総説・解説記事(Misc) - 髙吉 慎太郎
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キタエフスピン液体におけるマヨラナ素励起の局所検出—固体物理〈キタエフスピン液体の新展開〉特集号 ; ダイナミクスと新奇物性
宇田川 将文, 高吉 慎太郎, 岡 隆史
固体物理 / アグネ技術センター [編] 57 ( 11 ) 713 - 724 2022年11月
出版者・発行元:アグネ技術センター
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レーザー誘起マグノントポロジカル絶縁体
仲田 光樹, 高吉 慎太郎
日本物理学会講演概要集 75.1 1372 - 1372 2020年
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擬1次元反強磁性体におけるスピノン閉じ込めと量子相転移
高吉 慎太郎, 古谷 峻介
日本物理学会講演概要集 74.1 1215 - 1215 2019年
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AKLT状態のエンタングルメントスペクトルへの場の理論的アプローチ
田中 秋広, 高吉 慎太郎
日本物理学会講演概要集 72 ( 0 ) 2419 - 2419 2017年
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佐藤 正寛, 高吉 慎太郎, 岡 隆史
日本物理学会誌 72 ( 11 ) 783 - 792 2017年
出版者・発行元:一般社団法人 日本物理学会
<p>「磁性体の磁化の向きを限界まで素早く変えたい.」これは次世代情報素子のコアとなりうるスピントロニクス技術であるのみならず,多数スピンの非平衡統計力学として基礎物理学的にも重要な概念である.近年この問題に対して,光を用いた戦略が盛んに議論されている.レーザーパルスの整形・変調,メタマテリアルやプラズモニクスなど光科学分野の実験の進展は目覚ましい.そのような最先端の光技術を上手に使えば,スピンの集団運動にとっての量子力学的な限界速度であるピコ(10-12)秒という時間スケールで磁化を制御できるのだ.</p><p>この「超高速スピントロニクス」の実現には,磁性体と光との結合様式(光・物質結合)や時間変化する外場中における量子系の時間発展(量子ダイナミクス)を理解する必要がある.しかし,多自由度を取り扱う固体物理分野では量子ダイナミクス研究の進歩が遅れていた.その一因として,多自由度の協調現象を扱う基本的な枠組みが整備途上であり,平衡系で慣れ親しんだエネルギーや固有状態などの議論の足がかりを失うことが挙げられる.レーザー中の多体系の解析では「非平衡系の相転移とは何か? それをどう特徴付けるべきか?」などの疑問の解消が望まれる訳である.</p><p>実はこの問題は,磁気共鳴,量子化学,量子光学などのダイナミクスとの関わりが避けて通れない分野においては限定的ながら解決されている.レーザー電磁場を時間について周期的な外場とみなすと,系は離散的な時間並進対称性を持つ.このときエネルギーや固有状態といった概念が復活するのだ.この「フロケ理論」,そして回転枠などへの「ユニタリ変換の方法」を使うと,時間依存ハミルトニアンが駆動する多体系ダイナミクスを静的な有効ハミルトニアンで理解できるのである.望みの物性が実現するような動的状況を与える外場をフロケ理論の有効模型からさかのぼって設計することを,物性を操るという意味を込めて「フロケエンジニアリング」と呼ぶ.</p><p>多体系のフロケエンジニアリングは,冷却原子系や電子系で発展してきたが,近年磁性体の制御にも適用されはじめている.例えば,標準的な磁性絶縁体に円偏光レーザーを照射し磁化を生成・成長させる方法が提案されている.これはレーザー周波数のエネルギースケールに対応する大きな静磁場が有効模型に現れることに由来する.</p><p>レーザーによるスピン流生成は超高速スピントロニクスの主要テーマの一つであり,特異な光・物質結合を持つマルチフェロイクス(強誘電磁性体)が注目されている.この系ではスピンはレーザーの磁場成分だけでなく電場にも応答する.あるクラスのマルチフェロイクスに円偏光レーザーを照射するとベクトルスピンカイラリティ(またはジャロシンスキー・守谷相互作用)が生じることが有効模型・数値計算から示唆される.これを利用したスピン流の生成,およびその検出方法について,現実的な実験セットアップの理論提案もなされている.</p><p>レーザーを用いた物性制御は従来型秩序にとどまらず,系のトポロジカル秩序をも変化させられる.その具体例としてキタエフ模型への円偏光レーザー印加の研究がある.有効模型に生じるホッピング項がスピン液体基底状態にギャップをもたらし,系をエッジ状態を持つトポロジカルな状態へと変化させることが予言される.</p>
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3次元量子スピン系SPT相とO(6)非線形シグマ模型の間の双対性
田中 秋広, 高吉 慎太郎
日本物理学会講演概要集 71 ( 0 ) 2755 - 2755 2016年
出版者・発行元:一般社団法人 日本物理学会
<p>量子スピン系のAKLT状態は典型的なSPT相と成り得るが、我々はこれまで空間一次元、二次元の場合について、その条件をトポロジカル項付きの非線形シグマ模型を用いて特定してきた。今回、3次元への拡張方法を見出したので報告する。特に理論の部分群であるO(4)セクターのモノポール凝縮が果たす役割について説明する。</p>
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量子スピン系のSPT相におけるstrange correlator
高吉 慎太郎, 田中 秋広
日本物理学会講演概要集 71 ( 0 ) 2756 - 2756 2016年
出版者・発行元:一般社団法人 日本物理学会
<p>系に対称性を課すことによって、パラメータ空間で相転移を経ずに自明な直積状態に移ることができず、トポロジカルな性質が守られる相をSPT相という。SPT相を特徴づける物理量として、strange correlatorと呼ばれる特殊な相関関数が提案されている。我々はいくつかの量子スピンSPT相において、strange correlatorを具体的に計算し、SPT相と自明相が区別されることを見る。</p>
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16aCQ-12 平坦バンドのあるBose-Hubbard模型におけるペア朝永-Luttinger液体相
桂 法称, 高吉 慎太郎, 渡辺 伯陽, 青木 秀夫
日本物理学会講演概要集 70 ( 0 ) 2536 - 2536 2015年
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21pAR-6 磁化プラトーにおける対称性に保護されたトポロジカル相の場の理論
高吉 慎太郎, 戸塚 圭介, 田中 秋広
日本物理学会講演概要集 70 ( 0 ) 2917 - 2917 2015年
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16aCQ-6 二次元スピン系のベリー位相とSPT状態
田中 秋広, 高吉 慎太郎
日本物理学会講演概要集 70 ( 0 ) 2532 - 2532 2015年
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27pAS-10 量子磁性体・誘電体におけるフロケ状態と非平衡量子相転移(27pAS 光誘起相転移(超高速現象・誘電体・磁性体),領域5(光物性))
佐藤 正寛, 高吉 慎太郎, 岡 隆史
日本物理学会講演概要集 69 ( 0 ) 733 - 733 2014年
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9pBF-9 量子強誘電磁性体におけるレ一ザーによるDM相互作用の動的制御(9pBF スピントロニクス(磁化ダイナミクス),領域3(磁性))
佐藤 正寛, 高吉 慎太郎, 岡 隆史
日本物理学会講演概要集 69 ( 0 ) 310 - 310 2014年
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9pAQ-10 場の理論の質量項を用いたHaldane相を保護する対称性の解析(9pAQ 量子スピン系・ボゾン系1,領域11(物性基礎論・統計力学・流体物理・応用数学・社会経済物理))
高吉 慎太郎, 田中 秋広
日本物理学会講演概要集 69 ( 0 ) 169 - 169 2014年
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9aAH-5 グラフェンにおける分数量子ホール効果に対する1次元定式化による解析(9aAH 領域4,領域7合同グラフェン(量子ホール効果),領域4(半導体,メゾスコピック系・局在))
汪 正元, 高吉 慎太郎, 中村 正明
日本物理学会講演概要集 69 ( 0 ) 487 - 487 2014年
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28pAK-11 対称性で保護されたトポロジカル相の場の理論による解析(28pAK 量子スピン系・ボソン系・冷却原子系,領域11(物性基礎論・統計力学・流体物理・応用数学・社会経済物理))
高吉 慎太郎, 田中 秋広, 新田 宗土
日本物理学会講演概要集 69 ( 0 ) 332 - 332 2014年
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25aKH-13 J_1-J_3-J_4のモデルの量子相転移のユニバーサリティークラス(量子スピン系1,領域11(統計力学,物性基礎論,応用数学,力学,流体物理))
毛利 宗一朗, 古谷 峻介, 藤 陽平, 高吉 慎太郎, 押川 正毅
日本物理学会講演概要集 68 ( 0 ) 218 - 218 2013年
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28pKF-4 静磁場を用いない非平衡磁化プラトーとそのトポロジカルな性質(量子スピン(一次元系),領域3(磁性,磁気共鳴))
高吉 慎太郎, 佐藤 正寛, 岡 隆史
日本物理学会講演概要集 68 ( 0 ) 436 - 436 2013年
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27pKF-10 量子磁性体におけるTHzレーザーを用いた動的な磁化制御の理論(スピントロニクス(磁化ダイナミクス),領域3(磁性,磁気共鳴))
佐藤 正寛, 高吉 慎太郎, 岡 隆史
日本物理学会講演概要集 68 ( 0 ) 426 - 426 2013年
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26pXW-9 量子スピン系における光誘起相転移現象 : 磁化誘起とHaldane相の破壊(26pXW 1次元量子スピン系・ダイナミクス,領域3(磁性,磁気共鳴))
高吉 慎太郎, 青木 秀夫, 岡 隆史
日本物理学会講演概要集 68 ( 0 ) 533 - 533 2013年
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26aDA-1 レーザー変調を用いた磁化過程と光誘起磁気トポロジカル相(光誘起相転移(超伝導・磁性体・その他),領域5(光物性))
高吉 慎太郎, 佐藤 正寛, 岡 隆史
日本物理学会講演概要集 68 ( 0 ) 651 - 651 2013年