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杉本 直己 (スギモト ナオキ)

SUGIMOTO Naoki

職名

特別客員教授

 

研究経歴 【 表示 / 非表示

  • 非ワトソン-クリックワールドの核酸化学の確立と国際核酸化学研究拠点の形成

    研究期間: 2024年4月  -  現在

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    ゲノムを構成する核酸は、ワトソン-クリック塩基対によって二重らせん構造を形成する。この標準的な構造は、遺伝情報を保持する役割をもつ。一方で、核酸分子は非ワトソン-クリック型の塩基対から成る非二重らせん構造も形成できる。ゲノム内に非二重らせん構造が形成されると、遺伝情報の伝達が変化することが、近年、明らかになりつつある。また、非二重らせん構造は疾患に関連する遺伝子上で多く形成されることも示されている。そのため、非二重らせん構造の形成と疾患の相関を解明する試みが各国で始まりつつある。 甲南新世紀戦略研究プロジェクト(第Ⅰ期)では、環境に応答する核酸の二重らせん、および非二重らせん構造を予測できるエネルギーデータベース、GENERAL (Gene-Environment Energetically Related Academic Library:環境応答性核酸の汎用エネルギーデータベース)を構築する。このGENERALを基に、各国の研究グループを取りまとめ、核酸構造により制御される遺伝子の情報伝達機構を解明する。さらに、生命の普遍的かつ基盤的現象を担う核酸構造から構成される、「非ワトソン-クリックワールド」という新たな概念を提唱し、KONAN FIBERを中核として核酸化学の国際研究拠点を形成する。本研究で構築するGENERALは、ヒトに限らず、あらゆる生命体に存在する核酸構造に適用できる。それ故、このGENERALは、医療・健康産業におけるヒトの遺伝子制御に活用できるだけでなく、環境問題の解決に必要とされる、生物資源を活用した農業や工業の発展にも貢献できることが期待される。