISBN:4874246451 )
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Text-miningand its Applications in Language Research
( Role: Contributor)
2014.12 ( ISBN:9784894766952 )
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日本語の配慮表現の多様性 : 歴史的変化と地理的・社会的変異
野田, 尚史, 高山, 善行, 小林, 隆( Role: Contributor , 現代語の感謝・謝罪に見られる配慮表現)
くろしお出版 2014.6 ( ISBN:9784874246221 )
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都市と周縁のことば : 紀伊半島沿岸グロットグラム
岸江, 信介, 太田, 有多子, 中井, 精一, 鳥谷, 善史, 西尾, 純二, 朝日, 祥之, 松丸, 真大, 津田, 智史, 峪口, 有香子, 高木, 千恵, 余, 健, 村田, 真実, 清水, 勇吉, 奥, 友里恵, 市島, 佑起子( Role: Contributor)
和泉書院 2013 ( ISBN:9784757606661 )
本書は三重県鳥羽市から和歌山県田辺市の紀伊半島沿岸部を対象に,当該地域の特性を踏まえ実施したグロットグラム調査の結果を使用し,様々な言語事象についての論考を集めた論文集である。。
本人担当部分としては無敬語地帯と呼ばれる鳥羽市―田辺市間の待遇表現について,21世紀初頭の当該地域の状況を調査から状況把握を行った。当該地域では三重・名古屋で優勢なテミエル形が三重・和歌山県境まで南下してきていることが調査結果から見て取れる。また,無敬語の地域で,対象をどのように待遇するかという未開のテーマであるが,アスペクト形式であるヤル形が素材待遇場面で,有敬語地域よりも多く出現することが確認された。この結果から,ヤル形式の待遇表現化についての仮説を提出した。 -
シリーズ社会言語科学1 『「配慮」はどのように示されるのか』
三宅和子, 野田尚史, 生越直樹, 西尾 純二( Role: Contributor , 日本語の配慮言語行動の社会的多様性)
ひつじ書房 2012.10
社会言語科学会設立10周年記念シンポジウムの基調講演をもとに編纂された。「対人配慮」に関わる言語行動の論点,多様性,他言語の状況が論じられる本書において,本論文では,日本語の配慮言語行動の社会的多様性について,その一端を明らかにしている。なかでも感謝言語行動の社会的多様性に注目し,都市化や話者の地域社会との密着度合いによる感謝言語行動の傾向的な特徴を見いだした。その内容としては,都市性の高い回答者の回答傾向が,若年層のそれと似ることを指摘した。また,感謝言語行動の動機となる相手からの利益供与に対して,「相手の負担に言及する」「機能的要素の使用数が多い・少ない」「表現の定型性・語彙重視性の強弱」といったことが,感謝言語行動の社会的多様性を特徴づけていることについても明らかにした。
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県別 罵詈雑言辞典
西尾 純二( Role: Contributor , 和歌山県の項)
東京堂出版 2011.10 ( ISBN:9784490108071 )
真田信治・友定賢治編
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世界の言語景観・日本の言語景観
中井精一, ロング・ダニエル, 西尾 純二( Role: Contributor , 大阪市大正区における沖縄に関する言語表示)
2011.3
「リトル沖縄」と呼ばれる大阪市大正区では,沖縄の音楽や舞踊,祭りなどの民族的な営為は現在も見られるが,沖縄のことばに関しては街中で耳にすることはまずない。その背景には,沖縄移民が自らの出自を隠してこの地で暮らさざるを得なかった歴史的な事情がある。このような状況おいて,大正区で公共の場に言語表示などによって沖縄性を露出させる行為は,どのような状況を呈しているか。この点を踏まえ,大正区の言語景観調査を実施した。調査の結果,沖縄にかんする言語表示には,地域的な偏りがあるほかに,沖縄移住者に関連が深い建物の内部に入るほど多く見られるといった現象が確認される。いっぽう,2005年ごろからリトル沖縄を前面に出す商店街も現れ,抑圧された沖縄性の言語表示が商業活動を通じて,露見するという現象が確認された。また,商店のシャッターに「めんそーれやでサンクス平尾」(サンクス平尾は商店街の通称)とあるように,沖縄性と大阪性とが融合するような言語表示も見られる。しかし,公共の自治体掲示板などには,まったく沖縄に関する言語表示は確認されない。以上のような,大正区における沖縄移民とその子孫の社会的な位置づけを示唆する調査結果が本論文では紹介されている。
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方言の発見―知られざる地域差を知る―
篠崎晃一, 小林隆, 西尾 純二( Role: Contributor , 卑罵表現の地域差)
ひつじ書房 2010.5
【共著書の概要】
「日本語にはどんな地域差があるか」という方言学の根源的な興味に対し,これまで知られていない方言の地域差を探求する。オノマトペや感動詞,言語行動,談話展開の地域差を扱った研究を紹介している。
【本人担当部分の概要】
個々の卑罵語だけでなく,卑罵的な言語行動(マイナスの待遇表現行動)を含め,その地域差について論じた。卑罵語については,その品詞性と親愛表現的な用法との関係性について指摘し,関西方言の卑語形式ヨルの表現性と,存在表現やアスペクト形式の文法史との関わりについても論じた。また,卑罵の言語行動についての地域差研究を,対人的言語行動の地域的多様性研究の一部と捉え,研究の際には表現産出のプロセスに注目することが重要であることを指摘した。 -
関西・大阪・堺の地域言語生活
( Role: Sole author)
大阪公立大学共同出版会 2009.1
本書は,ことばを社会との関わりで捉える社会言語学のテキストである。『堺・南大阪地域学』のテキストシリーズとして,関西・大阪・堺のことばを中心に,社会言語学的な諸問題を取り扱った。そして,当該地域(とその周辺)に暮らす人々の言語および言語生活の歴史・地域性・社会性・意識を,学術的に描き出すことを目的としている。トピックとしては,大阪方言が成立した経緯(第1章),大阪府内の言語分布(第2章),関西方言のハル敬語とヨル卑語(第3章),関西方言のイメージ(第4章),イメージから見た昭和初期の堺市方言(第5章)を取り上げている。以上のようなトピックについて,内的言語学の分析を加えたうえで,外的言語学として,言語変化や分布・意識形成と人々の地域生活や時代背景との関わりついて論じている。
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方言研究の前衛(論文集)
真田信治, 西尾 純二( Role: Contributor , 言語行動の多様性に関する研究の射程)
桂書房 2008.9
言語の多様性研究は,音声や語彙,文法事象などの言語形式が研究対象の中心であった。しかしそのほかに,「江戸っ子ははっきりものを言う」「京都人は遠回しなもの言いをする」など,言語行動にも日本語内に多様性があることは古くから気づかれていた。しかし,方法論が難しく,そこに光を当てる研究は多くなかった。この研究を可能にするために,必要な言語行動と言語形式の違いを示し,従来の研究が明らかにしてきたことを体系的に整理した。そして,1,多様性の地域構造の解明,2.言語行動社会の類型化,3.世代差の意義と内容の解明,4.言語行動の通時的変遷の把握が,今後の課題として設定できることを論じた。
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ことばのコミュニケーション
岡本真一郎, 西尾 純二( Role: Contributor , 罵りとその周辺の言語行動)
ナカニシヤ出版 2007.10
【共著全体の概要】対人関係の「描写」「構築」「方略」「表と裏」について,社会心理学,社会言語学,言語教育学的な観点から論じられている。「対人関係の中のことば」を対象にする際の各分野の研究手法を学ぶテキストにもなっている。
【本人担当部分の概要】
本書の「対人関係の表と裏」という章では,対人関係の負の側面とことばの関わりに注目するが,その中で,「罵り」のことばについての考察を担当した。罵りをマイナスの待遇表現と位置づけ,ポライトネス理論とも関連させて論じ,その産出に関するモデルを提出した後,事態への評価と表現態度の関係や,表現形式・機能的要素の選択に関する実証的研究を紹介した。また,罵りにおける言語行動の分析からはマイナス評価の表明だけでなく,日本語の対人配慮のあり方についての知見が得られることを説明した。 -
日本のフィールド言語学(論文集)
中井精一, ダニエルロング, 松田謙次郎, 金澤裕之, 太田一郎, 大西拓一郎, 岸江信介, 都染直也, 新田哲夫, 西尾純二, 井上文子, 三井はるみ, 阿部貴人ほか( Role: Contributor , 地域社会内部の言語層を素描する)
桂書房 2006.5
地域方言や社会方言,標準変種,敬語など,日本語のバラエティを考察する場合,現代においては地域差だけを考察するだけでは不十分であるという認識に立ち,日本語の各バラエティが言語生活空間でどのような層をなしているか。その例として,同じ都市であってもその内部のさらに小さなエリアごとにことばが異なることを明らかにした中井精一の大阪府豊中市内の調査事例に触れ,また,テレビ番組における方言使用が地域によって異なるという分析結果から,方言使用の経済や地域特性との関わりを示した。
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社会言語学の展望
真田信治編, 朝日祥之, イ キリョン, 井上文子, 生越直樹, 尾崎喜光, オストハイダ・テーヤ, 金澤裕之, 簡月真, 渋谷勝己, 高木千恵, 都染直也, 西尾純二, 新田哲夫, 野呂香代子, 松丸真大ほか( Role: Contributor , 場面とことば)
くろしお出版 2006.3
【共著書の概要】
言語地理学の隆盛から社会言語学という分野がなぜ誕生しなければならなかったのか,それは他の言語学の考え方とどのような点で異なっているのかを,社会言語学の会分野を系統立てて整理することで示した。
【本人担当部分】
場面とことばといった研究テーマで繰り返し話題になる「場面」の捉え方,そして場面と連動する「ことば」をどう捉えるかということについて解説した。日本語の言語変種や待遇表現の切り替えや,台湾におけるLanguage shiftの研究事例を取り上げ,そこに場面がどのように関与するかを例示している。これによって,言語変化と場面との関係や,言語生活の特徴を説明する際に場面という概念がいかに有効であるかを説明した。 -
ケーススタディ 日本語のバラエティ
上野智子, 定延利之, 佐藤和之, 野田春美編( Role: Contributor , 「上品なことば・下品なことば」,「忌避することば・慶弔のことば」)
おうふう 2005.10
【共著全体の概要】
多種多様な現代日本語の実態を,「日本語のバラエティ」という用語に集約させ,インターネットや携帯電話を媒介としたメール通信,マンガや歌詞など新しい文体や発音などの中に日本語の未知の可能性を探る。
【本人担当部分】「上品なことば・下品なことば」(p.78-p.83),「忌避することば・慶弔のことば」(84-89)
「上品なことば・下品なことば」では,発話や文章のスタイルを形成する,言語事象を「品」という観点からとらえ,卑語や隠語,美化語などの「品」の表出機能のあり方や心理的距離の調節機能などについて紹介した。「忌避することば」「慶弔のことば」では,社会的・宗教的なことばのタブーについて論じ,「不吉」「社会的評価の格下げ」「意思疎通の失敗」などの事態を避けることが特定の言葉を忌避する理由になることを述べた。また,慶弔のことばでは,その定型性がスピーチや年賀状などのどのような部分に現れるかを例示し,時代背景との関わりを論じた。 -
応用社会言語学を学ぶ人のために
ダニエル・ロング, 宮治弘明, 中井精一編, 共著者, 真田信治, 日高水穂, 沖裕子, 金沢裕之, 姜錫佑, 二階堂整, 西尾純二, 松田謙次郎, 岸江信介, 渋谷勝己ほか( Role: Contributor , 語用論的変異)
世界思想社 2001.6
【書籍概要】
社会言語学の様々な分析方法や知見を言語教育,言語外の社会的諸活動に応用することを志向して初学者向けに編纂されたテキスト。
【担当部分概要】
言語変異は,通常,意味的同一性が確保された複数の音形のことを指す。「語用論的変異」は言語行動の目的の同一性のもとに出現する,様々な語の選択や言い回しのことを指す。その産出や解釈の違いについて,観察の切り口を示した。選択された語や様々な言い回しへの解釈が異なると,コミュニケーション上の摩擦が生じるが,そのような諸場面への応用を本稿は志向している。 -
20世紀フィールド言語学の軌跡-徳川宗賢先生追悼論文集-
( Role: Joint editor , 大学生における表現行動のバリエーション,『口語法調査報告書』の調査機関別回答傾向)
変異理論研究会編・刊行 2000.6