科研費(文科省・学振)獲得実績 - 鎌田 十三郎
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低遅延エッジアプリケーションのためのルールベース即時情報処理・共有基盤確立
2024年4月 - 2027年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
鎌田 十三郎, 新田 直也, Finnerty Patrick・Martin
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量子アニーリング最適化のエッジコンピューティングプラットフォームへの統合開発
2022年4月 - 2026年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
太田 能, 鎌田 十三郎, 榎並 直子, Finnerty Patrick・Martin
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メニコア大規模クラスタ向け分散データ管理ライブラリおよびタスク管理機構との融合
2020年4月 - 2023年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
鎌田 十三郎
本研究は,メニコア大規模クラスタのための分散データ管理ライブラリの研究開発と,その動的タスク管理機構との融合を目指した研究である.本研究は,(1) メニコア環境に対応した大規模動的負荷分散機構の研究を進めると同時に,(2) メニコア環境に対応した高並列データアクセスが可能な分散集合ライブラリの整備をおこない,かつ(3) プログラミングモデルの改良によりデータおよびタスクの連想関係を統合的に管理できるようにすることで,分散データ管理部と動的負荷分散機構などとの融合を目指す.
初年度である 2020 年度は,(1) については動的負荷分散機構の適応的タスク粒度管理機構の研究を拡充し論文誌に発表をおこなった.また,これまでの研究ではノード間タスク移動の際にデータ転送コストを考慮しなくてもよい問題を対象としてきたが,データ移動コストを考慮したタスク粒度管理手法についての研究も開始した.大規模実験については,68 コアNUMA CPU を持つOakforest-PACS を用いた評価をおこなっている.
(2) については,メニコア環境において複数スレッドからのデータ挿入およびその後のノード間データ再配置を考慮した分散連想配列の実装法の研究をすすめるとともに,ソフトウェア公開のための実装拡充もおこなった.
(3) については,フラット型データ構造 DistChunkedList を対象に,分散集合と動的負荷分散機構との融合をすすめた.加えて,複数の計算コンポーネントから構成されるようなプログラムについても,詳細なデータ配置を記述しない形で制御フローを素直に記述できるようなプログラミングモデルの研究を開始した.
ソフトウェアについては,https://github.com/handist/ で公開している. -
エッジコンピューティングのための通信プラットフォーム垂直統合開発
2018年4月 - 2022年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
太田 能
自動運転の要素技術としてもエッジコンピューティング(EC)を利用し、歩行者検出精度を高めることが望まれており、本研究は、ECアプリ開発支援と自動車対歩行者交通事故の減少の双方に寄与することを目指している。
本年度は、この目的を達成するために、以下の3つの課題に取り組んだ。
課題1では、汎用的なKey-value型データベースに対して、アプリケーション開発者が低遅延アプリケーションを実現できるように、データ更新に応じた即時処理を可能とし、さらには、関連サービスの起動や関連デバイスへのデータ配信といったデータ連携に加え、アプリケーションの特徴を用いた明示的分散データ管理も可能となるような情報・通信連携基盤の実現を目指しており、本年度は、昨年度の抽象度の高い宣言的ルールの導入の取り組みを受け、処理・配信ルールの高級言語設計に取り組んだ。また、データアクセス保護として、アプリケーション単位のアクセス保護ではない、より粒度の細かいIoT デバイスやユーザ単位のアクセス保護を容易に実現可能とするデータ構造の実装と評価に取り組んだ。
課題2では、別車両からの歩行者認識情報が同一人物かどうかを結びつける Re-Identificationを行うことにより、デッドスポットにいる人物を高い確率で検出し、かつ、不要なアラートを削減することをねらう方法について、位置情報等とも組み合わせた場合の性能評価に取り組んだ。また、実証実験のためのデータセットを構築した。
課題3では、仮想化環境における情報通信基盤の評価・検討を行う。また、車車間通信を想定した、5G並びにDSRCの通信特性についての調査を実施した。 -
大規模エージェントシミュレーションにおける途中分岐実行の実現とその応用
2016年4月 - 2019年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
鎌田 十三郎
担当区分:研究代表者
本研究では、大規模エージェントシミュレーションの実行中に、そのシミュレーション世界を複数に分岐し、それぞれの並行世界のシミュレーションを並列実行するための機能を、大規模並列計算機向けに実現することを目標とする。このため、大規模シミュレーションにおいて効率的なデータ管理を担うことのできる分散集合ライブラリを開発すると同時に、世界の複製・再配置機能を拡充し、加えて、人工市場シミュレーション基盤 Plham 上に分枝実行機能を実現した。また、当該技術を社会シミュレーション分野で利用するための応用法についても検討した。
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Webサービスの統合利用のモデル抽象化・実行の効率化とグループウェアへの応用
2010年 - 2012年
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
鎌田 十三郎
担当区分:研究代表者
現在,多くの個人やグループのデータがクラウドサービス上に格納され,Web API を通じて利用可能である.本研究では,各種 Web サービスを簡単に結合利用し,結合ビュー上で個人やグループのデータを編集できるようにするため,一貫性のある結合ビュー編集機能を提供した.また,各種個人・グループデータを Web 上に配置する際,適切なアクセス保護を提供できるように,宣言的なロールベースアクセス制御機構つき Web データベースの提案・実現を行った.
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2006年 - 2010年
学術振興機構 科学研究費助成事業 特定領域研究
安達 淳, 田中 克己, 西田 豊明, 國吉 康夫, 須藤 修, 黒橋 禎夫, 原 隆弘, 松岡 聡, 田浦 健次朗, 建部 修見, 棟朝 雅晴, 廣津 登志夫, 松原 仁, 下條 真司, 千葉 滋, 湯淺 太一, 松山 隆司, 近山 隆, 近堂 徹, 河野 健二, 岡本 正宏, 合田 憲人, 鎌田 十三郎, 喜連川 優, 山名 早人, 中村 豊, 小林 広明, 中島 浩, 喜連川 優, 下條 真司, 千葉 滋
本特定領域に参加する計画・公募研究班で共用するための研究基盤を構築し、研究活動の支援を行った。これにより、限られた経費の中で研究資源の共用を図り研究連携を深める効果を発揮した。具体的には開放型検索エンジンTSUBAKIによる大規模コーパスの提供、広域分散コンピューティングテストベッドInTrigger、実世界インタラクション計測分析環境IMADE、そしてセンサーネットワーク予防医療の実験環境を構築した。
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インタラクティブなWEBアプリケーションの実現を容易にする計算環境
2006年 - 2008年
学術振興機構 科学研究費助成事業 若手研究(B)
鎌田 十三郎
担当区分:研究代表者
本研究の目的は,ユーザの要望に応じてWeb上の各種情報を効率的に融合するインタラクティブなWebアプリケーションを,容易に実現可能にすることである.我々の提案・開発したフレームワークは,データモデル部と GUI部を分離し,高い抽象度での Web アプリケーション記述を可能としている.一方で,データ計算はシステムが要求駆動で自動的に行っており,提供する GUI コンポーネント群と協調動作することで,高い性能と柔軟な操作性の両立を実現する.
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並列計算環境を対象とした効率的オブジェクトレイアウト法とその自動化
2002年 - 2004年
学術振興機構 科学研究費助成事業 若手研究(B)
鎌田 十三郎
本研究は、各種計算環境上の不規則データを扱う並列プログラムに対して、そのチューニングの自動化を目指したものである。今年度は、特にPCクラスタなどの分散計算環境を対象として研究を行った。分散環境では共有データアクセスに伴う通信オーバヘッドが問題となる。このため、分散共有メモリなどによる自動化アプローチは速度面で問題があり、MPIなどの通信ライブラリを用いた明示的データ移動が現在は主流である。ただし、データ一貫性をプログラマ自身が保障する必要があり、不規則データの場合、意図しないバグに悩まされることも多い。発表1の研究では、データ配置やキャッシュ方針をプログラマが指示することのできる共有メモリ型計算環境を提案した。計算局面毎に変数キャッシュ方針を指定するだけで、データ移動などはシステムが自動的に行う。PCクラスタ上での試験的評価の結果、本システムはMPIで記述した場合と同等の実行性能を達成しており、またアクセス傾向に偏りのあるB&H型N体問題などでは、MPIで記述した場合に比して、高速化も期待できる結果となっている。本研究は、昨年度からおこなっていた適応的オブジェクトの研究に基づくものであり、現在、本システムの本格実装をおこなっている最中である。
Java上のポータブル実装技術としては、バイトコード変換ツールCusapiの提案、実装も平行して進めている(発表3)。本ツールは、並列計算上の各種実装技術をプログラム変換モジュールとして簡単に作成し、ライブラリのように配布・適用できる環境の実現を目指したものである。現在、上述の分散計算環境の実装をCusapiベースで実現すべく、研究を進めている。
また、分散計算の対象が高性能計算のみにとどまらず、XMLを介したビジネス用途などに広がりをみせているのをうけて、現在、XML処理Nanafusiの研究も進めている。遠隔データを効率的に処理するため、ネットワーク遅延隠蔽技術などを盛り込んだ研究であり、研究発表2、4を行い、処理系も公開中である。