科研費(文科省・学振)獲得実績 - 日下部 岳広
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4色型色覚特異的マイクロRNAから探る色覚の制御と進化
2021年7月 - 2023年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 挑戦的研究(挑戦)
日下部 岳広
担当区分:研究代表者
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脊椎動物の頭部の進化を可能にしたゲノム基盤の解明
2019年4月 - 現在
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究課題番号:19H03213
脊椎動物は頭部に高度に発達した脳と感覚器をもち、これらのはたらきが地球上のさまざまな環境に適応した脊椎動物の繁栄を支えている。脳は胚の神経板から生じ、感覚器は脳とその周縁部の組織(プラコード)の相互作用によって作られる。脊椎動物に近縁なホヤ類の幼生は、微小だが脊椎動物と相同な脳とプラコードをもつ。本研究では、研究代表者らが明らかにしたホヤと脊椎動物の間の器官相同性をもとに、これらの器官に関わるトランスクリプトーム、遺伝子制御ネットワーク、ゲノムの構造と機能の特性の比較解析を行い、脊椎動物の高度に発達した脳と感覚器の出現を可能にした背景と進化プロセスを解明する。 -
脊椎動物の中枢神経系と感覚器の複雑化を可能にしたゲノム基盤の解明
2016年4月 - 2020年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究課題番号:16H04724
脊椎動物は頭部に高度に発達した中枢神経系(脳)と感覚器をもち、これらのはたらきが地球上のさまざまな環境に適応した脊椎動物の繁栄を支えている。脳は胚の神経板から生じ、感覚器は脳とその周縁部の組織(プラコード)の相互作用によって作られる。脊椎動物の祖先形態をとどめているナメクジウオ類の中枢神経系は、体の前端から後端までほぼ同じ太さで、脳とよべる前端部のふくらみはみられず、感覚器の原基となるプラコードも存在しない。一方、より脊椎動物に近縁なホヤ類の幼生は、微小だが脊椎動物と相同な脳とプラコードをもつ。本研究では、研究代表者らが明らかにしたホヤと脊椎動物の間の器官相同性をもとに、トランスクリプトームと遺伝子制御ネットワークの比較解析を行い、脊椎動物の複雑で高度な機能を備えた脳と感覚器の出現を可能にした背景と進化プロセスを解明する。 -
モデル脊索動物を用いた神経系細胞の個性化を司るゲノム情報発現ネットワークの解明
2013年4月 - 2016年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究課題番号:25290067
神経系は多様なニューロンとグリア細胞から構成されており、共通の前駆細胞から生じるこれらの細胞が、各々固有の性質を獲得し、正しく配置されることが、神経系の機能発現のために必要である。そのしくみの解明は、神経発生学の中心課題であるが、胚発生が胎内で進行し、膨大な数と種類の細胞から構成される哺乳類の神経系では、その理解はきわめて断片的である。本研究では、研究代表者と分担者の共同研究の成果に立脚し、ゲノムも神経系もともにシンプルなホヤとメダカを用い、神経系の各細胞が固有の性質を獲得するためのゲノム情報発現ネットワークを探る。(1)転写因子とシス調節配列の相互作用、(2)細胞間シグナル、(3)ノンコーディングRNAによる制御、(4)染色体上の遺伝子配置に連関した制御、をネットワークの基本要素ととらえ、脊索動物に普遍的な神経系構築のメカニズムの解明をめざす。 -
後脳・脊髄と網膜に存在する新奇GnRH産生細胞群の生理機能
2013年4月 - 2015年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 萌芽研究
研究課題番号:25650118
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)は脊椎動物の生殖機能を調節する神経ペプチドである。申請者は、メダカを用いて、後脳・脊髄および網膜でGnRH遺伝子を発現する細胞群をみいだした。これらの組織ではこれまでどの脊椎動物においてもGnRH産生細胞は報告されていない。発生遺伝学、蛍光イメージング、光行動遺伝学などの手法を駆使して、後脳・脊髄・網膜に存在する新奇GnRH産生細胞の生理的役割を明らかにする。GnRHが運動制御や組織の分化・維持などに関与する可能性を探り、新奇な神経内分泌制御システムの存在を検証する。本研究により、生殖制御因子の枠をこえたGnRHの新しい役割が明らかになると期待できる。 -
転写因子とシス調節DNAの核内動態に基づく細胞特異的転写調節ロジックの解明
2010年4月 - 2013年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究課題番号:22310120
遺伝子発現を制御するゲノムDNA配列(シス調節配列)は、発見が困難であるため、その重要性にも関わらずいまだに大半が未同定である。ホヤは脊椎動物にもっとも近縁な無脊椎動物で、ゲノムサイズが小さく、発生過程における遺伝子制御の研究に適した多くの特徴を備えている。本研究では、転写開始点と転写因子結合部位をホヤゲノム上にマッピングするとともに、共発現遺伝子座領域の染色体動態を解析し、その過程に関与するDNA配列を決定する。これらの情報とイン・ビボ実験およびイン・シリコ解析を統合して、細胞特異的な遺伝子発現制御に関わる転写因子とシス調節領域の相互作用の実体を明らかにし、脊椎動物ゲノムにも適用可能な転写調節ロジックの解明をめざす。 -
脳内メラノプシンによる行動制御
2010年4月 - 2012年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 萌芽研究
研究課題番号:22657023
網膜神経節細胞の一部に存在し概日リズムの調節にはたらく光受容体タンパク質メラノプシンは、多くの脊椎動物において、脳にも存在していることが知られている。しかし、その生理機能はまったく不明である。研究代表者らは、発生遺伝学的な操作により眼点視細胞を完全に欠いたホヤ幼生が、光に応答した運動を示すことをみいだした。この視細胞をもたない幼生の脳には、メラノプシン型のオプシン遺伝子が発現している。メラノプシンが視細胞欠損幼生の光応答を担っているという作業仮説に基づいて、この光応答の発現機構を解析する。本研究により、メラノプシンおよび脳内光感受性ニューロンの新しい役割が明らかになると期待される。さらに、ホヤで得られた知見をもとに脊椎動物における類似の生理機構も検証する。 -
ホヤゲノムにコードされる小分子RNAの包括的探索
2008年4月 - 2011年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究課題番号:20310115
ホヤゲノムにコードされる機能性小分子ノンコーディングRNAを網羅的・体系的に同定し、in vivoおよびin vitroの検証実験と機能解析を行う。
共同研究者:中井謙太(東京大学医科学研究所・教授)、井上邦夫(神戸大学理学研究科・教授)
310
2301 -
中枢神経系と筋細胞におけるGnRHの新奇な生理機能
2008年4月 - 2010年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 萌芽研究
研究課題番号:20657018
発生遺伝学、蛍光イメージング、遊泳行動解析などの手法を駆使して、ホヤにおけるGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)の生理機能の解析を行う。
401
5705 -
ホヤ神経系の細胞型を規定する転写制御ネットワークの解明
2006年4月 - 2009年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究課題番号:18370089
ホヤ神経系の主要なニューロン型のそれぞれについて、特異的プロモーターの機能解析とその発現制御に関わる転写因子の探索・機能解析を行った。
310
5806 -
脊椎動物起源の研究
2005年4月 - 2010年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 特定領域研究
研究課題番号:17018018
脊椎動物の起源と進化過程の解明を目的として、脊椎動物に最も近縁な無脊椎動物であるホヤ・ナメクジウオをはじめ、様々な生物間で比較ゲノム解析を行う。
共同研究者:佐藤矩行(京都大学理学研究科・教授)
034
015-B01 -
カタユウレイボヤの転写制御領域に関する情報学的モデル構築とその検証
2005年4月 - 2007年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
研究課題番号:17310114
筋肉、視細胞などで発現する遺伝子群の転写制御領域の情報モデルを作成し、ゲノムワイドな遺伝子予測を行った。
共同研究者:中井謙太(東京大学医科学研究所・教授)
310
2301 -
ホヤ中枢神経系における細胞の発生運命決定と細胞分化の分子機構
2004年4月 - 2006年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 若手研究(B)
研究課題番号:16770166
ホヤ幼生をモデル生物として、神経系における細胞の発生運命の決定と細胞分化のメカニズムを、細胞および遺伝子レベルで解析した。
260
5806 -
ホヤ幼生の形態進化に伴う遺伝子プログラムの変化の解析
2002年4月 - 2004年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 特定領域研究
研究課題番号:14034250
ホヤ幼生の形態多様性に関わる発生遺伝子プログラムについて解析を行った。 -
ホヤ遺伝子発現調節領域の構造と機能の網羅的解析
2001年4月 - 2005年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 特定領域研究
研究課題番号:13202057,14011244,15011248,16011252
ホヤ幼生の遺伝子発現プロファイルを明らかにした。ホヤ神経サブタイプ特異的プロモーターを同定し、情報科学によるシス調節配列の発見と実験検証に成功した。
034
001-A01 -
ホヤ幼生脳胞における視細胞の分化機構の解析
2001年4月 - 2003年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 若手研究(B)
研究課題番号:13780594
尾索動物ホヤの幼生の中枢神経系の前端部は脳胞と呼ばれ、2つの感覚器、眼点と平衡器が存在する。簡単な構造のホヤの眼点では、一つ一つの細胞レベルで眼の発生機構を調べることが可能である。本研究では光受容に特化した神経細胞である視細胞の細胞分化に焦点を絞り、転写調節因子群による視細胞特異的遺伝子の転写制御機構の解明を目指し、カタユウレイボヤの視細胞で発現する光情報伝達関連遺伝子の発現調節領域の機能を解析するとともに、視細胞特異的遺伝子発現を制御する転写調節因子のcDNAをクローニングし、視細胞分化における役割を調べた。 -
ホヤ無尾幼生の進化に伴う遺伝子プログラムの変化の解析
2001年4月 - 2002年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 特定領域研究
研究課題番号:13045040
1.ホヤ幼生神経系の発生に関わる遺伝子の同定と発現パターンの解析: カタユウレイボヤの幼生神経系の発生に関わる遺伝子(発生調節遺伝子および特異的分化マーカー)の単離と発現パターンの解析を行なった。
2.モルグラ科ホヤの神経系の発生と形態の解析: 無尾幼生を生じる無尾種の大半はモルグラ科に属する。カタユウレイボヤで得られた神経系特異的遺伝子の情報を活用し、モルグラ科ホヤの無尾幼生と有尾幼生の神経系の発生と形態の比較解析を行った。 -
メダカ胚における視細胞特異的グアニル酸シクラーゼ遺伝子ファミリーの発現制御機構
1999年4月 - 2001年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 奨励研究(A)
研究課題番号:11780527
1.メダカ視細胞特異的グアニル酸シクラーゼ遺伝子の転写調節領域の機能解析
2.視細胞特異的な転写調節に関わる転写調節因子の解析 -
脊索動物における筋肉アクチン遺伝子の発現調節機構の多様性と普遍性に関する研究
1997年4月 - 1999年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 奨励研究(A)
研究課題番号:09780673
メダカ、ホヤ、ナメクジウオを用いて脊索動物における筋肉アクチン遺伝子の発現制御の多様性と普遍性に関する解析を行った。 -
脊索動物ホヤにおける筋肉アクチン遺伝子の発現調節機構
1996年4月 - 1997年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 奨励研究(A)
研究課題番号:08780694
1.ホヤ筋肉アクチン遺伝子の上流領域の塩基配列の比較:3種のホヤの11個の筋肉アクチン遺伝子の上流領域の塩基配列の比較をおこなった。その結果、系統的に離れた種の幼生筋特異的アクチン遺伝子の間で保存された10bp前後の長さの配列が、各遺伝子の転写開始点から上流230bp以内の領域に見いだされた。 2.ホヤ筋肉アクチン遺伝子の上流領域の機能解析:(1)2種類のホヤMolgula oculataとMolgula occultaの幼生筋アクチン遺伝子について、上流領域に大腸菌のβガラクトシダ-ゼ遺伝子lacZをつないだ融合遺伝子をユウレイボヤ卵に顕微注入し、上流領域の筋肉特異的転写調節における機能を解析した。これらの遺伝子の転写開始点の上流250bpまでの上流領域が筋肉特異的な遺伝子発現に十分であることが示された。(2)Molgula oculataの幼生筋アクチン遺伝子の転写調節領域の機能を、塩基配列を人工的に改変することにより調べた。(a)筋肉特異的遺伝子発現には、上記1で見いだされた配列を含む、-35bpから-250bpの間の領域が必要であること、(b)この領域は転写開始点に対して逆向きにしても筋肉特異的な活性を保持していること、が示された。 3)ホヤと脊椎動物の間で保存された転写調節機構の解析:(1)ホヤの筋肉アクチン遺伝子の転写調節領域をlacZ遺伝子に連結した融合遺伝子をメダカ胚に導入し、レポ-タ-遺伝子の発現の解析を進めている。(2)ナメクジウオとメダカの筋肉アクチンcDNAを単離し、遺伝子発現様式をin situハイブリダイゼ-ションにより調べた。