科研費(文科省・学振)獲得実績 - 中野 修一
-
細胞内のクラウディング環境で核酸の非標準構造形成を可能にする物理化学的要因の解明
2023年4月 - 2026年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
担当区分:研究代表者
-
核酸の非構造部位の機能的役割と分子クラウディング効果の解明
2018年4月 - 2023年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
DNAとRNAの高次構造には二重鎖のような特定の構造を形成しない、様々なタイプの非構造部位が存在する。非構造部位は生物学的・生物工学的にとても重要であり、タンパク質における非構造部位の重要性を考慮すると、核酸の非構造部位がもつ機能的な役割に注目することには大きな意義がある。非構造部位は大きな溶媒露出面積と柔軟性のため、構造形成部位よりも分子クラウディング (molecular crowding) の影響を受けやすいと考えられる。しかし、その影響は解明されておらず、このことがDNAとRNAの四重鎖構造や高次構造に対する分子クラウディング効果の理解を困難にしてきた。本研究は新たな実験・解析手法を用いて、DNAとRNAの一本鎖状態とループ部位に対する分子クラウディング効果を解明するとともに、誘導適合 (induced fit) 機構で結合するカチオン性物質と生体化合物に与える影響を評価する。この研究によって、核酸の非構造部位の新しい役割を明らかにし、核酸研究に“intrinsically disordered nucleic acid (IDNA)”という新しい分野を開拓する。
-
イオン液体化合物を利用する核酸テクノロジーの創製
2015年10月 - 2019年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
ある種のイオン液体は核酸に選択的に結合するという、従来の水溶媒や有機溶媒では見られない希有な性質をもつ。この性質をうまく利用できれば機能性核酸の開発が進み、その用途が大きく広がることが期待される。本研究は、イオン液体の結合特性を積極的に利用する新規核酸テクノロジーを創製することを目的としている。具体的には、核酸構造安定性の制御に効果的なイオン液体化合物を探索し、DNA 鎖の組換え反応の促進とRNA 酵素(リボザイム)の触媒活性の向上を試みる。この取り組みにより、イオン液体を用いる核酸テクノロジーの有用性を明らかにし、基礎科学から産業応用まで幅広い分野で使うことができる簡便な手法を開発する
-
細胞で行われる核酸反応を解明するための新規モデル実験システムの構築と利用
2012年4月 - 2015年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
細胞内部の分子を取り巻く環境は、通常のインビトロ実験で用いられる水溶液中とは大きく異なっている。本研究は、化学的立場からの研究アプローチとして、細胞内部の特殊な分子環境が核酸の構造と機能に与える影響を解明するための新規評価システムを構築する。具体的には、大量のタンパク質が共存する環境と、細胞骨格フィラメントがつくり出す繊維状構造体の影響を定量的に評価するためのモデル実験系を構築する。そして、核酸構造の形成に不可欠なカチオンとの結合が、分子環境によってどのような影響を受けるのかを明らかにする。新規評価システムを構築することで、インビトロ実験と細胞実験の橋渡しになるデータと新しい実験系を提供し、従来の分子クラウディング研究を大きく飛躍させることを目指す。
-
細胞内分子環境で機能する新規核酸マテリアル創製
2010年4月 - 現在
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
分担研究
細胞内部で使用できる機能性核酸や、様々な環境ではたらく核酸バイオセンサーを開発するには、分子環境の違いが及ぼす核酸機能への影響を分子レベルで解明し、分子環境効果を化学的に解明しておく必要がある。本研究は、核酸の相互作用に対する分子クラウディング効果をナノバイオテクノロジー開発に利用するために、機能性DNAおよびRNAに対する分子クラウディングの化学的側面を明らかにする。分子クラウディング実験系を用いて、分子環境の違いがもたらす核酸構造と相互作用エネルギーへの影響を定量的に解明することで、均一希薄水溶液を使って得られるin vitroデータと、細胞内反応やバイオセンサー表面で行われる相互作用や化学反応の橋渡しとなる実験データを得る。さらに、この定量的な実験データに基づいて、分子クラウディングのような特殊な分子環境を利用した機能性核酸の開発とその機能解析を行い、新規ナノバイオテクノロジーの開発を試みる。 -
特殊な分子環境で行われる核酸の分子認識と構造形成の解明
2007年4月 - 2009年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 若手研究(B)
材料表面や細胞内部で生じる分子クラウディング環境に着目し、定量解析が可能な分子クラウディング実験系を用いて核酸の分子間相互作用を解明する。さらに、こうして得られる定量的データに基づいて、分子環境に応じて構造変化する機能性核酸を設計することで、金属ナノ粒子やセンサー基盤などの材料表面や、細胞内部で行われる核酸の分子認識と構造形成を解明する。
研究金額
3,300 千円 -
核酸構造に対する分子クラウディング効果の化学的解明と分子スイッチ開発への活用
2005年4月 - 2007年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
分担研究
in vitroとin cellでの分子環境の違いを「分子クラウディング」という化学的側面から検討し、細胞内での核酸の挙動が予測できるシステムの構築を目指す。まず、二重鎖構造、および四重鎖構造の熱力学的安定性に対する金属イオン効果をクラウディング環境下で調べ、分子クラウディングをトリガーとした分子スイッチの開発を目指した研究課題を実施する。
杉本直己(先端生命工学研究所 所長、理工学部機能分子科学科 教授)、中野修一(先端生命工学研究所 講師)、三好大輔(先端生命工学研究所 講師)、甲元一也(先端生命工学研究所 講師)
研究助成
15,490 千円
独立行政法人日本学術振興会 -
分子クラウディング環境下で核酸が形成する構造と相互作用エネルギー因子の解明
2005年4月 - 2006年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 若手研究(B)
分子クラウディングが、核酸構造のエネルギーレベル変化させる原因を明らかにすることを目指す。核酸構造とエネルギーレベルに対する水和の効果を明示するために、クラウディング環境下における核酸の構造と、その熱力学的安定性に対する金属イオン効果を調べる。さらに、クラウディング分子が及ぼすRNA加水分解反応の研究を行う。
研究担当者
中野修一(先端生命工学研究所 講師)
研究金額
3,300 千円
文部科学省 -
オーダーメード機能を持つサブナノファーバーを大量生産できる細胞工場の開発
2004年4月 - 2006年3月
学術振興機構 科学研究費助成事業 研究助成 /兵庫県COEプログラム推進事業 /外部(委託先等)/兵庫県
in vitroとin cellでの分子認識の相違点をエネルギーレベルで解明し、細胞内での生体分子間の相互作用を説明(予測)できるデータベースシステムを構築する。
研究担当者
杉本直己(先端生命工学研究所 所長、理工学部機能分子科学科 教授)、中野修一(先端生命工学研究所 講師)、三好大輔(先端生命工学研究所 講師)、甲元一也(先端生命工学研究所 講師)
研究金額
20,000 千円