科研費(文科省・学振)獲得実績 - 石川 路子
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障害の有無による社会経済格差の実態とその要因分析
2018年4月 - 現在
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
本研究は、障害の有無に起因する社会経済格差の実態およびその要因を計量経済モデルを用いて明らかにすることで、障害児者の生活の質(QoL)向上に資する制度設計に対する一提案を行うことを目的としている。我が国では欧米諸国に比べ、社会科学的なアプローチからの障害児者研究の蓄積が少ないが、今後我が国が直面するであろう深刻な財政難を勘案すると、現在増加の一途をたどっている障害児者の支援制度の抜本的な改革は喫緊の課題である。本研究はアマルティア・センの掲げる、障害児者が直面する2 つのハンディキャップ(earning and conversion handicaps)に着目し、先行研究とは異なる視点から障害児者の社会経済格差の計測/分析を行う。我が国にとどまらず欧米諸国においても障害児者支援制度は大きな変革を迫られている。その点においても、本研究は今後の制度設計に必要不可欠な基礎的研究の一つとして位置づけられると考えている。
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生活の質の決定要因分析―都市化がもたらす利益と損失の経済学的評価
2015年4月 - 2018年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
本研究は、都市化がQoLに与える影響を(1)社会関係資本、(2)知的資源・人的資本、(3)都市基盤という3つの構成要素の観点から分析するものである。都市化のQoLに対する影響はさまざまな分野で研究されているものの、学問横断的に研究されていることもあり、未だ明確な結論が得られていない状況である。このような背景を受け、本研究では、既存の研究を体系的に分類した上で、QoLに影響を与える都市の要素をより細かく分解し、これら個々の要素がどのようにQoLに影響を与えているかをより精緻に分析することを目的としている。
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アクセシビリティからみた都市・地域空間の経済学的評価
2011年4月 - 2015年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 若手研究(B)
医療施設へのアクセシビリティを重視した評価指標を構築した。具体的には、医療機関の地理的位置を世界測地系(WGS84)で示した上で、総務省統計局によって算出されている人口重心位置との距離を医療サービスへのアクセシビリティを示す一指標として導入した。また、医療費を非説明変数、医療サービスへのアクセシビリティ(各都道府県関係局から収集した救急搬送時間等その他のアクセシビリティ指標も勘案)やバリアフリー対応住宅の割合等で代理される「地域の定住性」などを説明変数としたモデルを構築し、その関係性について検証している。
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我が国におけるエンド・オブ・ライフ・ケアの経済学的分析
2011年4月 - 2014年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 若手研究(B)
本研究は、(1)終末期まで見据えた在宅における介護・看護・医療ケアのコストを経済学的に分析・評価したうえで、(2)我が国におけるターミナルケアの問題点を明らかにし、(3)健常期と要介護期・終末期を通じ在宅ケアへのインセンティブを高めるような政策を検証、(4)我が国独自のエンド・オブ・ライフ・ケア・プログラムを構築・提言することを目的とする。
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医療・介護格差の現状分析とその評価に関する研究
2009年4月 - 2010年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 若手研究(B)
本研究は、(1)我が国における「医療・介護格差」の存在を明らかにしたうえで、(2)「医療・介護格差」がもたらす社会的損失を計測、(3)さらに「終末期」の医療・介護サービスの社会的意義を経済学的に捉えたうえで、(4)人口減少・高齢社会に対応した有効な「医療・介護システム」を提言すること、を目的とする。
当該研究期間には、「医療・介護格差」の存在を明らかにすると同時に、その「医療・介護格差」がどれほどの社会的損失を生み出しているのかについて経済学的に計測する。さらに、今後重要になってくるであろう「終末期」の医療・介護の実情を統計データ等を用いて客観的に示し、「終末期」医療・介護の社会的意義を明らかにする。これらの一連の研究に基づき、今後我が国で推進すべき「医療・介護システム」の提言を行う予定である。 -
アクセシビリティからみた都市・地域空間の経済学的評価
2007年4月 - 2009年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 若手研究(B)
我が国の都市・地域における総合的・包括的な「アクセシビリティ指標」を構築するため、 1.EUにおいて多く検討されているアクセシビリティ指標を分析すると同時に 2.我が国で取得可能なデータを整理し、 3.適切かつ妥当な「アクセシビリティ指標」を検討する。